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ニーチェとはどんな人物か

フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ

ドイツ哲学者。(画像1844年にドイツで生まれたニーチェは、人間の本質を見抜くような数々の名言を世に残した哲学者として知られています。

 

『神は死んだ』

実証主義だった彼は反キリスト教という立場を貫き、

 

神は死んだ

 

と宣言し、『この世に神は存在せず、人間だけが存在しているのだ』ということを強く主張しました。哲学史でニーチェほど有名で悪名も高い人間はおらず、人々からはこう評価されました。

 

  • 『天才だ』
  • 『精神病だ』
  • 『悪魔の弟子だ』

 

このように賛否両論が分かれた哲学者も少ないとされています。

 

 

ニーチェはドイツのレーケンで牧師の子として生まれ、神童と呼ばれていました。しかし、偏屈な性格のせいで結婚をせずに生涯孤独であり、晩年の10年間は精神病で苦しみ、ホテルの部屋を転々とし、最期にはホテルの一室で誰にも看取られず静かにこの世を去りました。

 

参考文献『世界の哲学―ギリシャ哲学からポストモダンまで』

 

ワグナーとショーペン・ハウエルとヒトラー

作曲家のワグナーや哲学者のショーペン・ハウエルなどから影響を受けた彼の思想は、のちのドイツに広がったヒトラー率いるナチズムにも強く影響を与えたと言われていますが、彼がナチズムを支持したというわけではありません。ナチズムが台頭した頃には彼はすでに没しているので、実際にはニーチェの思想や哲学にナチズムが影響を受けたといえます。

 

 

哲学者や思想家として以外にもたくさんの才能を持っていた彼は、作曲家や作家としても活躍しました。

 

  • 『悲劇の誕生』
  • 『反時代的考察』
  • 『善悪の彼岸』

 

など彼が著した作品は、どれも人間の本質について問うているものが多いという共通点があります。これは彼が生きた時代において、人間の生活に大きな影響を及ぼしていたキリスト教の存在や価値観が人間の考え方や価値観を弱体化してしまったり、ドイツにも広がった産業革命によって生活が機械に囲まれるようになったことへの戸惑いや、強い反発からくるものと考えられています。

 

 

人間とはもともと生きるために戦うという本能を持っていたり、社会の中で上を目指すための戦闘能力の証が命である、そう考えるのがニーチェ的な思想です。彼が後世に残した名言も、

 

深渕を覗くということは、深渕もまた自分を覗いていることに他ならない』

人間的な、あまりに人間的な

 

など、本質的なものが多くあります。

 

ルサンチマン

またニーチェは、『ルサンチマン(弱者の強者への嫉み)』の感情のせいで、人間が唯一無二の人生を台無しにすることを嘆きました。キリスト教もそうした人間のルサンチマンから始まったのだと。

『自分の上に裕福な人や権力者がいて、自分たちにはこの人間関係、主従関係をどうすることもできない。だが、その人たちの上に、神がいると考えれば救いが見出せる。神がいれば必ずこの不公平な世の中を、公正に判断してくれるからだ。』

 

 

そういうルサンチマンたる感情からこの世にキリスト教が生まれ、イエスを『主』として崇めるようになったのだと。しかし、『自分以外の人間を『主』にするということは、つまり『主体性』を失うこと』を意味するわけです。だからこそ人は弱体化してしまったのだと。ニーチェはそう考えたわけです。

 

ニーチェはこうも言っています。

永劫回帰と超人

そして、『永劫回帰』という、

ビッグバン(破壊&宇宙創造)⇒宇宙が誕生⇒人間が誕生⇒ビッグバン(破壊&宇宙創造)⇒宇宙が誕生⇒人間が誕生⇒

 

[永劫回帰]

 

というループを無限に繰り返す考え方を前提にし、その永劫回帰があったとしても、その事実を憂うのではなく前向きに受け入れ、既存の価値に囚われずに新しい価値を生み出す人間を意味する、『超人』であれと説きました。ニーチェが『この世に神は存在せず、人間だけが存在しているのだ』ということを強く主張したのは、こういう背景があるからですね。

