名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!
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考察
『人間のやることですから、いろいろなことがあります。しっかり理念をふまえてやる人も、勢いに任せてやる人もいる。そんなときにはやっぱり注意してやらないといけません。注意を怠ったら、その人を捨て去ってしまうのと一緒ですわ。』
私の部下で、本当にどうしようもない人間がいた。本当に最初の数年間はどうしようもない人間だった。別に今も大差はないが、当時はひどかった。寝坊、不衛生、怠惰、嘘、誤魔化しなどは当たり前で、捏造、隠蔽、先延ばし、足の引張り、もう、この温厚な私が手をあげたくらいだ。
金はぞんざいに管理するし、売り上げは誤魔化すし、それでいて、私利私欲と煩悩だけはあって、常にそれに支配され、見栄と虚勢で真実に蓋をして塗り固め、挙句の果てに出た言葉は、
だったのである。あるいは、平気な顔をしてこう言うのだ。
その通り。『異常』なのである。事実、『吃音症』という、れっきとした保険が適用される持病を持っていた。その根幹にあるのは、幼少の頃に事故で死んだ兄のことがあった。
私は別に、最初からその全てを知っていた。つまり、もう入社初月の段階で、彼の人生を前に進めるのは、『パラダイム転換』だとわかっていて、それを助言したのだ。『それを理解する』のに、時間がかかっているだけであり、賢明な人間は、すぐにそれを直視し、駒を前に進める。しかし彼は、『現実逃避宣言』からもわかる通り、その『初期設定』がないのだ。パラダイム転換とは、その初期設定を変えることを、言うのである。
松下幸之助はこうも言った。
つまり、彼にはその『熱意』が欠如していた。自分の最愛の兄が死んだことで、その先の人生には、何もない。あるいは、もう一度失うことが怖かったのか、何なのか知らないが、私はそれを、こう一刀両断しよう。
チョッパー『おれが”万能薬”になるんだ!!何でも治せる医者になるんだ!!』
しよう、というか、している。6年半している。つまり、私は今も彼の上司であり、それは、彼が本当の本当に人生から逃げるまで、続く関係なのである。お互いが、ギリギリのところで逃げなかった。いや、実際には一度逃げたが、しかし、ギリギリのところで逃げなかった。だから今がある。そして、未来の可能性がある。
我々は上司と部下だが、その前に、人間である。私は彼を、一時、本当に殺そうと思うほど殴りつけたが、本当にそうしたり、あるいは、首にして『楽』をして、進める人生のその先に、魅力を感じなかった。松下幸之助の言葉が、身に沁みる今日である。そして、戦いはまだまだこれからだ。むしろ、これからが本番である。
追記:この記事から4年、彼はもうすぐ入社して11年が経とうとしている。しかし、彼の状況は変わっていない。むしろ悪化している。新たに彼の口から出た言葉がこれだ。
そう。その代わりに、現在の楽をとる。そういう選択肢を選んだのである。内省にしろ、インサイド・アウトにしろ、彼はいつまで経っても自分のものにできない。10年経ったとき、あまりにも遅刻がひどいので、
と指示し、アメとムチを同時に用意したが、10時出勤を希望して一週間も経たないうちに、彼は13時に起床し、
とメールしてきたのである。彼は決して、ナルコレプシーのような睡魔に襲われる病気を患っているわけでもない。他の会社に移りたいがためのボイコットとして自堕落なことをしているのではない。ただただ単純に自分の睡魔に勝てず、遅刻をしてしまうのである。
世の中には、このような人間もいるのだ。問題は、その人間が私の会社に存在するという事実を私がどう解釈するかだ。しかし私は彼と真逆の性格で、内省することができ、つまり、インサイド・アウトの重要性を理解している。見るべきなのは以下の黄金律だ。
従って、この状況をピンチだとも思わないし、悲劇のヒーローを気取るつもりもない。それは、以下の黄金律を知っているからである。
松下幸之助はこう言うが、あの孔子の弟子にも私の部下のような人間がいた。チョウ・ユンファ主演の『孔子の教え』では、弟子の一人が孔子にその弟子を一緒にお供させるかどうか尋ねると、孔子は、
『そいつは寝てばかりいて使い物にならない』
と言い捨てるシーンがあるのだ。事実孔子は、
と言っていて、すべての人間に教育が通用するわけではないことを知っていた。しかし孔子はそれでいて、『法律など必要ない』と考えていて、すべての人が徳を積み、人生に主体的であればそれで済むと主張していたが、確かに私も孔子や松下幸之助の意見に賛同するが、いささか、目の前でこうも『やるべきことができない』人間を10年以上も目の当たりにしてしまうと、韓非子が孔子のその主張を『絵空事』だと揶揄する気持ちも、わからないでもないのである。
いやもちろん、締めくくりとしては孔子や松下幸之助の意見は立派であり、それをベースにするべきである。しかし、世の中には色々な人間がいる。その事実もまた、真実なのである。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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