私は起業した時、『株式会社チェリー』という社名で会社をつくった。チェリーは、私の実家に居た犬、家族だ。私はチェリーの生前、良くしてあげることができなかった。散歩もせず、世話もせず、何一つしてあげることができなかった。

 

ある日チェリーが死んだ。私は、自分の人生で、正直それどころではない事情と直面していたが、突如、家族を失った喪失感に見舞われ、気づいたらお金もないのに、タクシーで実家へと直行していた。冷たくなったチェリーの亡きがらには、子供の頃、抱きしめて、暖かったあの温もりは無かった。そして気付いたのだ。チェリーを家族だと思っていた。愛していたのだと。その気持ちに気づくことが出来たら、チェリーに今までしてきたこと、過去にしてきたことの重大さを、思い知った。

 

チェリーは、私がまだ幼い時も、私が荒れているときも、祖母が元気な時も、父親が生きている時も、いつも、そこに居てくれた。私は、亡くなった祖母、父親、チェリーに対して、何一つ”して返す”ことをしていなかった。だから私は、父親の命日に、祖母のつけた名前の、チェリーという名で、会社を起業し、それを命がけで死守することを決意したのだ。

 

この名前が客観的に見て、どう思われるかということぐらいわかっていた。だが、私にとっては、そんな見栄や外聞は、あまりにもちっぽけなことだった。決して家族を、かけがえのない命を、いつまでも、いつまでも、忘れないように、私はこの社名に、決めたのだ。

 

『ほらな、折れねぇ

これが一体どこの誰の海賊旗かは知らねぇけどな…これは”命を誓う”旗だから、冗談で立ってるわけじゃねぇんだぞ!!お前なんかが、へらへら笑ってへし折っていい旗じゃないんだぞ!!』

 

だが、チェリーという名前は、私にとって、命と同じくらい重すぎた。この名前を汚す人間は、取引先だろうと、従業員だろうと、親友だろうと、絶対に許すことができなかった。そもそもこのことを理解できない人間を、 “真友”とは言わない。可愛らしい社名として、馬鹿にする人間、吸収をもくろむ拝金者、あり得ない粗相で会社の信頼を傷つける従業員、悪事を持ちかけ、足を引っ張る悪友、そして、この社名で私自身が行う、事業の内容。チェリーという名を汚すことは、絶対にしてはならないという責任感が頂点に達した時、私は今の、事業に合った会社名へと変更する決意をしたのだ。

 

そもそも、企業という”利”を追求する形と私の想いとは、シンクロしなかったのだ。チェリーは今、私の心と一体化した。そしていずれ、その名前を汚すことのい”義”を重んじた、社会に役立つNPO法人(法的な一個人)かなにかとして立ち上げ、共に生きていきたいと思っている。チェリーの名を軽んじることは、絶対にできないし、させない。命を懸けて、私はそれを死守する覚悟だ。

 

 

Vアニメ「ワンピース」15周年記念!15の名場面で綴る感涙PV

※画像は以下の参考文献から引用しています。

 

一言

この記事は2009年に書いたものです。とても未熟な時期に書いたものなので、いずれまた修正いたします。またこの記事は運営者のワンピースに対するリスペクトの想いから書いていますが、もしこの画像の著作権が問題になる場合は、画像をすぐに削除いたします。

IQ

I drew illustration. Thank you!

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