浪費と消費と投資の話
2010年6月12日(土)16:03
【ニューヨーク時事】米オンライン競売大手イーベイでこのほど、
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏と昼食を共にできる権利
が慈善オークションに掛けられ、過去最高額となる262万6311ドル(約2億4000万円)で
落札された。
競売は6日夜に開始され、11日夜に締め切られた。
慈善オークションは毎年実施されており、今回で11回目。
米メディアによると、これまでの最高落札額は2008年に記録した約210万ドルだった。
落札者は最高7人を同席させることが可能で、
ニューヨーク市内のステーキハウス「スミス・アンド・ウォレンスキー」でバフェット氏と会食できる。
お金の使い方を大きく3つに分けると、
浪費、
消費、
投資、
ということになる。
この長者番付で、一時はビル・ゲイツを抜いて1位になったこともあるウォーレン・バフェットとの
昼食が、2億4千万円だということは、そのうちのどれに当てはまるだろうか。
無論、それだけの価値のある話や取引までこぎつけるだけの内容になっているのだとすれば、
これを支払った人間は、『投資』だと考えたのだ。
全世界にくまなく名をとどろかす超一流のアーティストの私物でも、
なかなかその額では落札されない。
それに見合う費用対効果の、確信があるのだ。
浪費を抑え、消費を見直し、投資を増やす。
これがお金の使い方の最適化の、最大の根本的考え方である。
だがそのためには、まず何が浪費で、何が消費で、何が投資にあたるのか、
それを自分自身が理解しなければならない。
酒やたばこをのまない人間から言わせれば無駄な浪費に思えるその嗜好的な消費も、
本人の何らかのバロメーターが最適化され、
有効な結果を生むことにつながるための投資だと考えるのであれば、
それは投資になり得ることもあるだろう。
だが、ただの刹那的な現実逃避の酒、タバコ、ドラッグ、ギャンブル、SEXなのであれば、
それは投資でもなんでもなく、ただの浪費である。
そしてもちろん、『その投資』については、その後の人生で一切の責任を負うことだ。
オーバードーズや病気で早死にしても、健全なコミュニティから煙たがられても、
それを死ぬまで貫き続けたら、それは浪費ではなく、
本人にとって必要不可欠だった、『投資』になるだろう。
だが、もし浪費をした人間も、その後、それを悔い改め、その後の人生の良い糧にし、
教訓とすることができたのであれば、
その浪費は、本人にとって"いい勉強になった"、投資だったということになる。
これを考えるときに決して間違ってはいけないのは、正当化をしないことだ。
公正な判断を、自分自身に下せる勇気と謙虚さがあるか、それが一番重要なのである。
決して『周りがそうだから』だとかいって言い訳し、あるいは道連れにし、
自分の人生の責任を転嫁してはならない。
どうせ散りゆくこの人生、
浪費を抑え、
消費を見直し、
的確な投資をして自己実現し、
悔いのない人生を生き貫きたいものだ。
by:一瀬雄治 (Yuji Ichise)
サルベージエンタープライズ株式会社代表取締役社長。
1983年、東京都生まれ。