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王貞治『ヒットを打てなくても口惜しくなくなったし、ホームランを打ってもそんなに嬉しくなくなった時、限界がきたと思った。』

名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!

ふむ…。

運営者

考察

これは非常に興味深い言葉だ。注目したいのは、この言葉が捻出された、王貞治の心理背景である。なぜ、それまで『世界の王』と呼ばれるほど野球に没頭していた人間が、急にそういう風に、野球愛が覚めてしまったような、そんな感覚に陥ってしまったのか。王貞治は、元々バッティングは全く上手くなかった。むしろ下手だった。しかし、死に物狂いで努力を積み重ねてきたのだ。

 

王をコーチした荒川氏は言う。

『みんな王の半分も努力できないでしょ。それくらい王は努力したと思います。』

 

そして、その当時の監督でもあった、バッティングの神様といわれた川上哲司監督も、

『俺は王ほど努力できないな。』

 

と言ったというのだ。当然コーチのいう『皆』とは、他のプロ野球選手も含まれているのだ。その様にして、野球に文字通り人生を捧げて来たような人間が、ヒットを打てなくても口惜しくなくなり、ホームランを打ってもそんなに嬉しくなくなってしまった。自分の心の中にあったはずの『野球への燃えるような熱意』が、冷めてしまった。

 

そして最後の言葉が重要である。

『その時、限界がきたと思った。』

 

いや、その言葉に失望するのは間違った捉え方だ。人間は必ず、絶対に死ぬのだ。従って、限界は必ず、絶対に間違いなく来る。問題は、それを受け入れる度胸があるか、ないか。王貞治ほどの人間だ。自分の身体のことは、自分が一番よくわかっていたはずだ。自分の心の中に確かにあった火種。

 

今まで、それをエネルギー源にして、燃え続けて来た。しかし、その火がどうも消えてしまった、あるいは火力が確実に弱まってしまった。それを、気づかないふりをして隠蔽してもいい。しかし、その行為は愚かだ。人は必ず死ぬのだ。我々後輩は、こうした偉人先人の心の移り変わりとその言葉を見て、自分の人生にどのような影響を与えられるかを、考えなければならない。

 

私がこの言葉から考えるのは、

『それでも、それまで、その火種を燃やし続けて、徹底的に生き貫いてきた。』

 

という、決定的な事実だ。そして同時に考えるのは、

『どんな人間にも、いずれ必ず、終わりが来る。命を、使い切れ。』

 

ということなのである。

 

 

 

MEMO

※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。

 

 

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鍋島直茂『下輩の言うはよく通じ難し、ゆえに助けて聞くこと肝要なり。下輩なれどその心は天の真を受けて、人と生れたる者なれば、その理は聖人君子の言に符合すること多し、あなどり、笑うことなかれ。』 H.G.ウェルズ『時計やカレンダーに目をくらまされ、人生の一瞬一瞬は奇跡と謎であることを忘れてはならない。』 西洋の諺『別れることがなければ、めぐり逢うこともできない。』

 

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『どれだけ生きるかではなく、いかに生きるかが重要なのだ。』

『この世には、自分にしか歩けない道がある。その道を歩くのが人生だ。』

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