名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!
嘘をつかずに生きるのは難しい。そして、自分が自分の為についた嘘を信じる方が、あまりにも楽である。人間というものは、自己防衛という詭弁を盾にして、自分の尊厳をひた守ろうとして、時に支離滅裂な嘘をつき、殻に閉じこもる。
私の部下などはその顕著な例であり、5年前、彼が言った言葉は、時空が曲がるものだった。
彼はまるで、『そのようにして生きることを望んでいる』とでも言いたいかのように、下をうつむきながら、夕暮れのオフィスでそう言い捨てたのだ。にも理由はある。例えば、幼少の頃に事故で兄を亡くしているのだ。それ以来、彼の家族につきまとっているのが、負のオーラであり、被害者意識。彼は、
(自分は何をしても許されるんだ)
と勘違いする、単なる馬鹿に育った。そして、兄を亡くしたことにより、
(もうこれ以上失いたくない)
という強い気持ちが渦巻くようになって、常に案パイを切り、無難な選択肢ばかりとる人生を生きるようになり、仕事も当然ろくに全うすることが出来ず、意見を言うことが出来なかった。そしてひどいのは、遅刻や言い訳は当たり前で、更には人の手柄を盗む始末。つまり、安全パイを切るという自分の身の保全を考えておきながら、ちゃっかりと自分の利益を取ろうとするところがあって、悪口でも何でもなく、単なる馬鹿だったのだ。
自分が本当に『奴隷でいい』と思っているのであれば、なぜ利益を欲しようと画策するのか。それはつまり、その発言が自分の本当の気持ちではないことを示唆しているのである。
しかし、『やる』と宣言してしまったら、その瞬間に自分の背中にのしかかるのは、責任だ。その責任から逃れて人生を生きながらえてきたというのに、ここで急にそれを背負わなければならないのは、負荷として重すぎる。そういう『自己防衛』な言い訳が頭をよぎり、そう発言するに至ったのだ。
そりゃあそうした方が『楽』だろう。嘘をつき、言い訳をし、誤魔化し、先延ばしにし、自分自身に嘘をついた方が、『楽』だ。やらないで済む。だが、『楽しい』人生を送りたいなら、今すぐに『楽』をするのを止めた方が良い。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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『絶望名人カフカ 希望名人ゲーテ』という本があり、『ちびまる子ちゃん』には『いつも前向き、山田君』と『いつも下向き、藤木君』がいますが、私はいわば『ゲーテかつ山田君』であり、私の20年来の部下は『カフカかつ藤木君』です。そのような人から見るとこの名言はどう見えるでしょうか。
自分が楽な選択をしてしまった時に、そのことを正しいと自分自身に思い込ませるために嘘をついてしまい、そのことが正しいと思い込んでしまう。茨の道から逃げないためには、自分に対しても嘘ではなく心の奥底にある、本当に正しい選択、ということを自分自身に言い聞かせ、その嘘ではない選択を信じきって死ぬ時までやり切る覚悟が必要になる。
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