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ジョン・バリモア『幸せは、開けっ放しにしたのを君が忘れていたドアから、こっそりと入ってくる。』

名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!

ふむ…。

運営者

考察

『開けっ放しにしていたドア』というのは、『忘れていた』というぐらいだから、非常に見下していたというか、価値を低く見ていたというか、『軽んじていたドア』だということがわかるわけだが、例えばそれは、どういうものなのだろうか。

 

ドア

 

例えば私はこういう光景を思い浮かべる。当初、ここで登場するとある人物は、『子供嫌い』だった。そして、『子どもなんていらねえよ』なんて言って、しかし女を求めることはやめなかった。彼は、彼なりに思うところがあってひねくれたようだが、周りはそういう事情は知らない。彼がやったことだけを見る。そういうものだ。彼に事情がある様に、周りにも事情がある。そういうものだからだ。

 

あるとき、そんな彼に、それまで溜めて来たツケが回ってきた。遊ぶ金欲しさに金を盗んだ女の身内は、マフィアの幹部だったのだ。しかし、怒っているのはマフィアだけで、女は彼の味方をしているようだった。

 

なぜお前はこんな男を許すんだ!

 

と一喝するマフィア。すると彼女は、

 

…お腹の中にこの人の子供がいるの!

 

子供

 

と呟いた。男は選択を迫られた。

 

…おい。聞いたかよ。お前、どうするつもりだ。

 

すると男は言った。

 

…真剣に考えます。

 

銃を突きつけられているのだ。そう言うしかない。

 

いいか、今回は彼女と腹の子供に免じて許してやる。だがなテメエ、次ふざけた真似したらぶっ殺すぞ!

 

男はうなづき、今見た走馬灯と共に、自分の封印してきた過去について、内省を始めていた。寄り添う女。それを抱く男。男は静かに自分の心と向き合った。

 

(そうか。俺に子供が出来たのか。この俺に。)

 

男は今確かに、命を救われた。それは女にか、それとも新しい命にだったのか。男は覚悟を決めた。

 

(命を賭して自分を守ってくれた彼女と、お腹の中にいる子供の為に、人生を真剣に生きて見よう。)

 

そう、決意したのであった。時は流れ、子供が無事に生まれた。男は生まれて初めて、自分の子供を抱いた。

 

─そのときだ。

 

自分の目から、長らく封印していたはずの『涙』がこぼれてきたのだ。男は溢れる涙を止められなかった。彼は一体子供の頃に何があったのだろうか。何を思い出し、何に気づかされ、あるいは何を決意したのだろうか。男は、無邪気に笑いかける子供を抱いて、自分が本当に歩きたかった人生の道を、彼女と三人で歩いていくことを決意した。

 

三人

 

それから更に数年後、とあるクリスマスの日。例のマフィアはすっかり足を洗って、男とはもう一切のわだかまりもなかった。家族と身内で楽しく食卓を囲み、お祝いの日を楽しんでいた。ふと気が付いたら、子供の姿が見えなかった。

 

(ーさっきまでいたのに。どこに行った?)

 

刹那だが、背筋に冷や汗を感じた。しかし、心配もつかの間、子供がドタバタと歩く音が聞こえた。そして子供は、部屋のドアからいつも通りひょいと元気な顔を出して笑った。それは、さっき自分が開けっ放しにして閉め忘れた、部屋のドアだった。

 

ドア

 

 

MEMO

※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。

 

 

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