一見するとこの一コマは『笑いどころ』に見えるかもしれない。 私もちょっと前だったら、そう捉えていた。 特に私は性格的にも猪突猛進タイプで、 風林火山で言えば、常に『火』で、 コツコツやるのが好きではなく、一度に一気にやらなければ気が済まないような性格だった。 ゲームで扱うキャラクターなら、 確実に『戦士』。小細工をするのがまだるっこしくて、 回復も援護もしないで、ひたすら攻めまくる。 いわゆる、『攻撃は最大の防御』という性格で、15年以上物心ある人生を生きてきた。
別にそれで滞りはないのだ。だからということも手伝って、改めようとも思っていなかった。 しかしそれは、滞りが無いと思い込んでいただけだった。 視野が狭ければ、そりゃあそう思ってしまうに決まっているのだ。例えば、私には『多様性』が無かった。固執していたのだ。狭い世界で生きていて、自分本位だった。
この世には多種多様な動物がいて、植物がいて、 それぞれに役割を果たしていて、循環していて、 有限の資源と、有限の時間の中、それぞれが支え合って生きていることを知らなかった。 この地球は、『生物多様性』で成り立っている。 一つの生命が失われれば、それを糧にしている一つの生命が絶滅の危機に瀕する。
すべては、『循環』しているのだ。我々は生きるために他の生命を食べ、その残骸や死骸は土壌にて栄養になり、他の生命や、植物に循環され、植物は酸素を作り、またこの地球を守っていく。 例えば、猪突猛進に力づくで道を歩いていても、 いつか、どうやっても力づくでは渡れそうにない崖に直面することがある。そういうときは、崖に橋を架ける技術がある人間が、重宝されるのだ。
ナミ『戦意を失い遠くにいる敵なら恐くないのよ!!!』 ウソップ『しかも手負いで背を向けた敵なら任せろォ!!!』
ある日のPRESIDENTにはこう書いてあった。
古代中国の大帝国、『漢』の高祖となった『劉邦(りゅうほう)』の天下取りを助けた三羽ガラスは、 軍師の張良(ちょうりょう)、勇将の韓信(かんしん)、そして蕭何 (しょうか)である。 彼らの職務を現代風にいえば、張良はさしずめ企画室長で、 韓信は営業部長、 蕭何は総務部長であろう。 劉邦は皇帝の位について、論功行賞を行ったとき、 『最高の功績は蕭何にあり』 とした。それにたいして功臣たちは一斉に不満を 表明した。 ある者は、
『私たちは戦場に出て体を張って闘ってきました。そうやって城を落とし、敵を倒し たからこそ、天下を平定できたのではないでしょうか。 それにひきかえ、蕭何は一度も戦場にでたことがなく、城を一つも落としたことがない。 敵将の首を取ったこともない。 それが私たちより功績があるとはどういうことでしょうか。』
といい、またある者は、
『私たちは知略を尽くして敵を攻め落とす方法を考えました。 戦争に勝てたのは 私たちの戦略があってからこそ』
と言った。 つまり、営業の人間は 『汗水たらして駆けずり回り、売上を上げたからこそ、会社が発展したのだ』 と言い、 企画の人間は 『企業戦略を策定し、宣伝も考え、 会社の持つ戦力を100%以上に働かせた からこそ、会社の発展があったのだ』 と主張したわけである。 それにひきかえ総務の人間は何をしていたのだ、会社の中に座っているだけで、 何の利益も生み出していないじゃないか、という言い分である。
そういわれれば総務担当の人間はこれといった大きな手柄はない。 得意先の開拓をしたわけでもないし、営業キャンペーンを指揮したわけでもないし、 新商品を開発したわけでもない。 それでは何の仕事もしていないのかといえば、そんなことはない。 裏方で目立たないけれども、営業や企画の社員たちが存分に働けるように、 職場環境を整え、さまざまな雑用をしているのである。 劉邦が、『蕭何に最大の功績あり』としたのは、この『裏方の地味な仕事』が 天下平定になくてはならないものだったことを知っていたからである。
劉邦は、ライバル項羽(こうう)と足かけ五年の戦いの末、勝利を握ったが、 初めのころは連戦連敗だった。 ところが、それでも屈することなく闘い続けているうちに、流れが変わり、 ついには項羽を破ることができたのである。 この大逆転を呼び込んだのは、負け続けながらも弱体化せずに挑戦し続けたからである。 そして、劉邦が不死鳥のように挑戦し続けられたのは、 後方から蕭何が絶えず兵員と物資を補給していたからである。 この蕭何の補給のおかげで、劉邦は戦闘に敗れても破れても、 態勢を立て直し て項羽に挑むことができたのだ。
いかなる勇将、猛将も、またいかなる戦略家たちも、 蕭何の途切れることのない補給なしには大きな功績を上げることができなかったわけである。 営業や企画、そして開発の仕事は華々しい成果が上がるので、 傍目には目立つが、それだけが企業を支える仕事ではない。 その陰で、キチンと帳簿をつけたり、必要な人員、必要な資金、必要な物資を調達することもまた、企業にとっては重要な仕事なのである。 こういう裏方で、地味ではあるけれども、コツコツと仕事をしていくことも、 高い評価を得る要因となろう。 目立たない仕事であるけれども、腐らずにコツコツやれる人間は、出世の階段を 着実にあがっているのである。
宴会を開いて、大酒飲んで、美女が躍って、ドンちゃん騒ぐ。 とても楽しい宴だが、 食材集めの為に行う釣りや、 それを調理する料理人や、 演奏する音楽家や、 宴の後の掃除や皿洗いが無ければ、 宴一つ成り立たない。 色々な人が支え合って生きているのだ。 その意味で、それを理解していた『劉邦』はとても聡明な人物。 かつての私や、文句を言ったその他の部下たちは、頭を冷やさなければならない。
Vアニメ「ワンピース」15周年記念!15の名場面で綴る感涙PV
※画像は以下の参考文献から引用しています。
この記事は2009年に書いたものです。とても未熟な時期に書いたものなので、いずれまた修正いたします。またこの記事は運営者のワンピースに対するリスペクトの想いから書いていますが、もしこの画像の著作権が問題になる場合は、画像をすぐに削除いたします。