通勤や通学の帰りの電車で寝てはいけない。しかし、なぜ『帰りの電車』なのだろうか。『行きの電車やバス』ではいいのだろうか。それは一体なぜだろうか。特に帰りの電車となると、『疲れている、遠い(から電車に乗っている)』という理由で、その長時間の電車の中で少しでも仮眠を取り、疲れを癒したいと思うのは普通なのではないだろうか。
『疲れをとるなら帰りの電車で寝るのをやめなさい』にはこうある。
帰りの電車で寝てはいけないのはなぜ?
(省略)『大切なのは、最初に深い徐波睡眠が出てきて後半は浅くなっていく、メジャースリープ(まとまった睡眠)全体の構造を崩さないことです。短時間睡眠でも”深い眠り”は取れますが、問題は”浅い睡眠”がとれないことなんです。』脳や体の疲れを摂るには、『徐波睡眠』という深い不意眠だけではなく、睡眠の後半になって出てくる『浅睡眠(せんすいみん)』も必要なのだ。
深い睡眠。
浅い睡眠。
つまりこういうことだ。
睡眠というのは確かに短時間でも深い睡眠を得られるが、『浅睡眠+徐波睡眠』という良質な睡眠を得るためには、夜のメジャースリープをしっかり取りたいわけだ。しかし、帰りの電車で寝てしまうとその夜の本睡眠で『浅睡眠』が取れなくなってくる。実は、この浅睡眠は血圧や糖代謝等を改善するちゃんとした役割がある。だから、夜のメジャースリープを阻害するような中途半端な睡眠を多発させるのはあまりよくないということなのである。
それは以下の記事と一緒に考えることで、更に説得力が出てくるだろう。下記の記事では『20分以上の仮眠』が良くないということについて書いた。心筋梗塞で考えたとき、男性の場合、2時間以上になると13.6倍も死亡率が高くなっていたのである。
では、帰りの電車でも『20分』ならいいのではないか。いや、実は『時間帯』的に、夕方以降のこの時間に寝るのは推奨されない。本の場合は、『席が空いていても座らない方が良い』とさえ言っているくらいである。やはり昼寝とは違って、本睡眠に時間が近い『帰りの電車』というところが、このテーマのキーワードなのである。
- どうしても仮眠が必要なら会社や学校その他で『昼』にする
- 帰りの電車では本を読む
このあたりを押さえることがカギになるだろう。もちろん、漫画やゲームでも全然いいが、一流の人間を目指せば目指すほど、そういう回答をすることはない。私も『何も目指していない、何も目標がない時期』はその類の時間の過ごし方をよくしていたが、人生を前に進めるとその時間の使い方は間違っているということに気が付く。
『7つの習慣』に出てくる下記のマトリックスで考えるとわかりやすい。
(画像)
第一領域は、まるで『脅迫』だ。第三領域は、自分にとって本当に有意義だろうか。第四領域は、逆に言うとこれは『時間に支配されている』。それに反発しようとして、そこから逃げることで自由を得ている感覚になっているだけだからだ。
最も重要なのは『第二領域』。『タイムリミット』、『緊急性』、つまり『時間』に支配されない唯一の過ごし方。『時間』と最良の向き合い方をする『第二領域』を重視する人生。これが出来るかどうかが問われているのだ。主体的にこれを意識をしなければ、大勢の人や時の流れといった大きな河の流れから、抜け出すことは出来ない。
もちろんたまに漫画を読み、ゲームをするのは息抜きになる。しかし忘れてはならない。勉強して『使える人間』あるいは『一流』になれば報酬が上がり、漫画やゲームを含めた娯楽をいくらでも楽しめるようになるということを。
参考文献