700万年前
地球の最初の人間は?わかりやすく簡潔に教えて!
猿っぽい人です。
2019年現在、700万年前の猿人の化石が見つかっています。
アダムとイブから始まったという『旧約聖書』的な話もあれば、中国神話にも同じように『泥からできた』話がありますが、そのシナリオを正当化すると、これらの事実と矛盾点が出てしまいます。700万年前にはすでに人間の祖先と考えられる化石が見つかっているので、まずはその事実を受け入れたいところですね。私の両親もクリスチャンだったので、色々と複雑な心境ではありますが。
上記の記事までに『神話、宗教、哲学』についての記事をまとめた。これらを見ることで人間が今までどのようにして思考を働かせてきたか、その輪郭が見えるようになる。そしてここからは『世界史』編だ。人間の歴史を一からひも解くことで、更に当サイトが『人間の専門サイト』に近づくことになるだろう。人間を語る以上は避けて通れないものは、避けない。
2012年の世界史の本には、
『400数十年前』にエチオピアのアファール盆地でラミダス猿人が二足直立歩行したところから始まる。
とある。しかし700万年前の骨が見つかったのは2008年の為、このときはすでに発見されているので、二足直立歩行をしたのはその時期だと考えられる。つまり、現在では700万年前の猿人の化石が見つかっているのである。この時の人類を化石を発見した解剖学者が『アウストラロピテクス(南の猿)』と名付けられた。
2012年の世界史の本 | ラミダス猿人が二足直立歩行したと記載 |
2008年 | すでに700万年前の化石が見つかっている |
Wikipediaにはこうある。
アルディピテクス属(学名:genus Ardipithecus)は、約580万- 約440万年前(新生代中新世末期[メッシニアン中期] – 鮮新世初期[ザンクリアン初期])のエチオピアに生息していた原始的な人類(猿人)の一種。 長らく最古の人類とされてきたアウストラロピテクス属より、いっそう古い時代の化石人類である。
身長120センチ、体重50キロ。Images:Science
場所はアフリカ大陸だ。『エリア別だから流れがつながる 世界史
氷河期と温暖な気候を繰り返す不安定な環境の中、生き延びるために火や道具を使う能力を手に入れた。
だが、『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 公立高校教師YouTuberが書いた
猿人の段階では、まだ脳の容積が小さく未発達なため(現在の人類の3分の1ほど)、『猿の惑星』に登場する猿たちとは遠い、まだ言語も火の使用も行われていませんでした。
そう考えると、前者は『700万年前から徐々にそういう風に進化していった』ということになり、後者は『700万年前となるとまだこの段階である』という説明をしているということになるだろう。つまり、まだこの時点では『猿の惑星』の猿たちよりも、更に『猿寄り』だったということになる。火も、言葉も、使えなかったのだ。
ここに出てきたのは、
だが、古いのはラミダス猿人である。先ほどWikipediaにあった『アルディピテクス属』のことだ。『長らく最古の人類とされてきたアウストラロピテクス属より、いっそう古い時代の化石人類である。 』とあったように、アウストラロピテクスよりも古い猿人が、このラミダス猿人なのである。
これは当然『神話』の世界で考えられた事実とは異なる真実だ。たとえば旧約聖書にはこうある。
中国神話はこうだ。下記の記事には『盤古』という巨人がやった、天地創造の神話が書かれているが、しかし、盤古は人間は作らなかった。人間を作ったのは、女神『ヤオグア』である。ヤオグアは女性だが、体が蛇でできていて、万物を創造する能力を持っていた。
アダムとイブの話が旧約聖書に書かれたのは、紀元前1300年頃の可能性が高く、この中国神話はそれよりも1500年も後に出てきた話だ。だがどちらにせよ人は、『どうなっているかわからないこと』は、自分の頭で想像するしかなかった。
地球平面説もそうだ。ソクラテス以前の哲学者はほとんどが地球平面説を維持していた。紀元前330年頃にアリストテレスが経験的見地から地球球体説を採用し、それ以降ヘレニズム時代以降まで地球球体説が徐々に広がり始めた。しかし、アレクサンダー大王は紀元前300年代、チンギス・ハーンは1200年代の人間であり、チンギス・ハーンともなるともうアリストテレスのそれから1000年以上経つのにまだ、
