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松下幸之助『だからといって、努力してもつまらないと放棄してしまうようでは、人間でいうところの天寿を全うせしめることはできない。』

名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!

ふむ…。

運営者

考察

『人間に寿命があるように、われわれの人間にも、それがいつのことがわからないにしても、やはり一つの寿命があると言えるのではないかと思う。だからといって、努力してもつまらないと放棄してしまうようでは、人間でいうところの天寿を全うせしめることはできない。これはいわば人間はやがて死ぬのだから不摂生、不養生の限りを尽くすのと同じであろう。』

 

 

『天寿』とは、予め定められた寿命。つまり、もし先天性の奇病が原因で、人の10倍の速度で死ぬことを運命づけられた人間がいたら、彼ら、彼女らの人生の天寿は、人の10分の1の時間ということになる。

 

我々人間はそのようにして、各々で『与えられた命の日数』が違う。だがそれは、目の色、髪の色、肌の色、背丈、言語、身体の特徴、それらに差異があるように、その人の『個性』そのものとして数える必要がある。逆に、そう数えなければ、他にどう数えることもできない。我々の個性にはダイバーシティ(多様性)があり、それらが混在しているのが、我々が生きているこの世の中なのである。

 

もし、ダイバーシティが失われれば、確かに、目を向ける方向が一つになり、宗教間の争いも起きないのかもしれない。しかし、そういう世界はどこか違う。そういう印象を持つのは、一体なぜなのだろうか。

 

 

『個性の損失』によって受ける、この虚無たる印象は何だろうか。『人間』以外の一切の森羅万象に『個性』があり、ダイバーシティがある。『それ』に逆らう形で、人間のダイバーシティだけが存在しない。この妙な違和感の正体は、『人間本位』のこうした発想そのものが原因なのかもしれない。私は今回の松下幸之助の言葉を聞いて、ある種の感慨深さを覚えた。なぜなら、私がいつも言うセリフと同じなのだ。

 

それがこのセリフだ。

『人生は虚しい。儚くて、混沌としている。だが、だからといってそれがくよくよと下を向いて生きていく理由にはならない。』

 

銃を乱射した後に自殺する人間は、『天寿の全う』ではない。そして同じくそれに巻き込まれた命も、『天寿の全う』ではない。そんな事実を目の当たりにしたとき、憤りを覚えるなら、我々は『人間』を語る資格がある。もっとも、『人間を語る資格』があったところで、何かこの世の頂点に君臨できるわけではない。あくまでもそれを語る資格があるということ。

 

だが、それで十分だ。我々は、人間としてこの世に生まれ、たった一度の人生を生きているのだから。

 

 

 

 

MEMO

※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。

 

 

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