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考察
問題を解決しないでそのままにしておくとどうなるかというと、浅薄な人間が完成することになる。なぜ、浅薄な人間が完成するかというと、なんのことはない。『思慮が浅い』からだ。それはつまり、浅薄な人間が完成することを意味する。思慮深いのではく、思慮浅い。では、どうして問題を解決しないでそのままにしておくと、それが、思慮浅いということになるのか。これもなんのことはない。問題を解決する前に思慮を放棄して、前に進もうとするからだ。
そこまでは簡単だ。では、なぜ途中で思慮を放棄してしまうのだろうか。ここからが重要である。しかし、簡単だ。思慮を深く潜らせなければ解決できない難問を抱えているからだ。
キリストの言葉の超訳、
という記事にも書いたが、これらの理由こそが、思慮が深い、浅いを決める、決定的な要素である。私はよくわかるのだ。何しろ、両親からクリスチャンになることを強要されて育った。そして、祖母は仏教徒だった。私は、そのどちらでもなかった。そして我が家では、強制的に教会に行かされることもあったし、父親に怒鳴り散らされたとき、ハサミを握りしめたこともあった。そして父親は死に、その10年後、私が荒れ狂った時期を通り過ぎ、しばらくしたとき、母親にそのことを離すと、母親はこう言った。
母親
…私が強いられていた環境が少しはわかるだろうか。両親という絶対的な存在が、揃いも揃って共謀し、私を闇に堕とすのだ。そして彼女らは、自分たちこそはその真逆で、『天の遣い』であるかのように振る舞う。イエス・キリストに『様』をつけ、それを主として崇めろと言う。私の意志を一切無視して押し殺し、30歳も年が離れた子供である私に対し、大の大人が、時に、私が手にハサミを握りしめるようになるまで、追い詰めたのだ。
大江健三郎の言葉に戻ろう。私は浅薄な人間だった。考えても考えても、その答えがわからず、また、宗教のことは学校でも教えてくれるわけがなかった。そして思慮浅くなり、道を踏み外した。私は『じっと考える時間を持った』ことがなかったのだ。考えても、無駄だと思った。それからしばらくして、父親が死に、『解決するまで深く潜った』。それが、あの
ブッダもやった、
『内観』という修行である。ちなみに私は無宗教だ。生涯そうだ。その理由はここまで読んだ人には説明不要だ。しかし、『内観』は、全人間がやった方が良い、と断言する。私は思慮浅い人間だった。そして私は、思慮深い人間となった。その正確さはさておき、深さだけは間違いないものとなったのだ。思慮浅い人間には理由がある。私にはその気持ちがよくわかる。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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