『効力』の話だ。『それだけ』がどれだけの効力を発揮するかということである。『それ』とはつまり『外部要因』である。外部要因の効果も、例えば睡眠薬や頭痛薬と同じように、効力を得られる。しかしそれは、一時的だということである。一時的な痛みどめの為に、薬に頼る。それはある種の、麻薬依存症である。
『外部』に依存するのではなく、『内部』に目を向けるのだ。薬を使わなくても、人間には『自然治癒』という能力がある。外部要因は、内部要因を強化する『装備』程度の考え方をするのがいいだろう。
別に無くても、生きていけるが、有ると便利である。そう心を構えておくことが重要である。つまり、依存しないということだ。
ある所に幸せになりたいと思う女性がいた。彼女は
のどちらかと結婚をする選択肢を迫られた。周囲の人間は、こぞってBさんを推奨した。
それっぽい理由はたくさん並んでいた。
だから彼女はBさんを選択した。色々な理由があった。生きていくために仕方がないことだった。それは、ある種の自己防衛本能だった。本能の部分でその人と一緒になり、種を遺せば、それが長くたくましく生き抜いていくような気がした。
人間にとって、お金というものは人間のDNAレベルにまで影響する、最高の魅力の一つだった。まるで、動物や昆虫が『一番立派な羽や角』を持っているのが誰なのかを見て、それで交尾をするように。
しかし、彼女は心底でAさんのことを忘れることはできなかった。それは、彼女が『人間』だったからだ。
人間には心がある。心があるから人間なのだ。彼女が本当に幸せになるためには、彼女が一生幸せになるためには、彼女が選ぶべき選択肢は、どちらだったのだろうか。
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