東大教授、池谷裕二氏の著書『単純な脳、複雑な「私」』にはこうある。
天然パーマはIQが低い!?
(省略)実はこれにも裏の事情があります。世界のある特定の地域に天然パーマが多い。(中略)そうではなくて、アフリカのいくつかの国々ではまだ政治的、経済的、文化的、あるいは環境的に恵まれていない地域もあって、十分な教育が受けられない人たちがいるんですね。そういうことです。
ということである。つまりこれも下記の記事同様、統計結果を淡々と読み上げただけであり、『天然パーマ=IQが低い』という図式が成り立つということはあり得ないのである。
その代わりずば抜けた運動能力を持つ人が生まれたりする。
統計結果を盲信してしまう人は多い。例えば、『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学 (光文社新書)』にはこうある。
日本人は、外国人から『口が臭くて残念な国民』と思われているのだ。一方で、多くの日本人は、そのことについて認識しておらず、対策ができていない。前出のオーラルプロテクトコンソーシアムによると、在日外国人の約7割が、『日本人の口臭にがっかりした経験』があり、『オーラルケアをもっと徹底してほしい』と願っていると回答している。そして、約4割は『2020年の東京オリンピックに向けて、日本人は口臭を改善すべき』と考えているようだ。せっかく『おもてなし』の心がオープンでも、お口をオープンすると口臭がプンプンでは、国際的なイメージダウンは免れない。
だが、この時に行われたのはアメリカ人60人、ヨーロッパ人40人と、日本人の男女600人で。しかし、『在日外国人に』ということなんだから、質問をしたのはこの100人の外国人だ。日本人は自分たちの口臭を認識していないということからもわかるように、この日本人600人は、この質問には関係していない。つまりこのアンケートは、
に聞いただけの結果であり、逆に日本人に外国人の口臭についてアンケートを取れば、違う統計結果が出るかもしれないわけだ。600人という数字が出ているから結構なアンケートのようにみえるが、その600人は日本人であり、日本人同士ではニオイにそこまで違和感を覚えないので、意味がないのである。
例えば以前『PRESIDENT』のアンケートで、『年収2000万円以上の人はNHKを好んで見ている』という統計結果があったが、往々にして給料が上がる高齢になるとNHKを見がちであるという事実も存在するので、NHKを見れば報酬が上がるという因果関係はないのである。
参考文献