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考察
イギリスの作家、ウィリアム・ヘイズリットは言った。
実は人間とは、些細なことに支配されている生き物なのだ。スターリンは言った。
これらを考えた時、『麻痺』というキーワードが頭に浮かんでくるだろう。
主婦がスーパーで1円でも安い買い物をしようとして、隣町まで車で行ってしまう人がいるが、彼女はそのガソリン代についての金銭感覚が、麻痺している。あるいは、普段そういう小銭ばかりに気を取られているせいで、旅行、車、住宅等の大きな支払いをする際に把握できず、何百、何千万円の節約ミスをしてしまうことがあるが、それもここで言う『麻痺』の一つである。
だがそう考えたら、我々は些細なことに支配されているんだから、些細なこと一つで、幸せになれるということでもあるのだ。微笑ましい赤ん坊の笑顔や、犬や猫のほのぼのとした振る舞い。花や月、花火や季節の儚い尊さ、太陽の暖かさや、緑の美しさ。これらのことを考えただけで心を感動させることが出来るなら、あながちそれは、悪くはない。
ブッダは言った。
つまり、これは下記の黄金律である。
都会で水溜まりを避けて通る人がいる。それは『もちろん』、通行の邪魔だからだ。水が撥ねて洋服にかかるし、靴が汚れて靴下に染み込む。正直に言って水溜まりを見ると、(うっ)と思って、憂鬱になる。だが、砂漠で遭難して自分の小便をとおに飲み干している瀕死状態の人は、水溜まりを見たとき、涙を流してその水を飲むだろう。
『些細な事が我々を慰める、些細な事が我々を苦しめるように。』
水溜まりなど人生において些細なことに過ぎない。だが、その水溜まりが自分の心身を心底から潤すこともあれば、憂鬱にさせることもある。そう考えると、この世に些細なことなどない。『1円を笑う者は1円に泣く』と言うが、『大したことない』と思って軽んじていることはもしかしたら『大したこと』なのかもしれない。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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