名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!
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考察
部下が働くのを邪魔していたら、部下が『大いに働けない』に決まっている。全ての人間の潜在能力が発揮されて、初めて強いチームが完成するのだ。
また、孔子の言葉の超訳として、
という記事を書いたが、孔子の言う通り『適材適所』というものがある。各人の潜在能力をいかんなく発揮する為には、それについて考えることも、避けて通ることは出来ない。
『私は部下に大いに働いてもらうコツの一つは、部下が働こうとするのを、邪魔しないようにするということだと思います。』
だが、私のような環境もある。私の会社に入社した部下は、幸か不幸か、時間もろくに守れない、不真面目な人間だった。言い訳、ごまかし、ウソ、隠蔽。そんなことは日常茶飯事で、入社して10年経った今も、尚その片鱗は残っている。それが現実なのだ。
もちろん私はアメもムチも全てやった。メガネが割れるほど殴ったし、ひっぱたくまでに2年間我慢した。その間、どんなことをされてもひたすらに耐え、口だけで彼を諭し、矯正しようとした。
だが、(もしかしたら殴るとは思ってないのでは)と思い、それならばと、手を出したのだ。しかし、体罰でも彼が治ることはなかった。罰金を課しても、同じことだった。どんなに言っても、殴っても、支払わせても、彼の本性が治ることはなかった。
内省など何百回もさせた。日本の世界遺産を全て一緒に見て回った。富士登山もやった。たくさんの銭湯や温泉に入った。食事もした。ゲームをして、映画を観て、『四聖』に数えられる、
孔子、
ブッダ、
キリスト、
世の偉人たちの言葉を用いて彼を諭した。
だが、彼は治らない。10年経った今、むしろ状況は悪化していて、『絶対に遅刻をするはずがない体制』に変えたというのに、寝坊を毎日のように繰り返し、朝は必ず彼の『申し訳ありません』からスタートするのだ。
私はアメもムチも全てやった。10年という圧倒的な時間も過ぎた。しかし、むしろ彼は後退している。これが現実なのだ。私が少しでもムチを緩めれば、今すぐにでも自堕落に陥り、不祥事を起こす。これが現実なのだ。
『私は部下に大いに働いてもらうコツの一つは、部下が働こうとするのを、邪魔しないようにするということだと思います。』
確かにその通りだ。だが、私の部下は『大いに働こう』とは思っていない。彼にいくら質問をしても、期待をしても、吃音症が出て黙り込み、言葉がたどたどしくなり、『何もやりたいことがない』と言う。しかし、かといってお金は貰えるだけ欲しいし、時間も守る気はないのだ。ここが彼の人間としての価値を著しく下げている。それがディオゲネスと違うところだ。
かつて、マケドニア帝国の王、アレクサンドロス三世は、ソクラテスの弟子であるアンティステネスの弟子、『樽の中のディオゲネス』に対し、挨拶が無いのでわざわざ会いに行った。
何か希望はないかと聞くと、ディオゲネスは言った。
『あなたにそこに立たれると、日陰になるからどいてください。』
アレキサンダー大王は、帰途、連れの者に言った。
『私がもしアレクサンドロスじゃなかったら、ディオゲネスになりたい。』
ディオゲネスは自分の私利私欲をなるべく捨てるようにして生きた。その生き方がアレクサンドロスにとって自由に見え、彼の口からその言葉を発させたのだ。彼はディオゲネスとは違う。無私に生きる人ではなく、執着にまみれた、単なる人間なのである。孔子の弟子の中にも、一日中寝てばかりいる人間がいて、弟子の一人が出かけるときに、
『先生、彼はどうしますか?』
と聞くと、孔子は、
『こいつはいつも寝てばかりだから使い物にならないだろう。』
と言って、素通りすることがあった。私は、あの孔子さえも『ある種見捨てる』ような、そういう類の人間を部下に持った。これが幸か不幸かはわからない。そのどちらにさせるのも、私次第だ。松下幸之助のこの言葉は一見して部下の主体性を尊重する言葉だが、上司の主体性も煽る言葉でもあるのである。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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