キリスト教の礎 イエス・キリスト
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気づけば私は『神』という言葉を抵抗なく使っている。これ(キリストの言葉と向き合った内省)を書き始めた当時は『神=真理だから、真理と書く』としてきたものだが、真剣に取り組んで学んでいるうちに、抵抗がなくなった。 『理解してしまった』のだ。『神』を。
いやもちろん私は一生涯無宗教で生きることは絶対に変えるつもりはないが、『神』という概念を理解してしまった。いやもちろん、『神』の実態がなんであるかはもちろん、他の全ての人間と同じように知る由もないのだが、例えば、 兼ねてから引っかかっていた『唯一神』の理解に一歩近づいた。
ユダヤ教やキリスト教はそれを『ヤハウェ、ゴッド、主』等と言い、イスラム教ではそれを『アラー』と言う。私は以前から、『こんなに残忍な事件を起こしたり、対立や戦争を巻き起こすような真似をし、幾多もの宗教を乱立させてしまうようでは、神の存在もたいしたことは無い』と思っていたわけだが、波乱万丈な人生経験と『知層』を積み重ねていくと、 ある事実に直面することになったのだ。
それは、我々『人間の理解』など、あまり関係ない、ということ。人間自体が恒久的に矛盾していて、理不尽な存在なのに、勝手に思い上がって宇宙の覇者だと思い、地球が宇宙の真ん中にあると思い、最近ようやくコペルニクスによって『地動説』が唱えられた。
その真理を説いた偉人でさえ、いわれのない誤解を受けていたのだ。人間と言う、人間本位な生き物に。 真理を説いたコペルニクスが、最初は間違った人間の烙印を押されていた。むしろ、間違った人間の烙印を押される人間の方が、偉大であるという言葉もあるぐらいだ。
byエマーソン
Pythagoras was misunderstood, and Socrates and Jesus, and Luther, and Copernicus, and Galileo, and Newton, and every pure and wise spirit that ever took flesh. To be great is to be misunderstood….
(誤解されるのはそんなに悪いことだろうか。ピタゴラスは誤解された。 ソクラテス、イエス、ルター、コペルニクス、ガリレオ、 そして、ニュートンも誤解された。古今のあらゆる清純で賢明な魂も誤解を受けた。 偉大であるということは誤解されるということだ。)
だとしたらこういうことだ。
(罪は免れた。騙しとおせた。隠しきれた。だって、もう時間が経ったから。時間が過ぎたから。時効になったから。)
そう思っているのは『人間』だからだ。 せめてそれに対して心の中で常に『罪』の意識を忘れず生き貫くべし。そうでなければ、思い上がっているのであれば、思い通りにいったと思っているのであれば、 それはただの勘違いだ。必ずツケを払うときが来るだろう。それは、人間のレベルで理解できる瞬間ではないかもしれない。エマーソンが挙げた人間を間違って評価したように、そもそも『人間の理解』など、あてにならないのだ。
ティモテオへの手紙 第5章。