うつ病は薬を飲んでいればそれだけでいいの?
いいえ。薬物治療だけではなく、様々な方向から治療を考えた方がより効果的です。
例えば、
- バイオ(医学的な治療)
- サイコ(心理面のケア)
- ソーシャル(生活の支援)
- ヘルス(健康と食事)
- ナレッジ(本当に有効な知識)
の5つの方向から考えていきましょう。
先生
ハニワくん
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医師(バイオ)、心理専門職(サイコ)、社会福祉の専門家(ソーシャル)
その結果、自己卑下感や自分の将来への漠然とした不安感、焦燥感などが起こる。
『うつは心の風邪』という表現はあっていいが、同時に、
としたほうがいい。前者には積極的な治療をしなくてもいいという誤解を生じさせることのほかに、周囲の家族等がうつを過小評価してしまう可能性がある。治療の一歩を踏み出させる為にはいいが、ハードルが低くなりすぎて過小評価も危険だという。
ある本には、以下という、
が整っていることが必要だとあるが、この発想は偏っていなくていい。
- バイオ(医学的な治療)
- サイコ(心理面のケア)
- ソーシャル(生活の支援)
その通りだと判断できる。本ではこれを、車の運転に例えている。
人間の体は走るために様々な精密機械が埋め込まれた『ボディー(本体)』。医師(バイオ)は、そのボディーを修理する専門家。
人間の気分(感情)や思考、意欲などの精神活動は『ドライバー(運転手)』。運転に慣れていなかったり猪突猛進型で事故を起こしそうだったりする
また、道路やガソリンスタンドや駐車場といった『インフラ』や交通ルールなどの『制度』も大切。インフラや制度がきちんと整備されていなければ、車は安心して走れない。
、その街に大変詳しく、助手席に同乗して危険のない道や近道を、あるいはGSがどこにあるかを教えたり、車の調子が悪くなったときには適切な修理工場に導くことができる である。
先生
ハニワくん
- うつは、心身のエネルギーが低下した結果、脳が司っている基本的な機能が低下して、感情をうまくコントロールできない状態。
- うつは心のガソリン切れ。
- うつに必要な3つの協力体制を確認する。
口唇ヘルペスと医者の話
例えば私は『口唇ヘルペス』という持病を持っている。この病気は、疲労、紫外線、睡眠不足等によって身体へのストレスが増え、免疫力が減ってきたときに、体内に潜伏しているウイルスが、唇の皮膚を食い破って損傷を負わせる、というものだ。
このヘルペスに有効な薬は、『飲み薬』だった。だが、そのうち薬の技術が進化してきて、有効な『塗り薬』も登場するようになった。医者は、自分の患者がいなくなることを懸念したからか、その『市販で買えるようになった塗り薬』のことを揶揄し、私的な感情を込めながら私に『飲み薬を飲んでもらえなくなるのは嫌だ』というような主張をした。
それは、
している行動だったのである。つまり、『もう市販で買える様になったらそれで治るんだから、患者が減っちゃうじゃん』ということだったのである。
確かに、医者の立場からすれば患者=利益の根源なのだから、患者が減ってしまうことは利益の減少につながる為、気が進まないかもしれない。だが、その様な考え方は医者失格だろう。医者や戦場カメラマンの本当に願わなければならないのは、『
』だからだ。
先生
ハニワくん
- 医者や戦場カメラマンの本当に願わなければならないのは、『自分の仕事がこの世からなくなること』。
- 1方向よりも、多方向から治療することが有効。
ヘルス(健康と食事)とナレッジ(本当に有効な知識)
さて、私はしかし、その後にその医者が言った言葉も、あながち偏りはないと思った。それは、
という言葉だった。
害虫退治で考えてみても、『置き型』のタイプと、『スプレー型』のタイプがあった方が心強いし、確実な撃退が出来るわけだ。
したがって、
- バイオ(医学的な治療)
- サイコ(心理面のケア)
- ソーシャル(生活の支援)
という様々な方向から治療をする必要がある、ということに関しては、本当にその通りだと考えられるのである。
ただし、それは別に3つではなく
この見解はあくまでもこの参考にした本の主張である。例えば私ならここに、更に細分化して、
- ヘルス(健康と食事)
- ナレッジ(本当に有効な知識)
の2つを付け加える。正直、『ナレッジ』だけでいいのだが、それだけではわかりづらいので、具体的にすると、この5つの方向が必要になってくると考える。
ヘルスとバイオは似ているのだが、
を考えた時、ここを細分化したいのだ。
そしてナレッジでは、これら全ての方向や考え方が、
のか、ということについて冷静に分析したい。情報というものは普通、特定の人物が得になるように偏っていることが多い。そういうことを正確に見極め、分析することが必要なのである。
例えば、薬は、『
』ということが原因で慢性化することがあることは事実だという。例えば躁うつ病の場合は、躁状態になると(別に薬なんてもういらねえよ)ということになるわけだが、そのようにしてとにかく医師の処方された薬を飲み切らないことは、良い結果を生むことは少ない、ということになる。
薬の副作用、つまりマイナス面にばかり目がいって『勝手に』判断し、やめてはならない。遅くて、
もあるという。1週間後にマイナス面が出ても、それを理由に薬をやめることは間違いだ。
先生
ハニワくん
- 3方向ではなく、5方向に分けて考えれば、さらに可能性が増える。
『1つに依存』した場合のショックを和らげるメリット
ここに書いた『5つの方向』だが、これにより、『1つに依存』した場合のショックを和らげることが出来るメリットもある。この
の例も、(薬も効かないなんて、自殺しよう)という早合点は、特徴的だ。
場合によっては、転院やセカンドオピニオンも全然ありと初期設定しておくことは、『身体の負担の軽減』となる。この『身体の負担の軽減』こそが、うつ病患者にとって極めて重要なカギを握るキーワードである。
先生
ハニワくん
※追記:2017年4月1日
うつ病に認知行動療法…治療終了から1年後、7割が「無症状」
読売新聞(ヨミドクター) 3/27(月) 11:01配信うつ病に認知行動療法…治療終了から1年後、7割が「無症状」
薬が十分効かなかった中等度のうつ病患者に対し、医師らと面接を重ねて悲観的になりやすい考え方の癖を変えていく認知行動療法を行うと、治療終了から1年後、7割がほぼ無症状になった、との研究報告を慶応大学のチームがまとめた。
治療終了直後よりも改善率が高まったという。
研究対象は、抗うつ薬を2か月間飲んでも中等度のうつ病が改善しない20~65歳の患者80人。うち半分は薬物治療のみを継続、もう半分は4か月間、
を受けた。それから1年後まで定期的に、うつ病の重症度を調べる心理検査を行い、比較した。
その結果、認知行動療法を受けたグループでほぼ無症状になった人の割合は、認知行動療法のプログラム終了直後が43%。その後も徐々に高まり、1年後に
した。
一方、薬物のみのグループでは研究開始4か月後が20%。その1年後は43%だった。
うつ病は時間とともに改善することもあるが、認知行動療法を受けた方が改善率が高かった。慶応大学病院の中川敦夫特任講師は、
「患者さん本人が、考え方や行動の幅を広げる技術を学ぶと、治療終了後も日常生活でそれを生かし、改善が続くのだろう」
と分析している。
先生
ハニワくん
- セカンドオピニオンを考えること、あるいは一つの治療法に依存しないことは、リスクヘッジになる。
- 薬物治療だけに偏ることはあまり賢明ではない。