名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!
『伝言ゲーム』を行うと、なぜか到達する頃には情報が歪曲している。なぜだろうか。それが、今回のデール・カーネギーの言葉の理由を裏打ちしている。人間には、『RAS(網様体賦活系)』というフィルターがある。必要な情報とそうでない情報を分別し、必要な情報以外は遮断するのがこのフィルターの役目だ。
このフィルターのスペック(仕様)は十人十色。バイオリンが好きな人はバイオリンの情報を『不要な情報』だとは思わないが、それ以外の人は、往々にしてそれが『不要な情報』になるだろう。
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それぞれが、『自分らしさという個性的なRAS』を持っているということは、容易に想像できるはずである。ここまで考えると、『伝言ゲームで情報が歪曲する』理由も見えて来る。『偏見』とはまさに、各人の個性的なRASが生んだ現象である。ということは、『論理的』、つまり、
等というように話を進めても、
(いやわかんねーよ)
と思われることがあるということなのだ。
(何押し付けてんだよ)
という感想を抱く人間が居るのだ。あるいは、
(あっ、そういうことね)
と、全くの見当違いの曲解をしてしまうこともあるだろう。それがなぜかは、すでに書いたとおりである。通用しないことがあるのだ。それは、異宗教、異文化、身分差別、戦争、これらの現実を直視すればおのずと見えて来るはずの、決定的な事実なのである。これらの背景を抑えておくだけで、かなり状況は変わってくるだろう。
ダイバーシティ(多様性)があることで確かに不和や軋轢は生まれるが、それがなければ、地球のバランスは保たれない。
『およそ人を扱う場合には、相手を論理の動物だと思ってはならない。相手は感情の動物であり、しかも偏見に満ち、自尊心と虚栄心によって行動するということを、よく心得ておかねばならない。』
しかし、それではまるで、韓非子の言う通りだ。
孔子は、
一人一人が利他的になり、礼を重んじて徳を積み、仁を得ることが出来れば、この世に法律や刑罰などは必要ないと考えた。儒教の考えは『徳』による支配の為、支配者がしっかりしていれば法律など必要ないと説いている。
しかし、それに異を唱えたのは韓非子である。人間は孔子の言うような高潔な存在ではない。『利己』に走り、損をすることを回避しようとする。それが人間の本性というものである。従って、法律によって刑罰を整えれば、人はそれを回避しようとして、犯罪を予防できる。法さえ完備していれば、国の秩序は保たれるとして、法の重要性を説いたのだ。
と主張したのである。人が論理の動物ではなく、感情の動物であるのは、遥か数千年前から変わらなかった事実。だが、それでも孔子は人間の可能性を信じた。私はその孔子の考え方に、清き一票を入れたい。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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