儒教の始祖 孔子(画像)
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かの福沢諭吉は、『一身独立して一国独立す』(個々人が独立自存の道を歩むことによって、はじめて国も独立国家となれるのだ)と説いたが、孔子は2500年も前にこれを説いている。
自分一人の行動が、この世界に影響など及ぼすものか。そう考えた人も、多いだろう。正直者は馬鹿を見るというが、自分だけが踏むべき道を踏んで歩く中、ウサギに追い抜かれると、損をした気分になる。そう考えた人が、多いだろう。
私は廃棄物処理、リサイクル、リユースの仕事をしていたとき、HPの挨拶にも正直にこう書いていた。
『私は不法投棄に罪を持たない人間だった。自分のゴミのポイ捨てが、どれだけ地球に影響があるものか。地球規模で考えたら、自然を壊して作った家や、排気ガスを排出する車や、CO2を大量に放出する工場こそが、 ”ゴミのポイ捨て”になるだろう。自分のゴミのポイ捨てなど、ここまで膨れ上がった人間の人間本位な欲望に比べたら、塵のような出来事に過ぎない。そう考えていたからだ。私の視野、器は、人としてあまりにも小さすぎた。』
孔子は言う。
たった一人でも正しい生き方をすれば、 ”その分だけ確実に”、この世は正しくなる。
自分一人の力など、壮大な地球にとって、多くの人間にとって、大した貢献にはならないかもしれない。だが、それはやらない理由にはならない。一人一人の小さな心がけが、大きな気運を、生み出すのだ。
顔淵仁を問う。子曰く、一日己に克ちて礼を復めば、天下、仁に帰す。仁をなすは己によりて、人によらんや。