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シャンフォール『運命と運命をとりまく衣裳は、人生を一幕の芝居にする。上演がすすむに従って、いちばん律義な人間も、ついには自己の意志に反して役者にさせられてしまう。』

名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!

ふむ…。

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考察

例えば『家族』がある。とても崇高な存在だ。かけがえのない存在。誰もが大切にするものであるし、親がいなければ今自分はいない。…と、考えている人間は、恵まれた家庭に生まれた人間だ。世の中には、生まれてすぐに両親に棄てられた人間がいる。生まれてからずっと虐待を受けていた人間がいる。では、その様な人間からして家族という存在は、本当に『崇高な存在』だろうか。

 

 

例えばここで言う『運命』を、『人間の儚い一生』と考える。それは、必ず死んでしまうという運命を背負った、一つの動物の一生である。そして、『運命を取り巻く衣装』を、『人間が考え出したあらゆる人為的なもの』と考える。その中の一つが、家族だ。人はいつか必ず死んでしまう、という運命。SEXによって子供が生まれる、という運命。そしてその為には男と女の二人がいなければならない、という運命。そしてその子供が大人になれば、また同じことが繰り返される、あるいは繰り返すことが出来る、という運命。この様な運命がまず決定的にそこに存在していて、『だとしたらこういう意味があるのだ』として、人為的に考えられた『家族』という形態。

 

 

それは本当に正しい姿なのだろうか。この命を繋いでいった最終到達地点には、何があるのだろうか。

 

ただ、『男女がSEXをすれば子供が生まれて、人間には寿命がある』という決定的な運命を自分達の都合のいいように解釈して、『家族がいて幸せだ』とか『死んで不幸だ』と言っているだけなのではないだろうか。しかし、この世に、そうした決定的な運命の存在がなければ、この世はこうもドラマチックにはならない。恋をして、出会い、別れ、人の死に悲しみ、人の誕生に喜び、叶わぬ思いや、儚い希望に酔いしれることも出来ない。

 

確かにこの世は、一幕の芝居である。そして、その芝居を行っている動物は地球上で人間だけであり、他の動物や昆虫はそれを行っていない可能性が高い。シャンフォールが言う『いちばん律儀な人間も、ついには自己の意志に反して役者になる』というのはどういう意味だろうか。言葉を見る限りでは、『ついには』なのだから、それまでは自分の意志を貫いていたことになる。だが結局、最後の最後にはその『運命を取り巻く衣装』に意志を支配され、(自分の家族が出来てよかった)だとか、(子孫に立派な教育が出来た)とか、そういう思いで胸がいっぱいになり、悔いなくこの世を去ることになるわけだが、そもそもその『家族』や『子供に教育をする』ということ自体が、全て、『芝居』であるかもしれないのだ。

 

教育はすべて、ある種の芝居の稽古なのかもしれない。そんなことをしてもしなくても、いずれ地球は消滅し、跡形もなくすべて消え去るのかもしれない。各地、各時代にあった様々な文化も、言語も遺産も慣習も知識も、戦争があったことさえ、偉大なる人物がいたことでさえ、この地球で人間が息をしていた、という事実さえ、宇宙のもくずとなって消えてしまうかもしれない。だが、それでも人間は、この一生に『意義』を見出し、『意志』を遺すという、『意地』を燃やしている。私はそんな人間が好きである。

 

 

MEMO

※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。

 

 

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