ある日の『ちびまる子ちゃん』で訴えられたエッセンス(本質)には、非常に興味深いものがあった。
藤木君と、
山田君という、
まる子のクラスメイトの話である。
何を考えてもネガティブな方向にしか考えない藤木君。一方、何を考えてもポジティブに考える山田君。二人のやりとりはまるで、哲学的だった。
藤木は嘆いた。
占いで悪い運勢が出れば、それだけでまるでこの世の終わりのようにネガティブになってしまう。おみくじでまる子が吉、藤木が凶と出ると、まる子を羨み、自分を悲観視する。
そんなとき、偶然山田に出会う。山田は、いつものようにニコニコとしている。理由は、『お昼ごはんに大好きなカレーが出た』からである。そしてなんと、たまたまやっていたおみくじでは、山田は『大吉』だったというのだ。
そんな運のついている山田と行動すれば、運を分けてもらえるという占いを信じ、行動を共にする藤木。だが、山田が突然お腹の調子を悪くし、まる子達に公衆便所まで連れてってもらうハメに。
藤木は動揺する。
…大吉なんじゃないのか。やっぱり僕はついてない…
山田はすっきりした顔でトイレから出てくるが、その瞬間、山田の肩に、トリのふんが落ちてきた。
まる子や藤木は青ざめる。だが、山田はやけに嬉しそうな顔をしている。なぜなら、山田は、その鳥が見たことのない珍しい鳥だということに気づいたからだ。
藤木は言った。
それに山田はこう答えたのだ。
まる子とたまちゃんはそんな山田を見て感動し、藤木をたしなめる。山田を見習えと。
山田達はその後、駄菓子屋でまたおみくじをすることになった。山田はなんと、2等賞をだし、大量のお菓子をゲットした。
藤木はそれを見て思った。
山田君は、自分の身に不幸なことが起こってもめげずに、前向きに生きている…。僕も前を向けば、いいことあるのかなあ!
そして藤木もおみくじを引いた。すると、なんと1等賞が出たのだ!
まる子達は、『よかったね藤木!』と喜んでいたが、次の瞬間、景品が、巨大鉛筆だということを知った直後、藤木は、
と言ったのだ。そこでおなじみのナレーション。
もう藤木は何をしてもネガティブなんだと思ったまる子たちであった。
で、話が終わる。
こういう話のとき、何度でも引用するつもりの言葉がこれだ。
『刑務所の鉄格子の間から、二人の男が外を見た。一人は泥を眺め、一人は星を眺めた。』