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考察
『自分が歩くべき道だと思っていた道』を踏み外した。それは、自分が歩くべきではない道だと思っていた、つまり心外だった。だが、その道をしばらく歩くと、思ったより悪くない景色が広がっていた。見た事の無い花や木、動物や昆虫、建物や月の大きさ、厳かな川の流れや、荘厳たる山々がそびえ立ち、まるで異世界に迷い込んだ不思議の国のアリスになったような気分だった。これは間違いなく、あの道をあのまま歩いていたら見ることの出来なかった景色だった。
作家、山本周五郎は言う。
どういう考えで『その道を歩いたら終わりだ』と思っていたかは知らないが、『その道』も『この道』も、実のところは全て幻想だ。
中国の思想家、魯迅は言う。
もしかしたら『その道』から外れたことによって、ようやくこの過去、未来永劫において唯一無二の人生を、主体的に生きるという『意志』を、見出せるのかもしれない。
アメリカの作家、リチャード・バックは言う。
まだだ。まだ生きている。
例えば単純な話、『ゲシュタルト設定』で考えてもそうだ。『ゲシュタルトの破壊と創造』とは、難しい話でも何でもない。10年後の自分のゲシュタルト(人格)を設定する。それは当然、今のゲシュタルト(人格)ではない、成長したゲシュタルトである。そこに到達する為には、今までの自分ではダメだ。今までの自分が取っていた行動とは、違う行動を取らなければならない。そうでなければ、10年後も、今の自分とほぼ変わらないゲシュタルトになるからである。
トルストイの言葉を見てみよう。
『わたしたちは踏みなれた生活の軌道から放りだされると、もうだめだ、と思います。が、実際はそこに、ようやく新しいものが始まるのです。生命のある間は幸福があります。』
『踏みなれた生活』とはつまり、ここで言う『旧ゲシュタルトが選んだ道』のことである。しかし、『新ゲシュタルト』はその道をよしとしない。そしてよしとしないでいい。まるで、
『おい、いつまで子供みたいなことを言ってるんだ。俺はピーターパンシンドロームじゃないんだ。人は成長するんだ。最後には死ぬんだ。やるべきことをやれ。そして、その方がずっと楽しいぞ。楽をするよりずっとな。』
と、新ゲシュタルトが語りかけるようである。楽をしようとする人は『もうだめだ』と思いがちである。だが、最初から楽ではなく『楽しさ』を求めている人は、そのような負荷が自分の身に降りかかった時、
(よし、これを乗り越えたら最高の充実が待ってるぞ!)
として、自分を奮起できるものである。『楽』ではなく、『楽しさ』を求めたい。たった一度の人生だから。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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