ハニワくん
先生
中国にも神話はある?わかりやすく簡潔に教えて!
あります。それで言うと人間は『粘土』で作られました。
ハニワくん
博士
どの地域にも独自の神話があります。
中国神話では、天地を創造したのは巨人の盤古(ばんこ)です。盤古は1万8千年経つと死を迎えます。彼の吐いた最後の息が『風、雲、霧』となり、声が『雷』となり、左目は『太陽』、右目は『月』になりました。髪の毛と眉毛は『星』になり…といった形で盤古のカラダが天地の様々な自然現象の大元になりました。人間を作ったのは、女神『ヤオグア』です。粘土で自分と似た形を作り、『人間』と命名します。
アダムとイブの話が旧約聖書にも『泥で人間のアダムを創造した』とあります。旧約聖書が書かれたのは、紀元前1300年頃の可能性が高く、この中国神話はそれよりも1500年も後に出てきた話だから、旧約聖書の影響を受けている考えられなくもないですね。
博士
ハニワくん
先生
Contents|目次
泥で作られる人間
韓国人は『熊』ではなく『虎』かもしれなかった?紀元前2370年にあった『はず』のお話
この韓国神話と同じように、中国にも神話がある。その前に見るべきなのは、以下の記事にある『旧約聖書とアダム』のシナリオだ。
神話から宗教へ移り変わったということは、旧約聖書は『神話』が根幹にある?
このあたりの話にもし違和感を覚える論理的思考を持つ人がいるなら、以下の記事を見るのが良い。
神話=『めちゃくちゃ(混沌)』。宗教=『きっちり(秩序)』の理由
中国神話の盤古(ばんこ)とヤオグア
さて、そのようにして泥でアダムが作られたわけだが、実は違う神話にも 『泥で作られた人間』の話が登場する。中国神話である。まず確認するべきなのは、中国神話では、
- 天地創造
- 人間創造
は違う神が行ったということである。先に説明しておこう。
天地創造 | 盤古(ばんこ) |
人間創造 | ヤオグア |
この天地を創造した盤古は、巨人である。
これが盤古という巨人がやった、天地創造の神話だ。しかし、盤古は人間は作らなかった。人間を作ったのは、女神『ヤオグア』である。ヤオグアは女性だが、体が蛇でできていて、万物を創造する能力を持っていた。
こうしてヤオグアは、人間を『泥』で作ったのである。この盤古の話が世に登場したのは、3世紀頃と言われている。下記の記事に書いたように、アダムとイブの話が旧約聖書に書かれたのは、紀元前1300年頃の可能性が高く、この中国神話はそれよりも1500年も後に出てきた話だから、旧約聖書の影響を受けている考えられなくもない。
神話から宗教へ移り変わったということは、旧約聖書は『神話』が根幹にある?
ただ、下記の記事あたりで考えたように、生きた環境が違うはずの人間が、似たような発想をした事実は確かに存在していて、この中国神話もそうして独自に創造されたと考えることもできる。
人間は土からできてから、最後も土に帰る(還る)。このような考え方が、中国人の思想の常識として植えついたのである。
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