 

富士写真フイルム社長、古森重隆は『PRESIDENT』にて、

『結局、彼の言わんとすることは、人間というのは本来、個々に強く、賢く正しく、気高く、自由に生きるべき存在なんだ、と。羊みたいに群れるんじゃない。あるいは宗教を信じて『神のしもべであります』なんて生きるんじゃない。あなたはしもべじゃないと言っているんです。『どうしてもっと自由に生きないんだ』と。もちろん、自分勝手にやれということではなく、正しくなければいけません。』

 

とニーチェの教えの根幹にあるものを語っています。

 

ニヒリズム(虚無主義)

また、ニーチェは『ニヒリズム(虚無主義)』だと言われていますが、この意味は、彼が『神は死んだ』と発言していることから、『この世には、神も真理もなにもない。虚無なんだ。』という、暗いイメージを連想させてしまいがちですが、実際はそうではありません。

 

『一度、キリスト教も含めた今まで作られたあらゆる概念を破壊し、ゼロ(無)にするのだ。そして、ゼロから新しく創造し直すべきだ。』

 

というニーチェの『唯一無二の命の尊さ』への考え方を現した表現なのです。

 

 

天上天下唯我独尊

ニーチェは、

『世界には君以外には歩むことのできない唯一の道がある。』

 

と言い、

『しかしその道がどこに行くのかを問うてはならない。ひたすら歩め。』

 

とも言っていますが、 このようにして『唯一無二の命の尊さ』を強く主張しました。これは、ある人物の考え方にとても良く似ています。それは、

 

ブッダです。

 

 

ブッダは言いました。

天上天下唯我独尊

 

だと。この言葉の真の意味は、『私以上に偉い人間はこの世に存在しない』という、釈迦の思いあがった軽率な発言ではありません。

『この世に自分という存在は、たった一人しかいない。唯一無二の人生を、悔いなく生きるべし』

 

という意味なのです。私はブッダの言葉の超訳で、

 

という記事を書きました。そこに書いたのは、偶然にもニーチェの言った言葉と同じようなことでした。

『人生とは、答えのない迷路だ。自分で、納得のいく答えを胸に秘めながら、永遠にゴールのない迷路を歩き続けるのだ。だが、同じ迷路でも『さまよう』人と、『ひた歩く』人に分かれる。後者であれ。どうせ歩き続ける宿命なのだ。自らの足で、ひた歩くべし。

 

この言葉は、私がブッダの言葉を真剣に考えていたら、自然と湧き出てきた言葉です。それゆえ、唯一無二の命について真剣に考えた私は、ニーチェが何を言いたかったのかがよくわかります。

 

 

また、ニーチェは、

『今この瞬間を生きよ。』

 

とも言いました。これは私がまとめた黄金律、

 

『生きるのは過去でも未来でもない。『今』だ。』

 

これとピタリ一致するものです。また、黄金律の話をするなら、先ほどの言葉は、

 

『この世には、自分にしか歩けない道がある。その道を歩くのが人生だ。』

 

まさにこの11番目の黄金律とピタリ一致します。うぬぼれるつもりはありません。私だけではなく、彼と意見が一致する人物は大勢います。

 

松下幸之助は言いました。

 

これは先ほど言ったニーチェの言葉、

『世界には君以外には歩むことのできない唯一の道がある。』

 

と瓜二つなのです。

 

 

ニーチェ、ブッダ、松下幸之助。ここに挙げた人物だけでも、錚々たる人物が出揃っています。そしてもちろん、これだけではないのです。実に多くの偉人たちが、一致する意見がある。それが私がまとめた黄金律なのです。

 

8,000の名言から浮かび上がった38の黄金律

 

ニーチェの一生を考えると同時に、この黄金律にも目を向けてみてはいかがでしょうか。必ずあなたの人生にとって、有益な結果をもたらすでしょう。

 

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