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隠れていた宇宙(上)

■著者:ブライアン・グリーン


アインシュタインは、この宇宙を『静的』だと言った。つまり、『動的』ではない。何のことは無い。動いているか止まっているかということだ。そして『静的』だと言った。宇宙は、『静的として、存在している』と。

 

だがアインシュタインは、その方程式を書き換えることになる。『インフレーション宇宙論』である。

 

つまり、『ビッグバン(宇宙を創ったとされる大爆発)』が起き、それからというものの、『宇宙は膨張(インフレーション)している』。

 

だが、宇宙の話にはキリがない。例えばこの本では『パッチワークキルト多宇宙』という論説が唱えられている。

 

難しく考える必要はない。『宇宙がパッチワークのようになっている』と言っているのだ。

 

日本人にもっとわかりやすく言えば、『大事なものを包む透明のプチプチ』を想像すればいい。あれは、丸いプチプチがずらーっと並んでいるだろう。我々のいる宇宙空間を、その一つの丸だと考えれば、極めて分かりやすい。つまり、宇宙はああいう風になっている、という論説である。

 

例えば、我々が観測できる宇宙には当然物理的に限界が有り、『宇宙の果て』は見えない。それに当然宇宙には、『宇宙の果て』があるかどうかもわかっていないのだから、もし『宇宙が無限』、つまり『人間では想像できない甚大な大きさ』だったら、ずーっと真っ直ぐ進むと、あるときポンッと違う宇宙空間に出る。(隣のプチプチに移る)

 

そこには、『我々の地球や銀河と大体同じ内容の宇宙』が広がっている可能性があるのだ。

 

話し始めるときりがない。私も10%ほどしか理解できていないが、人生を生きて、宇宙を無視して人間を語ることは出来ないと思うのである。

 

 

 


[初読年齢 30歳]

著者:一瀬雄治 (Yuji Ichise)


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