名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!
何もない野原に、一輪の花が咲いた。それについてどう思うだろうか。どうせ野に咲く花の命など、虚しいと思うか。それとも、儚いと思うか。
ドイツの小説家、トーマス・マンは言う。
何をしたところで、数百億年後には消滅するかもしれない。それがこの地球であり、人間の運命である。だが、だからといってそれがくよくよと下を向いてい生きていく理由にはならない。
『ちゅっちゅが教えてくれたこと』
私は、恩師の一人が渡してくれたこの絵本の内容を理解するのに、数年という時間がかかった。最初は渡された意味がわからなかった。おそらく、自分に気付いてほしいところを突いたストーリーなのだとは思ったが、見てもすぐには理解することができなかった。この本で出てくるやさしいあくまのちゅっちゅは、悪魔というだけあって、色々と誤解される運命にあった。しかし、フウという子供はちゅっちゅを大切な友達のように扱った。
フウの祖母は、ちゅっちゅにお礼を言った。
『あの子の友達になってくれて、ありがとうね。』
ちゅっちゅはとてもいい気分になった。
ある日、その祖母が病気で苦しんでしまっていた。それを見たちゅっちゅは、祖母に近づき何かをしたようだった。
そこへフウがやってきた。フウが見たとき、ちゅっちゅの背中越しに苦しそうにしている祖母の姿があった。フウは思わずちゅっちゅが祖母を攻撃しているのだと思い、ちゅっちゅに対して言った。
『ちゅっちゅ、何をしているの…?ねえ、おばあちゃん、おばあちゃん、どうしたの?』
何も答えないちゅっちゅの元へ、町の人々がやってきてこう言った。
『ああ!悪魔がフウのばあさんを殺しやがった!』
『おれたちもやられるぞ!』
ちゅっちゅは家の外に飛び出し、唸り声をあげながらその姿を大きく変えていった。そしてどんどん恐ろしいバケモノに変わっていった。
『ぎゃああああ!悪魔が正体を現したぞ!』
フウは言った。
『ちゅっちゅ、信じてたのにひどいじゃないか!友達だと思ってたのに!』
ちゅっちゅは言った。
『おまえのおばあさんの命はおいしかったよ。ちょうど腹もすいたことだし、この町の人間皆を食ってやる!』
フウは思わずちゅっちゅに向かって木の棒で立ち向かい、ポコンと一発足のあたりをたたくと、ちゅっちゅは叫び声をあげて逃げていった。それを見た町の人々はフウを持ち上げ、今までいやがらせをしていたような近所の子供たちも、こぞってフウを英雄視し始めた。ちゅっちゅは本当に祖母を食べてしまったのだろうか。いや、祖母は生きていた。むしろ、ちゅっちゅが病気の原因を食べてくれたことで、元気を取り戻していたのだ。
フウは涙が止まらなくなった。なんてことをしてしまったんだと、強く後悔した。ちゅっちゅを追いかけ、彼と出会った山へと走るフウ。しかし、もうフウはそこにはいなかった。ちゅっちゅはもう、病気のせいで力尽きて亡くなってしまっていたのだ。そしてそこには、ちゅっちゅと同じ色をした赤い花が、やわらかい風につつまれて気持ちよさそうに揺れていた。
『自分が生まれてきたときより死に至るまで、周囲の人が少しなりともよくなれば、それで生まれた甲斐があるというものだ。』
私に足りなかったのは没我の心だった。
トルストイは言った。
この世で最も尊いエネルギーの大切さを教えてくれた恩師と『やさしいあくま』には、今も頭が上がらない。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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