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考察
過去の事実を、有ったのに『無かった』として闇に葬り去り、隠蔽する。こういう嘘は、国家レベルの大きなことから、家庭や友人間で起こる小さなことまで、至る所で行われている嘘である。例えば浮気をしたのに『してない』という嘘も、この範囲内だ。
『未来の関する権利上の嘘』というのは、例えば、
という言葉を言った時、そこには、対象者がいて、その助言者は、その対象者の未来の権利を約束したわけだ。未来には、きっと夢を叶えた君の姿がある、と。そこには、さぞかし心底から充足した自分がいることだろう。何しろ、夢を叶えたのだ。自分の心が最も充足する目標こそが、『夢』なのだ。
しかしそれが実際に叶えられるとは限らない。その時、その言葉は『嘘』になる。だが、その言葉を言った時点ではまだ『どうなるかわからない状態』だったので、別にその発言をしても罪にはならない。その行為を捏造や隠蔽とは言わないのである。
また例えば、瀕死の人がいて、その人を励ますために、生きる勇気を燃やしてもらうために、
と声をかけた心優しい人がいたとする。しかし、治らなかった。これも結果的には『嘘』になった事例だ。だが、声をかけた彼に悪気はなく、むしろ本当に治って欲しいと願っていた。つまり、『過去の話を捏造するのは完全なる嘘』だが、『未来の話ならまだ起きていないので嘘になるかどうかはわからない』ので、我々はその未来について、希望的観測を持って、
などと言う、事実ではない可能性のある言葉を口にする権利があるのである。
そう考えると嘘の種類は、あと二つある。
- ついてはいけない嘘
- 奇跡に変わる嘘
の二つだ。ついてはいけない嘘については説明不要だが、この、『奇跡に変わる嘘』というのが、なぜ『悪気のない嘘』とか、『ついていい嘘』としなかったかということを理解する為には、下記の文章を見る必要がある。世界的に著名なアメリカの細胞生物学者であり、ウィスコンシン大学医学部やスタンフォード大学医学部で教鞭をとる、ブルース・リプトン博士の著書、『思考のすごい力』にある事実は、実に衝撃的だ。
詳細は下記の記事に書いたが、
Dr.ヒルルク『この国におれが…桜を咲かせてみせる…!!!』
ここでは一部を記述する。
最初の治療で、メイソンは片方の腕に焦点を絞ることにした。少年を催眠状態に導き、この腕はイボが治って健康なピンクの肌になる、と暗示を与えた。一週間たって再びやってきたとき、治療を施した腕はかなり良好な状態になっていた。メイソンは喜び、少年を外科医のところに連れていった。だがそこで、メイソンは自分が医学上のミスを犯していたのを悟った。腕が治ったのを見て、外科医はびっくり仰天した。メイソンには伝えてなかったのだが、少年の腕はイボではなく、先天性魚麟癬(ぎょりんせん)という、命にかかわる遺伝病によるものだった。
この病気の症状を精神力『だけ』で治すことなど、とうてい不可能だと考えられていたのだが、メイソンと少年はそれをやってのけたのである。(中略)メイソンは、治療に対する確信の無さが失敗の原因だと考えた。少年を治療したときは悪性のイボだと思い込んでいて、必ず治せると自信満々だったのだが、そのあとの患者の治療にはそういう態度で臨む事が出来なかったという。
人を励ます『未来に関する権利上の嘘』や、『嘘をつくつもりはなく結果的に嘘になってしまった助言が、奇跡を生んだ話』は、決して『ついてはいけない嘘』だと思うことは出来ない。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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