金持ち運を掴む黄金法則-3
5.見栄を張らず、身の丈の生活をしている
お金持ちは意外なほど質素な生活をしている。
彼らはお金がもったいなくてそうしているわけではなく、高級品を買って
ステータスを競うことに最初から興味がない。
中国の古典『書経』には、
『人をもてあそべば徳を喪う、物をもて遊べば志を喪う』
という一節がある。
人を自分の金儲けの道具のように扱ってもてあそべば徳を失い、
ものに執着していると、大切な志まで忘れてしまうという意味だ。
仕立てのいいスーツに身を包んでホテルにいくと、いい待遇で迎えてくれるかもしれない。
しかし、そこで自分が偉くなったと勘違いする人は、スーツを脱いだ時に勝負できなくなる。
ものの価値と自分の価値には何の関係もないことを肝に銘じるべきだ。
■特に日本人は、海外と違って、『同年代の友人がいくら収入があるか』
ということを非常に気にしてしまうものだという。
そして前回も書いたが、自分のステータス誇示を、ブランド物等、
表面的な物でしだしたら破滅への第一歩を踏み始めたと自覚していいだろう。
見栄に、支配されてしまっている。
以前私は、ボクシングジムに通っていたとき、私はお洒落など何一つしていかなかった。
髪もぐちゃぐちゃ、服装も適当。
当然。
強くなるために、弱いからジムに行ってるのに、なぜそこでお洒落をする必要があるのか。
弱いくせに、格好付けている(強い人間のフリをしている)。
これでは、身の丈が合わない。
だがある友人は、プラチナのネックレスをジャラつかせ、
ある友人は女性の友達を参観させたり、電話ですぐに
『今、ボクシングやってたんだけどさー』
等とひけらかし、自分たちを表面的に誇示することで頭がいっぱいだった。
もちろん、そのジムに最後まで残ったのは私一人だ。
当然その中にスパーで私が勝てないと思った人間はいなかったし、
中には左手を二発入れただけで降参した友人もいた。
そして10人近く居た友人は皆、それっぽい理由と共に、ジムを辞めていったのだ。
私など、最近ようやく新しいジャージを購入したばかりだ。
ボクシング、ジョギング、筋トレ等も含めた運動と向き合って7年くらい経った頃だ。
運動が人生の一部になってきたから、そろそろ身分相応だと判断したのだ。
見栄に支配されている人間は、何を成し遂げることもできない。
皆、もう一度
『世界に一つだけの花』
を歌った方がいいんじゃないだろうか。
『それなのに僕ら人間は、
どうしてこうも比べたがる。
一人ひとり違うのにその中で、
一番になりたがる。
そうさ僕らは、世界に一つだけの花。
一人ひとり、違う種を持つ。
その花を咲かせることだけに、
一生懸命になればいい。』
今世紀一番売れたこの曲から、学ぶべきことを学べなければ
世界でも有数の先進国である日本人の、"今世紀の可能性"は大したことはない。
それから、『人をもて遊べば~』
という書経の一節のことについてもそうだ。
私の周りには、金儲けの手段として、社員従業員を、『駒』のように扱い、
中には『社員なんか駒だ。変えはいくらでもいる』
等という暴言を堂々と吐き、
権力に屈し、残った従業員には
『お前たちは私の家族だ』
と綺麗事を言い、自分達のことを『勝ち組』、『成功者』等という枠組みに当てはめ、
明らかに人間として、越権行為をしていることに、気づいていない人間がいる。
『経営の教科書』にも、こう書いてある。
『ビッグカンパニーではなく、グッドカンパニーになれ』
私はそういう環境を理解することはない。屈することもない。
だから独立したのだ。
だから対立したのだ。
だから奮闘するのだ。
私は恩師と呼べる人たちに出会えて、
"完璧な生活"を送っていたあのとき、
『お前は卑怯だ。醜い。ずるい。汚い。』
そう罵倒されて、本当に良かった。
『やさしいあくま』
http://sekaiseiha.jugem.jp/?eid=419
あの絵本を渡してくれたこと。
本当に感謝している。
6.自分は運がいいと思っている
仕事で成功して富を手にした人にその要因を訪ねると、『運が良かっただけ』という
答えが返ってくることが少なくない。
企業研究の名著である『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』は、
理想の指導者の条件として、
『成功を収めたときには窓の外を見て、
結果が悪かったときには鏡を見る』
をあげている。
■これは私は耳が痛いと、謙虚に内省をしなければならないと思っている。
私は幼少期から聖書を読めと育てられたこともあり、
"実にいろいろあって"、
(自分一人の力でやってやる!)
と、強く念じて生きてきたところがある。
だから、達成した時は、
(ほらできたじゃないか!自分を信じてよかった)
等と考えることが多いのだ。
これではまだまだ未熟だ。
人間として伸び白がまだまだたくさんある。
『守破離』の"離"とは、
この人生を広い大海原だと心底から自覚し、
その波に抗わず、身を任せ、
その中で自分にできる精いっぱいの舵を取る。
これこそが人生における心構えの大原則だと見る。
失敗し、挫折し、
自分の思い通りにいかないことをたくさん経験して、
それでも守りに入らず、前を向いて生きていけば、
きっとそういう境地に達することができるだろう。
まるで、ダイヤの原石が、
削られ、削られ、
ダイヤモンドのあの輝きに、完成するように。
「実業人が実業人として完成する為には、三つの段階を通らぬとダメだ。
第一は長い闘病生活、
第二は長い浪人生活、
第三は長い投獄生活である。
このうちの一つくらいは通らないと、実業人のはしくれにもならない」
by"電力王" 松永安左エ門
by:一瀬雄治 (Yuji Ichise)
サルベージエンタープライズ株式会社代表取締役社長。
1983年、東京都生まれ。