いくつか質問があるんだけど、わかりやすく簡潔に教えて!
1.バーソロミュー・ディアスという人に続き、スペインから大きく航海した人です。
2.太陽が地球の周りを回っているのではなく、『地球が太陽の周りを回っている』と主張した人です。
3.初めて世界一周をした一行のリーダーです。
4.コペルニクスの説を強く支持した人です。
彼らが生きた『大航海時代』は、世界を繋げた時代でした。
それまで、『船や何かで海を渡って違う島に行く』ということをした人はいませんでした。ですから、まだまだこの時は地球が『平面』だと思っていたり、『地球の周りを太陽が回っている』、あるいは『地球が宇宙の真ん中である』という間違った考え方が蔓延していました。そこで、スペイン・ポルトガル人が先頭を切って船で海に出て、『一周出来たら地球が丸い証拠だ』という考え方を打ち出します。
という順番で航海を先に進めて、ついにマゼランの時には世界一周を成功させます。更に彼ら冒険者たちとは違う角度で、コペルニクス、ガリレオといった人物が『地球が球体であり、太陽の周りを地球が回っている』という事実を本格的に主張し始めます。これはあまりにも大きな出来事です。今までの考え方がすべて覆されたからです。このようなショッキングな出来事が、この時代を生きた哲学者たちにも大きな影響を与えます。
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上記の記事の続きだ。更にルネサンス時代、マキャベリと同じフィレンツェで生まれた重要な人物がいた。イタリアの物理学者、天文学者、哲学者である、ガリレオ・ガリレイである。
[ガリレオ・ガリレイ]
各人の誕生年
マキャベリ | 1469年 |
ガリレオ | 1564年 |
トマス・ホッブズ | 1588年 |
冒頭の記事で書いたトマス・ホッブズと、同じ地域で生まれたマキャベリのちょうど間に生まれた哲学者である。
上記の記事に書いたように、このルネサンス時代は人間がパラダイム転換を余儀なくされた。
コロンブスがアメリカ大陸を発見。『地球平面説』が覆される。
コペルニクスが『地動説』を唱える。
コロンブス | 1451年 |
コペルニクス | 1473年 |
マゼラン | 1480年 |
人々は懐疑的になっていた。混乱していたのだ。
一体何が真実なんだ!
価値観。考え方。
そこで登場するのがモンテーニュである。彼はその懐疑的な考え方の代表的な哲学者だった。彼については記事に書いたが、やはりこのように、急激なパラダイム転換を余儀なくされた人々の思想は、その時代の変化に追いつき、その中で生きていくために、柔軟な発想が求められた。
当時、『知識ある人々』によって信じられていたのは、『天動説』だった。ガリレオとコペルニクスが『地動説』を説くまでは、キリスト教で信じられていた『天動説』が常識だった。
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しかし真実は、『地動説』に近かったわけで、
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更には、地球も太陽も、宇宙の真ん中ではなかったのだ。しかし、この時代の人間は、『天動説を信じていた(間違った事実を、真実だと勘違いしていた)』のである。つまり、『植えついている現在の知識』は常に疑うべきであり、むしろ信用できるのは『現在の人間達は無知である』という考え方である。そうした考え方がモンテーニュの考え方の基本にもなっている。
先ほどの記事にはこう書いた。暗黒時代にあったのは、キリスト教が行っていた恐ろしい所業の数々である。
ガリレオは、この『宗教裁判』にかけられることになるのだ。なぜなら、キリスト教の教えを否定し、その権威を根底から揺るがそうとしたからだ。彼からしたら『ただ真実を言っただけ』なのに、厳しい弾圧を受けた。
しかし忘れてはならないのは上記の記事に書いた事実だ。ブルーノという修道僧は、このコペルニクスが提唱した地動説を熱烈に支持し、自分が正しいと信じる世界の考え方を広めようといたるところで講演をしたが、これは当時の法王の天動説的常識や、聖書の教えに著しくそむくものだと考えられたので、1600年2月17日、ローマのカムポ・ディ・フィオリという広場で、火あぶりにされた。ガリレオが宗教裁判にかけられたのは、この事件よりも16年も後だった。
[マゼラン]
彼らのような人間が登場したことにより、人々のパラダイムは大きく変わっていくことになる。彼らはただ『真実を明かしただけ』なのだが、それは虚像を盲信して安堵していた人々からすれば、驚異でしかなかったのだ。そしてブルーノは処刑され、ガリレオも宗教裁判にかけられた。彼が、
それでも地球は回っている。
と言ったかは定かではないが、このようにして人間は時間をかけて真実に近づいていくのである。アメリカの天才、バックミンスター・フラーに言わせれば、
神のみが完璧であり、まさしく真実そのものであることを感じる。それ以外の誤謬を徐々に排除していくことによって、われわれはこれまでより神に近づくことができるにすぎない。真実を愛することによって、われわれは神にもっとも近づくことができる。
ということなのである。
ここで言う『神とは『真理、真実』と解釈すればわかりやすい。
そしていよいよ哲学は『啓蒙主義』へと発展する。それは、『科学』が発展したからだ。ここで挙げたような人物たちの活躍で、依存しきっていた『神』への考え方が変わったからだった。まず最初に神話があり、そしてこれらの神話が各宗教の基礎になり、それに反発するような形で哲学が生み出されるようになった。
そして『科学』的知識が豊富になった。するとおのずと、人々の考え方が徐々に合理的になってくるのである。
無知な人民を啓発し、自らが合理的に判断するように導くこと。自分で考える主体性を持つように促すこと。
道理や論理にかなっているさま。
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参考文献