ハニワくん
先生
文明が興る前の人間は何をしてたの?わかりやすく簡潔に教えて!
狩猟や採集をして生きていたのですが、紀元前5000年頃からは『農耕』を覚えて生活していました。
ハニワくん
博士
農耕が始まるのが紀元前5000年頃です。
それまでの人間は、狩猟・採集をして生活していました。60万年前くらいの『旧人』時代にはもう『戦闘』をした形跡があるので、生きるための狩猟採集はかなり前から行われていたと推測されます。しかし、『1万年前』という時期を皮切りに、人間の生活は大きく変わっていきます。氷河期が終わり、地球規模の温暖化が起きたのです。それによって動物が小型化し、魚介類や植物の種類が多くなると、弓矢や網を使用する狩猟・採集などの『獲得経済』の技術を高めていきました。
しかしそれとは逆に、大型獣が死滅し、それまでの狩猟・採集生活を続けることが困難になります。そして紀元前5000年前、つまり『7千年前』あたりから、徐々に人は『農耕社会』へと移るようになってきます。そこで人類は『生産経済』を知るようになります。獲物を追い求めて移動するよりも、農耕をするなどして自分たちで『生産』してしまったほうが効率的だということに気が付くわけですね。
博士
ハニワくん
先生
Contents|目次
氷河期の終わり
1万年前
猿人→原人→旧人→新人。長い時間をかけて人類は少しずつ現代人に近い姿に進化していく
上記の記事の続きだ。このようにして長い時間をかけて、ついに1万年前、氷河期が終わって地球で本格的な『温暖化』が始まる。ここが大きな分岐点だ。この温暖化によって、現代人に近いライフスタイルを構築し始めるようになってくるからだ。
上記の記事に書いたように、人間にとっての一番最初の宗教は『原始宗教』である。
原始時代、つまりあまり記録がない時代にあった宗教。
原始時代(狩猟採集時代) | 紀元前5000年以前 |
農耕社会(奴隷制社会) | 紀元前5000年~ |
原始宗教は、原始時代に生まれた。原始時代というのは『あまり記録がない時代』だから、紀元前5000年以前はすべて原始時代ということになる。狩猟・採集時代がいつから始まったかは定かではないが、火を使ったり、戦闘をし始めるのが当たり前になる旧人時代、つまり60万年前からあったと考えてもおかしくはない。
というか、普通に考えて生きていく必要があるのだから、『狩猟・採集』をする以外には選択肢はないわけだ。そう考えるともっと前からそれが行われていたとも考えられるが、やはり現代に時間が近づくにつれて、その輪郭はハッキリしてくるようになる。その一つの節目がこの『1万年前』ということだ。
新しい狩猟・採集(獲得経済)
温暖化が始まり、暮らしやすくなってきた。氷河期が終わるということで、その他の生命も活発化する。そうなれば当然、狩猟・採集も活発になる。『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 公立高校教師YouTuberが書いた』にはこうある。
温暖化によって動物が小型化し、魚介類や植物の種類が多くなると、弓矢や網を使用する狩猟・採集などの獲得経済の技術を高めていきました。
ちょうどこのあたりの時期が、人類が狩猟・採集を送っていた時期だということが判明しているのである。では、『温暖化によって動物が小型化した』というのはどういうことだろうか。『ビジュアル 世界史1000人(上巻)』にはこうある。
ところが多くの人類が居住していた北緯30度付近では地軸の傾きにより乾燥化が進み、北アフリカから西アジア、インド西北部、中国内陸部に広大な乾燥地帯が成立した。大型獣が死滅し、それまでの狩猟・採集生活を続けることが困難になる。
『温暖化によって動物が小型化した』理由は、乾燥地帯が増えたことによる『適者生存』だったようだ。
だが、『狩猟・採集生活を続けることが困難になる』と、『狩猟・採集などの獲得経済の技術を高めていった』という事実が挙げられているわけだ。ではそれはどういうことかというと、文章をちゃんと読むとわかるようになっている。
- それまでの狩猟・採集生活を続けることが困難になる。
- 弓矢や網を使用する狩猟・採集などの獲得経済の技術を高めていきました。
と書いてあるわけだ。
死滅した大型獣の中には、マンモスもいたかもしれない。マンモスは約400万年前から1万年前頃に生息していたと考えられているから、時期的にもちょうどいいのである。
映画 『紀元前1万年前』は、ちょうどそのあたりのことをイメージできるようになっている。狩猟として、マンモスを退治する人々の姿が描かれているからだ。
とにかくこのような狩猟・採集時代は、このあたりを境に大きく姿を変えるようになり、人々のライフスタイルも変わっていった。
農耕社会(生産経済)の始まり
冒頭で、農耕社会(奴隷制社会)が始まるのが紀元前5000年前あたりだとあるが、つまりそれは『7千年前』ということになる。そう。温暖化が始まり、3千年という更にとてつもない時間をかけて、徐々に人は『農耕社会』へと移るようになってくるのだ。
そこで人類は『生産経済』を知るようになる。獲物を追い求めて移動するよりも、農耕をするなどして自分たちで『生産』してしまったほうが効率的だということに気が付くのだ。
- 乾燥に強いムギ、アワなどの穀物
- ヒツジ、ウシ、ウマ
などが彼らの主食となっていった。
獲得経済 | 狩猟・採集 |
生産経済 | 農耕・牧畜 |
Wikipediaにはこうある。
牧畜の歴史は古く、農耕とならんで紀元前5000年頃、新石器時代の古代エジプトなどではすでに行われていた。狩猟も同じく動物を対象とするが、定常的に動物と接することになる牧畜とは文化的・技術的に大きな隔たりがある。最初に家畜化された動物はイヌであるが、牧畜のための最初の家畜はヤギやヒツジであると考えられている。牧畜に特化した犬を牧羊犬と言い、コリーやシェパードなどの品種がつくられている。
最初に家畜化された動物はイヌだが、最初の牧畜はヤギやヒツジだったと考えられている。このようにして人は、狩猟・採集生活から、農耕生活へとライフスタイルを変えていくようになるのである。
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