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考察
遠すぎる未来を読んでもあまり意味がない。1万年後だ。だが、意味がないということはない。『あまり』だ。例えば、(1万年後に人はどうなっているか、その時に振り返って自分の行動は悔いを残さないか)等、そういう思索にふけるのは問題ない。むしろ、賢明である。
例えばここで、ニーチェの言う『永劫回帰』という事実を考えてみる。永劫回帰とは、「時間は無限であり、物質は有限である」という前提に立ち、無限の時間の中で有限の物質を組み合わせたものが世界であるならば、現在の世界が過去に存在し、あるいは将来も再度全く同じ組み合わせから構成される可能性がある。ということ。つまり、
ビッグバン(破壊&宇宙創造)⇒宇宙が誕生⇒人間が誕生⇒ビッグバン(破壊&宇宙創造)⇒宇宙が誕生⇒人間が誕生⇒
というループを無限に繰り返すということ。
これは私も考えたことがある。なぜなら、人間のこの技術の進歩は、ある種感動的である。このたった20年で考えただけでも、けた違いの進歩を見せている。例えば、Windows95で感動していた死んだ父親は、この現代の技術力のすごさを知らないのだ。白黒テレビが登場したとき、人々はそのテレビに群がった。
だが今はスマホでテレビが見れても、人々はそれが『当たり前だ』と口をそろえる。白黒テレビでさえ数千年前に生きた人々からすれば『当たり前』ではない大偉業だ。このようにして、人間の技術は未来に行けば行くほど、過去の人間の度肝を抜くのがセオリーである。
しかしおかしい。どう考えてもこの先に行けば行くほど、過去の人間が大きく上を見上げるべく圧倒的な技術がそこにある。だがその道の中で、その数千年という時間よりも遥かに長い時間、例えば、今から1,000万年ほどの時間をかければ、『我々過去の人間が度肝を抜くはずの 』、タイムマシンが発明されてもおかしくはない。だが、その未来の人間が過去である今我々が生きている現在にやってこないことがおかしい。
タイムパトロールのような人間が過去の人間との接触を阻止しているとしても、人間である以上、何らかのミスがあるはず。そして何らかのミスがあるのであれば、それが現在に何かの『現象』として起こるが、いわゆる『心霊現象』などをそう考えたとしても、私は別にそういう現象を見たことがない。テレビ番組で観るだけだ(つまり、演出がされている)。
そう考えると、明らかにこの先に待っているのは『SFで空想される発展した世界』というよりは、『虚無』と考える方が合理的である。ということは、
『人間が研鑚した技術はこの先に行けばもっともっと優れていく一方になる』
という考え方ではなく、
『おそらくどこかで一度虚無になり、リセットされる(例えば、他の銀河と衝突したり、宇宙が膨張⇒収縮というアコーディオン的な動きをして、また最初の爆発(ビッグバン)に戻る)。だから過去である現在に何も影響がない』
という考え方の方が、納得がいくのである。※そうなると『ビッグバン』ではなく、収縮のときの爆発は『ビッグクランチ(粉砕)』となる。ビッグバン⇒膨張⇒収縮⇒ビッグクランチというアコーディオン形式。
そう考えたとき、
(実は今の我々は、そういう無限ループを繰り返しているのではないか?)
という風に考えたのだ。つまり、人間の進歩は、タイムマシンを発明するほどの能力に達する前に、尽きてしまう。これがニーチェの言うこの『永劫回帰』の意味とほぼ同じ発想だろう。(アコーディオンという発想はリチャード・ドーキンスの本に書いてあったものだ。)
それを書いたのは、コペルニクスのこの記事だ。
このようにして、遠い未来を想像することは、ニーチェの言う『超人』の考え方にたどり着くからして、無意味なことではない。だが、あまりそのことばかりに重点を置きすぎると、今の世とこの人生に対応できない。今に対応できないという事はつまり、未来のそれに悔いを残すことになる。
従って、この話は当たり前のことである。当たり前のことであるが、刹那的に人生を生きる人間にとっては『当たり前』ではない。だとしたら、このことはとても意義のある思索である。過去から見ても、未来から見ても悔いの残らない、そういう現在を生きたい。この話に関連する黄金律は、以下の2つである。
『この世には、自分にしか歩けない道がある。その道を歩くのが人生だ。』
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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