私は潔癖症ではないが、綺麗好きである。その理由はハウスダストアレルギーを持っているからだ。だからほこりがあるとくしゃみが止まらないので、それを知ってからというものの、掃除をするようになった。そしてその綺麗な状態での生活は、以前とは比べ物にならないほど快適だったので、それ以来私は綺麗好きになったというわけだ。
そんな中、手を『アルコール除菌グッズ』で綺麗にするという選択肢が頭をよぎるわけである。ウェットティッシュのようなものを持ち歩いてもいいが、別にこのようなアルコール除菌グッズを持ち歩いてもいい。ジェルタイプのものであれば、少し手に出してスリスリすれば汚れが除菌できるので、清潔になって、安心できる。まず、普通の人ならこういう風に考えるはずである。
しかし、『シャンプーをやめると、髪が増える 抜け毛、薄毛、パサつきは“洗いすぎ”が原因だった!』にはこうある。
消毒液はナンセンス
最近、病院はもちろん、銀行や市役所や大手スーパーなど公共背施設の入り口にアルコールの消毒液が置かれています。これらの建物に入るたびに消毒液でシュッシュとしていたら、皮膚を傷めるばかりか、常在菌を減らし、そのせいで、得体のしれない菌がいっぱいついて、手は不潔このうえない状態になってしまいます。
確かにアルコール除菌グッズで『悪玉菌』は除菌することはできる。だが、実は皮膚には『善玉常在菌』という良い菌がいて、それがいわゆる『警備隊』の役割を担ってくれている。この常在菌がいるおかげで、悪い菌をやっつけてくれたりして、皮膚のバランスを整えているわけだ。
しかし、アルコールによって善玉菌、悪玉菌の両方の菌を殺してしまうと、皮膚の環境が悪化する可能性があるのである。
映画『ブレードランナー 2049』では、免疫不全のために無菌室で生活しつづける女性が登場する。
また、俳優の風間トオルは、幼少期に、雑草を食べ、洗濯機のお風呂で体を洗うような、そういう『極貧生活』の経験によって、途上国のドブを飲んでも何一つダメージを受けなかった。そして赤ん坊は、ハイハイをしながら床にあるほこりを吸い、免疫力をつけているという。
同じドブを飲んだスタッフは激しい腹痛を起こした。
つまり人間という生き物は、アランナ・コリンが2016年に書いた『あなたの身体は9割が細菌』というタイトルを見てもわかるように、『一人では生きていけない』のである。
腸内細菌を含めた、様々な『常在菌』とともに生きていて、それらが体のメンテナンスをしてくれていたりするからこそ、様々な外敵から身を守り、健康に生きていけるわけだ。それを、アルコール除菌で殺してしまうということは、せっかく長い時間をかけて資産を貯め、頑強な城を建て、そこに最高の警備システムを導入し、凄腕の警備員を配備してきたというのに、その警備員を無意味に射殺し、警備レベルを下げてしまうようなものなのである。
体臭、
口臭、
ニキビ、
薄毛、
これらすべての問題に、このアルコール除菌グッズは無関係ではないのである。中には『殺菌シャンプーは自殺行為と同じ』という専門家の意見もあるが、もしアルコールで頭皮を洗おうと思っている人がいるならば、直ちにその判断を改める必要がある。色々な意味で『アルコール』というものは『取り扱い方』を間違えてしまうと、大きな問題を引き起こしてしまうのようだ。
ただし、インフルエンザ、SARS、ノロウイルス等が蔓延している状況では有効となる。
※追記:したがって、2019年末から蔓延したコロナウイルスの対策として、世界中にアルコール消毒が浸透した。
参考文献