地球は平面である
と考えていたのである。人が『地球の果て』という言い方を未だにしてしまうのは、このときの名残である。
4頭の巨大な象の背中に乗っており、象はさらに大きな亀の背中に乗っているのはフィクションでよく想像された世界観である。
しかし、知識と経験が積み重なり、事実が明るみになっていくと、次第に真実の輪郭が浮かび上がってくるようになる。その一つが『化石』だ。こうした確固たる証拠を軸にしながら、人は徐々に闇がかった『実態の見えない部分』に光を当て、真実を知るようになるのだ。
例えば下記の記事を見てみよう。
キリスト教で考えられていた『天動説』をカトリック教会側が正式に認めたのは、つい最近なのだ。
間違いを認めると、今まで積み上げてきたものがすべて崩れてしまう
そうやって保守的に考えた結果、ブルーノは焼き殺され、ガリレオは裁判にかけられた。彼らさえいなければ、自分たちの基礎・土台が揺るがされることがないからだ。神は偉大だが、人間は間違えるのである。
2019年7月現在。今のところわかっている『最古の人類』は『700万年前』の『サヘラントロプス』だ。参考書の一つにはこの化石は『アウストラロピテクス』とあるが、もう一つの文献では『ラミダス猿人は、『長らく最古の人類とされてきたアウストラロピテクス属より、いっそう古い時代の化石人類である』とあるわけだから、ラミダス猿人が古い猿人だということになる。
しかし、『もっとも古い猿人』となると、『サヘラントロプス』だ。2008年に見つかった700万年前の化石はサヘラントロプスのものであり、今のところこれが『人類最古の種族』ということになっている。
サヘラントロプス | 約700万年前 |
ラミダス猿人 | 約400万年前 |
アウストラロピテクス | 約400~250万年前 |
そしてこのころはまだ『猿の惑星の猿』よりももっと『猿寄り』で、火も、言葉もつかえなかったのである。
だが、神話や宗教を信じ、進化論を認めない人もまだあきらめる必要はない。何しろ、『彼ら』がどのようにしてこの世に生まれたのか、それはまだ謎だからである。例えば、『宇宙について知っておくべき100のこと: インフォグラフィックスで学ぶ楽しいサイエンス
地球上のあらゆる生命は、宇宙から来たのかもしれない。地球上の最初の生物は、およそ36億年前に現れた。ちょうどそのころ、地球は小惑星からの『重爆撃』にさらされていたんだ。極限性微生物として知られる、ある種の生き物は、大気がない小惑星でも生き延びることができる。宇宙の至ところに生命が存在し、小惑星を通じて広がる、という理論をパンスペルミア説という。
このパンスペルミア説を考えたとき、
では一体その極限性微生物はどこから生まれたんだ?
という疑問が思い浮かぶわけだ。
突き詰めれば『宇宙の始まり』を考えることになる。バックミンスター・フラーの著書、『クリティカル・パス―宇宙船地球号のデザインサイエンス革命 』にはこうある。
宇宙は本質的に複雑で、永遠に再生的である。宇宙には『始まり』も『終わり』もあり得ない。かなりの科学者がこの始まりと終わりという誤った概念を発明するために、いまだに無駄な努力を費やしている。最小のものといえば、われわれには中性子と陽子があり、それらは電子と陽電子、ニュートリノと反ニュートリノなどとともにつねに共存し、また共存する形でしか存在しえない。単一の構成要素はなく、存在するのは唯一、複雑なシステムの集合体である。
スティーブン・ホーキングや最先端にいる高知能者たちは、『宇宙には始まりも終わりもない』という見解を出していて、その話をするとなるとさらに話が複雑化するので今回はここまでにするが、たとえこの宇宙に始まりも終わりもなく、ただ物理的な現象があるだけだという事実があったとしても、『この事実』を作ったのは誰なのか、『目に見えない法則』が存在するのはなぜなのか、ということを考えれば、人間には永久に解き明かせない謎があるという事実が見えてくるようになる。
ブラックボックスだ。そのブラックボックスの存在さえあれば、信仰心は揺るがされることはないだろう。
キルケゴールは言った。
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