儒教の始祖 孔子(画像)
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往々にして第一線を走っている人間は、物質的欲求に支配されない。どちらかというとそれよりも下の人間の方が、それに支配されていることが多い。第一線を走る人間は、『後で』それを『水準に合わせて自然に利用』しているが、それ以下の人間は、『前に』それを『水準に不相応に不自然に悪用』している。もう、『このデータ』だけでもヒントだ。そういうことに目を向けられるかどうかが、運命を決めるのだ。
例えば『明石家さんま』は、若い頃には大きな借金があったと言い『中居正広』は、若い頃に『汗かけ、恥かけ、物を欠け』と言われ、肝に銘じて生きてきたと言う。その他にも、実に多くの一流の人間が、過去に不遇の経験を持っている。松下幸之助は小学生の年齢で、丁稚奉公だ。稲盛和夫は路頭に迷っていた時代、ヤクザ稼業がちらついていた。
ココ・シャネル の生みの親は、幼少期の不遇の時代を決して人に話さなかった。ドミノピザやピザハットに頭一つ差をつける最大手のピザーラ社長は、事業に何度も失敗し、全身火傷で半年以上の入院を余儀なくされた。柳井正はユニクロで1勝挙げるまでに9敗し、ソフトバンクの孫正義は、父親が病気で入院している頃にアメリカ留学を決意して家族に批判されたが、その決意と覚悟が、自分の運命を大きく変えた。
まるで、『第一線(大きなお金を動かす仕事、多くの人に影響を与える責任ある仕事)で働くには、物質的欲求を含めた私利私欲を後に回し、がむしゃらに働き続けなければ、それを達成、維持できない』と言っているようなものだ。『代償の法則』である。
『拡大再生産』という、極めて重要な概念がある。これはあまりにも重要で、注意深くこのことについて考える人間の運命を大きく変える為、思慮浅く見過ごさない方がいい。冒頭で第一線の下にいる人間は、物質的欲求に支配されていると言った。つまり彼らは、『単純再生産』しか出来ない人間、あるいは無意識にその無限ループにはまっている人間、または『拡大再生産』という概念を知らない人間なのである。
松下幸之助は言った。
この意味がわからない以上は、無限ループから抜け出すことは出来ない。
子曰く、士、道に志して、悪衣悪食を恥ずる者は、いまだともに議るに足らざるなり。