上、磨、俯瞰
ボアアップ
例えば、現代で考えて、ファミコンレベルのコンピューターの容量では、
こなせるゲーム、対応しているソフトのレベルははたかが知れている。
それが、コンピューターがレベルアップしていき、スーパーファミコン、
プレイステーション、プレイステーション2、プレイステーション3とバージョンアップ
していけば、より性能のいいゲームに対応できるようになり、より高度で複雑な
ソフトも処理することができる。
容量の大きいパソコン、スーパーパソコンと、その容量が大きくなればなるほど、
複雑な”仕事”を処理をすることができる。
そして、それにはその価値に値するだけの価格が与えられる。
それは、人間にも同じことが当てはまる。
簡単にいえば、馬鹿にこなせる仕事の量はたかが知れている。給料も、低いということだ。
だが、その原則に気付き、それでも大金を手にしたいのであれば、自分のレベルアップ、
底上げ、バイクで言うところの、ボアアップをすればいいのだ。
それこそが、『人格の成長』なのである。
クリーンアップ
パソコンを使っていると、いらない情報の蓄積(情報オーバー)や、悪性のウイルスなどで、
動きが鈍くなる(重くなる)。
ただ、それをしっかりメンテナンスすれば、正常な動きを果たすことができる。
つまり、『本当はその情報を処理できるのに、不要な原因物質のせいで、処理が
滞ってしまっている』ということであり、それは人間でいえば、
『本当はその仕事ができるのに、なんらかのマイナス感情が足枷になり、思い通りに行かない』
ということなのだ。
たとえば、正常なロボットであれば、『インプットした情報通りに動いてくれる』という
認識があるだろう。
ロボットには余計な感情はインプットされていない。ただ事務的に、インプットされたこと
だけを、確実に処理するという認識があるはずだ。
しかし、人間には”感情”がある。そして今までの半生で各々、幾多の経験を積んできた。
プラスなもの、マイナスなもの、実にさまざま、たくさんあるだろう。
そういった、生まれ育った環境や、経験してきたものによって植えつけられた考え方を、
『パラダイム』と呼ぶ。
もし、今の自分のパラダイムが容量の小さいファミコンレベルなのであれば。
もし、今の自分のパラダイムに足を引っ張る何らかのマイナス感情があるのであれば。
それを綺麗にする。パソコンで言えば、”クリーンアップ”の作業をする必要があり、
そしてそれを人間で言うと、『パラダイム転換』と呼ぶことになるのだ。
簡単にいえば、
『今までの、子供じみてて、弱虫で、甘えが染み付いた低レベルな人間から、
勇敢で、責任感のある、器の大きい人間に生まれ変わる。』
ということなのだ。
今後仕事で行き詰った時、もしくは、自分の身の周りがいつまでも貧しい時。
このことを思い出し、『身の周りを豊かにするためにやるべきこと』をやってみたらいいだろう。
人の価値とその報酬の法則
『脳外科医』と、『マクドナルドの店員』で考えてみよう。
そもそも金銭的報酬(給料)とは、
『何時間働くか』ではなく
『どれだけの価値を付加できたか』ということで決まる。
『10時間デスクに座ってパソコンをいじっている』報酬に20万をもらっているんじゃない。
『10時間の間にどれだけそのパソコンを使って仕事をこなしたか』、
ということに報酬が払われている。
『給料泥棒』と呼ばれる人は、この意味を理解していない人のことを言う。
では、脳外科医とマクドナルドの店員、これは、はるかに脳外科医の方が
報酬がいいというのがわかる。
が、”脳外科医の方がすばらしい人間”なのだろうか?
かならずしもそんなことはない。
脳外科医の方が勤勉に働くか?
おそらくそんなことはないだろう。
脳外科医の方が頭がいいか?
それは誰にもわからない。
だが、ひとつだけはっきりしていることがある。
それは、『脳外科医の方がマクドナルドの店員よりはるかに多くの専門知識があり、
特定のノウハウをもっている』ということ。
脳外科医と同じことをできる人はきわめて少なく、その結果、脳外科医の方が
はるかに高い価値を認められているのだ。
だから、脳外科医はハンバーガーを焼いている人の10倍以上の報酬を得ているのだ。
もし自分の報酬が低いと思っているのであれば、それは『周りのせい』じゃない。
『自分の付加価値が低い』ということ以外にない。
この原則を無視して、自分の価値を上げようとせず、誰かのせいにしているようでは、
永遠に現状は変わらない。
ボアアップ、クリーンアップ、人の価値とその報酬の法則から、
レベルアップする向上心、メンテナンスする謙虚な心、冷静に俯瞰的に判断する客観。
これらを学び、戒め、現状で満足せず、さらなる高みに上り続けるべし。
『男』である以上。
by:一瀬雄治 (Yuji Ichise)
サルベージエンタープライズ株式会社代表取締役社長。
1983年、東京都生まれ。