Categories: トルストイ

トルストイ『女―それは男の活動にとって、大きなつまずきの石である。女に恋しながら何かをするということは困難である。だがここに、恋が妨げにならないたった一つの方法がある。それは恋する女と結婚することである。』

名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!

ふむ…。

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考察

『戦争と平和』で有名なトルストイは、ドストエフスキーツルゲーネフと並んで19世紀のロシア文学を代表する偉人である。最近、『仕事と私とどっちが大事なの?』という質問が死語になったというが、女性の気持ちはどうだろうか。そのまま『死語』として片づけて、すっぱりとそう問いただしたくなる思考自体が、まるっきり無くなってしまっただろうか。

 

いや、無くならないだろう。これは『脳の使い方』に問題がある。そもそも、男と女では脳の使い方が違うのだ。たとえば、私など、『THE・男脳』の代表格みたいなものだから、『無駄話は絶対にしない』と決めているが、女性は違う。『それ』を、『無駄な話』だと思っていないのだ。『コミュニケーション』だと思っている。だが私が思うコミュニケーションとは、『無駄な話』ではなく、『建設的な話』だ。間違いなく言えるのは、やはり男女の脳には決定的な差異があるということである。

 

 

ここで言う『脳には差異がある』というのは、『脳のつくり』が違うという意味ではない。東京大学大学院教授、池谷祐二の著書、『脳と心のしくみ』にはこうある。

構造的には男女差はない

 

男性と女性では体つきが違い、それぞれの担っている社会的な役割も異なる場合が多い。また、性行動、出産、育児などにおいても、行動は異なっている。そのため、男と女では脳の構造や機能が違うと考えられてきた。実際に、リスやネズミなどのげっ歯類では、視床下部の構造がオスとメスとで大きく違っているなど、動物の行動は、脳をはじめとする神経系の構造や機能の違いと関係している。しかし、こうした男女差は脳全体から見ればごくわずかで、大雑把にいって脳の男女差はほぼないといってよい。

 

 

脳の構造はほとんど同じだ。違うのは『脳の使い方』である。本にはこうもある。

男女の脳には、それぞれ得意なことがある。実験によると、男性の脳は地図を読むことや迷路を解くことなどに優れ、女性の脳は表情を読むなど、言葉を使わない、非言語コミュニケーションの能力などが高い。空間認知能力は男性のほうが優れていて、例えば、左の図の2つの図形が(※本では立体的なブロックの図形が並んでいる)同じであるかを見分けるために、頭の中で立体を回転させる問題は男性のほうが正解を導きやすい。また、図形を使う問題でも、まちがい探しのように細かな違いを見分ける問題は女性のほうが得意だ。

 

もちろん私にだって、散々、いや極めて無駄な話をたくさんしてきた過去がある。そうして生き貫いてきて、出した答えが今の考えなのだ。だが多くの女性を見ていると(もちろんすべての人に当てはまるわけではない)、どうも考え方が終始あまり変わらないように見受けられる。

 

私はこの問題に長いこと触れてきてある考えに至ったのだが、この根底にあるのは、『主体性』ではないかと考えている。男と女、その決定的な違いは、子供を産むとか、産まないとか、話が聞けない男、地図が読めない女とか、原始時代から続く狩りと家事の役割とか、そういうことを全て踏まえたうえで言うが、

 

『人生を自分の手で創り上げていき、生活を確保するためにエリアを拡大させる』気概か、『追従し、同調し、そして調和し、そこに温かい空間を広げる』気持ちか、の違いだと思うのだ。つまり、『階段を登ることに使命を覚えるのが男』で、『”踊り場”の休息に生きがいを感じるのが女』、だという風に見受けられるのである。

 

 

子供の頃にはそういう主体性は男女ともに極めて少ない。だから団栗の背比べだが、年齢を重ねると、それぞれが、それぞれの『役割』や、『絶頂期』について考えを張り巡らせるようになる。それが、私が『以前』と言っている理由であり、『建設的』という言葉を使う理由であり、男女に差異が生まれる理由である。

 

それゆえに、男女にはそれぞれ、『抜きんでている部分』と、『欠落している部分』が顕著に表れるようになり、それが、『どうせ男って』とか、『女はいつも』とかいう言葉が世に蔓延している理由なのである。そういうことを口にしてしまう人間は、かつての私もそうだが、思慮が浅い未熟な人間である。

 

だから理解をしていない。その差異(凸凹)は本来、『男女が結婚する準備が整った』ことになるのだということを。これを理解すれば、冒頭に挙げた死語を含め、『お互いの足を引っ張る』言動は取らないだろう。それどころか『凸凹』が重なり合えば、最高のパートナーになるのだ。

 

トルストイは、

『男よ。女に合わせに行くな。それをすれば、男が、男として生きていくことは極めて困難である。だが、逆は別だ。女が、女であり、自分に合わせるというのならば、その妨げにはならない。』

 

と言う。つまりどちらにせよ、男であれ、女であれ、自分たちは同じ人間というひとくくりではあっても、それぞれが掲げている使命が違うことをよく理解し、『足を引っ張り合う』のではなく、『支え合う』ことが重要なのである。主婦が『主夫』になったり、『では男の浮気は我慢することが役割なのか』とか ”未熟”な人の声が、あれこれと聞こえてきそうだが、そもそも、”未熟者同士”であれば、この話は元も子もない。

 

道徳観、倫理、教育、使命感、真理への信頼、まずはこれらの絶対的根幹(基礎)をお互いが築いた上で、初めて男女の支え合い、凸凹の合致が成り立つのである。だが、近年ではそれらを築いてから伴侶になる例は極めて少ない。だからこそ、『いろいろと』話題になっているのである。

 

『見合い』の方が結婚生活が長く成り立つというデータがあるが、感情的になりすぎて、これらの思慮から逃げ、途中で『100年の恋が冷めた』などと言わないように気を付けることだ。もっとも、そういう自分が好きなのであれば、その生き方を誰も止めないだろう。

 

 

 

MEMO

※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。

 

 

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