キリスト教の礎 イエス・キリスト
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勤勉に自分の畑を耕す人、自分の仕事にまじめに励む人はいつも豊かで、あり余るパンを持っている。しかし、愚かな怠け者はただ妄想を追っているばかりだ。
現代でこの真理と同じことを言い当てているものがある。『ビジョナリーカンパニー② 飛躍の法則』にある、『弾み車効果と悪循環』である。『弾み車』というものは、押して回す、水車や風車のようなイメージである。動力を伝える回転軸に取り付ける重い車。その慣性を利用して回転速度を平均化し、また回転エネルギーを保有するのが特徴だ。
最初は、その弾み車を回すのにとても苦労する。もちろん手動だ。何度も何度も繰り返し、押し続けなければ、弾み車は回らない。回らなければ、エネルギーが溜まらない。溜まらなければ、大きな力を持ってして、弾み車が動くことが出来ない。だが、一度軌道に乗れば、もう手動で回す必要がなくなってくる。最初に苦労して溜めたエネルギーで、次のエネルギーを呼び起こし、また次のエネルギーを呼び起こし、大きな力を生む。
一方、『悪循環』とはなにかというと、弾み車を苦労して押す覚悟を持つ前者とは違い、『さっさとエネルギーを生み出したい』と考えている人間の行動パターンである。こういう人間は、やれ、
と考える。もちろん、そんなうまい話があるわけがない。だが、あると信じて、一つのビジネスが軌道に乗る前に、
と言い捨て、違うビジネスに乗り換える。つまり、『自動で回る弾み車』を努力もしないでいきなり欲するため、永遠にその空想の弾み車を探し求め、仕事がうまくいかなければ『これは違う』とビジネスのせいにし、『弾み車が回る前に押すのを止めてしまう』のだ。これが『悪循環』だ。結局、つとめ励む者こそ人を支配するようになる。怠け者は人に仕えるしかない。
金儲け、成功、モテたい。こういう表層的な『ソフト』の話ばかりしている人間は、本当に重要な『ハード』の重要性に気づけない。プレイステーション4のソフトを、ファミコンのハードでやろうとしたらどうなるだろうか。大きなソフトを乗りこなそうと思ったら、まずはハードに目を向けるべし。
格言の書 第12章。