名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!
金を儲けるのは第一ではない。電気製品を作るのが第一でもない。第一は、それを生み出すための絶対軸だ。『人』である。私は松下電器とは規模の桁はまるで違うが、会社を経営している。その中で選択肢は無限にあるわけだ。どの方向に行くかは、自分が決められる。
株主や投資家に資金を出してもらい、その資本金を利用した規模の広いビジネスを展開する方法。郊外ののびのびとした場所で、一家で小規模に、末永くマイペースにやっていく方法。それについて更に詳しく内省したければ、『社長は会社を『大きく』するな!』の本が圧倒的にわかりやすい。非常に参考になる。どちらにせよ企業である以上は利益を出さなければならず、『利』を追うことが求められることは、常である。
しかし、よくその資金繰りで失敗して、返せない額の借金を『やむを得ない状況』に借り、悪い条件で借り、またそこに返すために違う金融業者から金を借り、また違う業者から借り、という『自転車操業』に陥る人を見ると、いささか、『利』に支配されて生きる人生は、賢明だとは言えない。そもそも借金とは、銀行から『借りてくれ』と言ってくる場合にのみ利用するものである。税理士の児玉尚彦氏の著書、『会社のお金はどこへ消えた?』にはこうある。
優良企業と言われている会社は、お金を借りるときも非常に戦略的です。優良企業は業績がいいから、お金の心配などしていないと思ったら大間違いです。『どうやったら有利に資金調達ができるかをいつも意識して行動している』と、都市銀行から長期プライムレート(最優遇貸出金利)で借り入れをしている優良企業の社長が言っていました。
また、優良企業は、自分が借りたいときではなく、銀行が貸したいときにお金を借ります。そのほうが良い条件で融資を引き出せるからです。(中略)一般企業がお金が足りなくなってから銀行へ借り入れに行って ”貸し渋り”にあっているのに対して、優良企業は”借り渋り”をしながら有利な条件で交渉しているのです。
会社を経営して、利益の事を考えることは、毎日の食事をどうするかということと同じくらい、日常茶飯事として、当たり前の事なのだ。その『食事』で考えても、それをコントロールしている人は、好きな時に好きな物を好きなだけ食べられるが、コントロールできない人は、『好きなだけ食べる』ということを曲解し、暴飲暴食に走り、例えば膵炎や痛風等にかかり、極めて長期的に食事を制限されるという事態にまで発展することがある。
野菜など、本来はとても栄養が整っていて、新鮮で、食べ応えもあって美味しいのに、それを『強制的に』食べさせられるとなると、拒絶反応が出るものである。
重要なのは『主体性』だ。強制的とか、反応的に人生を生きるとなると、人生にはびこるあらゆるトラップに足をひっかけ、身動きが取れなくなってしまう。
このように、金の重要性はわかっている。だが、そもそも企業は、何よりもまず『人』を育てることが絶対条件のはずなのだ。金があっても、人が腐っている企業が、一体どれだけ破綻してきただろうか。傲慢不遜に成り下がり、大企業病に陥ったJAL(日本航空)を再建したのは稲盛和夫だ。稲盛が参加した最初の役員会議では、稲盛を歓迎しない不穏なムードが漂っていた。しかし、稲盛はそれを一喝したのだ。
その後、稲盛がやったのは、『アメーバ経営』と『京セラフィロソフィ』の導入だった。稲盛は、腐敗して、血の巡りが滞った会社の『細部』に、命を吹き込み、責任を持たせ、そして結果的に全体を躍動させることに成功したのだ。『人』だ。間違いなく彼がやったことは、『人間の重視』だった。
現代の経営の神と言われた稲盛和夫も、松下幸之助から多大なる影響を受けた一人である。私は彼ら、二人の経営の神のやり方に、強く共鳴する。今私の部下には、丸6年間同じことを言われ続けても治せない、ほぼ『病気』と断定していいような、そういう人間がいる。
孔子も、
と言っているが、類推どころか、今日、返事をした、その職務をこなすことが出来ないのだ。確かに彼は『吃音症』という言語障害であり、幼少の頃に兄を事故で亡くしたという、中々の重荷を背負って生きている人間だ。だが、だからといって何をしてもいいということにはならない。
私と彼とは6年以上やってきたわけだが、会社の規模を大きくする前に、目の前のこの人間をどうにかしなければ、一生前に進めないのが、数年前からの私の本音である。彼も私もまだまだ極めて若い。人生はこれからだ。だが、こうも多様性のある道の選択の連続の中で、歩いてはならない道がある。それがあることだけは、頭ではもうわかっているのだ。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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