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考察
『人間の限界』を考えるときまず真っ先に思い浮かぶのは、『生老病死』だ。
ブッダは言った。
これはブッダの言葉の超訳として書いた記事だが、
- 生:生きること
- 老:老いること
- 病:病を患うこと
- 死:この世を去ること
これが人間が課せられている『限界』である。つまり『有限』なのだ。『無限』ではない。人間に与えられた寿命も、可能性も、全て有限なのである。それを知るため、悟るために、ブッダの言葉は極めて重要な考えるべく要素である。しかし、もし限界が自分に無く、そしてこの世が有限でなければ、この世に秩序などあるのだろうか。
いや、ない。
そこら中で核爆弾が落とされ、だが、死なない。
ドイツの小説家、トーマス・マンは言う。
確かに死なないだろう。だが、だからといって『命がみなぎる』わけではないのだ。例えば花だ。花は咲き、そしてそれが消え去ることはないといっても、『枯れる』だろう。核爆弾が落とされ、空気が汚れていけば、花はみるみる枯れていき、元気を失うだろう。つまり、命はあっても元気はない。まるで、宇宙空間を漂っても永遠に死なないように、生きているからといって幸せになれるわけではないのだ。
儚くもなんともない世界。そこに厳かな尊さは、無い。有限だから厳かで美しいのだ。限りがあるから、それを打ち破ろうとする無限の力がみなぎるのだ。
『自分の限界を考えたことはありませんし、限界の存在は悲しむべきものではありません。』
『リカージョン』とは、『無限』という概念を想像する能力である。このリカージョンが使えるのは、地球上では人間だけだと言われているのだ。無限がわかるということは、有限を理解できるということ。だからヘレン・ケラーの言うように、考えようと思えば自分の限界の存在を考えることはできるだろう。
だが、悲しい方向に考えるのではない。我々は悲劇のヒーロー・ヒロインではないのだ。儚く健気な一輪の花についてそっと気持ちを寄せることが出来る。有限を理解できる人間の心は、かくも温かく、そして尊い。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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