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考察
隙が無いということは、隙間が無いということ。つまり、『入る隙間が無い』ということなのだ。入れてあげたいなら、その隙間を作るべきである。ただし、『付け入る隙がない』という考え方もある。詐欺や裏切り、陰謀や謀略、それを入れる隙が無いという事は、卓越しているということだ。ある経営者からこういう話を聞いたことがある。松下幸之助が病床にいるとき、右翼の連中が大勢詰めかけ、利権問題について丸め込もうとしたのだが、松下は、その眼光の鋭さだけで屈強な右翼連中を黙らせたというのだ。
(やれるもんならやってみい)
そういう力強いメッセージを受けた連中は、すごすごと病院を後にしたのである。まさに、一点の付け入る隙も無い。こういう人間が人間の鏡であることは間違いない。
『人間というものは、ちょっとスキがあったほうが、人に好かれるものだ。一点の非もない人間よりも、どこかスキのある人のほうが人に好かれる。』
確かに、『鈍感力』という概念があり、有名なところでいえば、小泉純一郎元首相あたりがそれに長けていると言われている。まあ本人は『そんなことに長けていてもなあ』と言うかもしれないが、事実、どこか放っておけないような、大きく構えて些事にこだわらないような人間は、器が大きく見えるものである。器が大きいと、小さい人と比べ、そこに入る水の量も多くなる。それはつまり、『人が入る隙』ということで、だとしたらやはりそういう人の方が『多くの人に好かれる』のもうなづける話である。
ある歌舞伎町ナンバーワンホストは、自分でなんでもできることが長所ではあった。特に女性は、そういう複合的な要素を持った人間に惹かれるものである。実際には一つのことに特化した人間が一流なのだが、マルチに活躍するか、あるいは、
という具合に、やはり複合的要素が揃っている方が魅力的に見えるものである。しかし彼はなかなか結婚できなかった。なぜなら彼は、『何でも自分でできてしまう』からだ。掃除も、料理も。だから女がつけ入る隙がない。従って、40歳を迎えてもいまだに未婚であり、彼自身もそれについてため息をついていた。
早く結婚した者が離婚することもある。だから遅い結婚が悪いのではない。しかし、やはり『他人に好かれ』、『他人とともに生きる』というテーマで考えるのであれば、何もかも自分で出来ても仕方がないのかもしれない。
松下幸之助はこうも言った。
彼が経営の神様と多くの人に慕われたのは、彼のどこかに欠点があったからなのかもしれない。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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