名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!
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考察
『自分を守る』ということを勘違いしている人が大勢いる。私の部下にも、その勘違いの代表とも言える『THE・自分本位』の人間がいる。6年以上の時間をかけて、私の圧倒的な強度の指導の下、もちろん多少の進歩はあるが、だがまだまだ骨の髄にまで染みついた彼の甘さと被害者意識は、根強い踏ん張りを見せている。
彼は、『自己防衛本能』を『援用』していた。援用とは、自分の都合の良いようにある事実を持ちだし、さも自分が正しいかのように捏造し、真実を曲解することである。つまり彼は、
俺は事故で兄を亡くした可愛そうな人間だから、一生人から同情されるべきなんだ。優位に立てるんだ。シード権があるんだ。
という、クソ野郎に育ってしまっていたのである。
私も17歳で大黒柱たる父親を亡くした。そして世界には、彼以上に大変な目に遭っている人間が、腐るほどいる。それに、兄は、弟が自分の死にかこつけて、努力することを投げ出し、先延ばしにする癖をつけ、怠惰に甘んじ、悲劇のヒーローを気取って逃げ続け、誤魔化し、捏造し、隠蔽し、現実逃避する無責任な人生を送ることを、どう思うだろうか。
彼が保守的になった理由も、被害者ヅラをして生きてしまった理由も、人から同情をもらいたい理由も、もちろん、わかっている。だが、私の恩師は言った。
『わかっちゃいるけど、わかっちゃいけない。』
だからといって、何をしても許されるわけではないのだ。
フランスの哲学者、サルトルは言った。
身内が死んだのなら、人一倍、死について、人生について考え抜かなければならない。そして、人生を悔いなく生きるよう、周りの模範となる生き方をしなければならない。そう考える人だっているのだ。
ルネサンス期の軍人、チェーザレ・ボルジアは言った。
そうだ。チェーザレ・ボルジアが目を逸らしていた『死』という実態について、人一倍考えられる、思慮深い人間になれるはずなのだ。この人生を場当たり的に生き、主体的に生きることを諦めた人間と触れていると、まるで魂を感じない。もぬけの殻と話しているような気分になる。これは本当の事だ。例えば、『感想文が書けない』などと言うのだ。こんなことがあるのか、というくらい、もぬけの殻、そのものなのである。
例えば当社の部下なら、兄を亡くしたことで、死について、潜在的に恐怖したのかもしれない。それが心底に根付き、カギを締め、そして、『大切な兄の命を奪う、暴君であり、敵』と定めた死や、人生に対し、ぞんざいに扱うことで、彼なりに、その現実を緩和し、何とかして毎日を生きていけるように、自己暗示をしているのかもしれない。
(馬鹿馬鹿しい。どうせ死ぬんだろ。やったって無駄だよ。全てね。)
こういう負の感情が彼の心を支配し、彼は、もぬけの殻の様になってしまったのかもしれない。しかし私がそれを許すわけがない。彼は私の部下だ。彼は、一度決めたら死ぬまで絶対にそれを曲げない、と決めている私の部下になったことが運の尽き。いや、天命か。必ず自分の人生の舵を握るまで、私は彼への指導の強度を下げない。
アメリカの作家、ヘンリー・ミラーは言った。
痛いだろう。辛いだろう。だが、楽しいし、美味しいし、幸せなはずだ。いいんだ。これが人生だ。このすべてが、人生なのだ。死んだ兄は、その全てを味わえない。だとしたらやることは何だ。この人生でやるべきことは、殻に閉じこもって無難に呼吸をすることではない。立ち向かうのだ。たった一度の人生に。二度や三度ではないのだ。この人生は。大切な人を亡くした人ならば、余計にそれを、知っているはずである。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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