ある特定の人は無意識に自分を『拷問』し続けているかもしれない。いや、し続けてしまっていると言っていいだろう。しかし普通、拷問と言うと泣き叫ぶほどきつく、辛い肉体的な刺激を与え、精神をも破壊することもあるほどの甚大なダメージを与えるものだが、そんなことを『無意識に』しているなんて、あまりあり得そうもない。それは一体どういうことだろうか。
『枕革命 ひと晩で体が変わる (講談社+α新書)』にはこうある。
合わない枕は拷問と同じ
(省略)そして、いちばん下部にある第七頸神経と第八頸神経は、指先にまで到達しています。とくに第八頸神経は、肘の内部にある細い骨の隙間を縫うようにして小指の先にまで伸びているため、圧迫を受けやすい構造にあります。朝起きるたびに小指がしびれているとか、なんとなく手がはれぼったい、手に力が入らないなどという場合にも、首の神経を圧迫していることが原因かもしれないのです。(中略)しかし、合わない枕で寝続ければ、いずれは誰にでも何らかのつらい症状が出てくる可能性はあるのです。なぜなら、合わない枕で眠るのは、首の骨にとって拷問も同じだからです。誰だって、ひどい拷問を受けたり、残虐な暴力行為にさらされれば、無意識のうちに防御姿勢をとるものでしょう。枕の拷問を受けたときも同じです。
誰だって、ひどい拷問を受けたり、残虐な暴力行為にさらされれば、無意識のうちに防御姿勢をとる。枕の拷問を受けたときも同じだ、と本にはある。つまり、合わない枕を使い続けている人は、自分の首の骨に拷問をし続けているのと同じことなのだ。そういう拷問をし続けていると、『肩こり、頭痛』等の症状に苦しむことになる。
睡眠の乱れによって起きる頭痛
寝不足 | 寝すぎ | |
---|---|---|
片頭痛 | ある | ある |
緊張型頭痛 | ある | ない |
合わない枕で寝て起こる頭痛は『緊張型頭痛』だ。肩や首の筋肉が長時間緊張状態を強いられていることが原因。同じように、寝不足で起こる緊張型頭痛も、ストレスの蓄積で筋緊張が高まることが原因だと考えられている。これらを予防・解決するためには、
ということが求められるのである。
実は、基本的には枕を使う必要はないと専門家は言っているのだ。例えば『肩こり・首痛は99%完治する―“緊張性頭痛”も“腕のしびれ”もあきらめなくていい!』にはこうある。
枕はどんなものを使うのがいいの?
A.基本的には『枕なし』で寝ることをおすすめします
私は肩こりや首こりを訴えられる患者さんには『枕なし』で寝てみることをおすすめしています。肩や首のこりの原因が『高い枕』にあることも少なくないからです。(中略)ですから、一度枕をはずして寝てみてください。それでこりや痛みが緩和されるなら、それまでの枕の高さが合っていなかったということ。寝る際の枕は、頸椎のカーブを少し助けてあげられる高さがあれば十分。本当は、バスタオルを三つ折りくらいにして頭の下に敷く程度の高さがちょうどよく、ほとんどなくてもいいくらいなのです。
詳しくは上記の記事にまとめたので、気になる人は見ておくといいだろう。寝具というものは、大体が生まれ育った環境に影響されてしまっているものだ。幼少期から使ってきた寝具や、ぬいぐるみなんかがあると落ち着いて寝られる。中には、自分の家の枕じゃなければ寝られないという人もいる。だからどこかに出かけるときは、枕を持ち歩くというのだ。
しかし実際には、もっといい睡眠環境というものがあるかもしれない。固定観念に支配されず、一度自分の生活習慣をすべて見直してみるといいだろう。今よりももっと快適なライフスタイルが待っているかもしれない。
参考文献