凡才の集団は孤高の天才に勝る
■著者:キース・ソーヤー
私はどちらかといえば『孤高の天才』に憧れてきた為、この本を見て見ぬふりをすることはできなかった。
例えば、『3M』の『ポストイット』発明における、いわゆる"セレンディピティ"に関して、それが生まれる理由を、"概念結合"としてわかりやすく説明している。
突発的な天才の"ひらめき"は、本当にその本人の独自のアイディアなのだろうか。
あるいは、今まで見てきて、触れてきた全ての存在の何らかの影響を受け、それをたまたま具現化したのが、"天才"なのだろうか。そういうことの理解が、ぐっと深まるだろう。
実はこのテーマは私もかなり前から気になっていた。まだ今よりももっと未熟で、心底に少し違和感を覚えていた程度の時、その疑問を確信的な位置まで奮い立たせてくれた格言が、今からおよそ7,8年前に出会ったこの言葉である。
『アイディアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない。』
byジェームズ・W・ヤング
そしてこの本を読めば、なぜこの本がこういうタイトルになったかが理解るだろう。