インドにも神話はある?わかりやすく簡潔に教えて!
あります。ヒンズー教の元になる神話ですね。
どの地域にも独自の神話があります。
インド神話は、ヴェーダ神話(アーリア系)とヒンズー教神話(ドラビダ系、インド系)があります。『北方から侵略してきたアーリア人』は、ヴェーダ神話を信じていて、そこには現在の『カースト制度』の考え方も元になる考えがありました。いずれこれらの神話が一つになり、『ヒンズー教』という一つの宗教になると、『カースト制度』という『身分差別』の発想がインド全体に根付いてしまいました。その点で、インド神話は少し厄介な物語と言えます。しかし、インド神話にもいい点はありますから、多くのインド人がこのヒンズー教を信じて生きているのです。
上記の記事で韓国神話、中国神話、日本神話について考えてきたが、今度はインドの神話である。インドというのは、
このような様々な人が混じってできている国であり、その文化も複雑である。であるからしてここにある神話も、
という形で様々な神話が混じって、それらが複雑に絡み合い作られていく。
しかし、インドの神話は大きく分けて2つに分けられる。それが、
の2つである。ヴェーダというのは『知識、宗教的知識』という意味で、現在4種類のヴェーダが残っている。
アタルバヴェーダ | 災いの免除などを願う呪術 |
リグヴェーダ | 神々を祭祀の場に呼び込む請願 |
サマヴェーダ | 祭祀の時、神々に捧げる |
ヤジュルヴェーダ | 祭祀の進行 |
ヴェーダ神話には数え切れないくらいの神々が存在するが、もっとも有名で重要な神は雷神『インドラ』である。
インドラの特徴はこうだ。
このような伝説を持つインドラは、アーリア人の圧倒的な神としてたたえられていた。しかしインドはアーリア人だけが生活しているわけではないので、ヒンズー教的な神話もここに介入してきて、インドラは『神々の一人』として数えられていく。
ヒンズー教神話の主な神は、以下の3神である。
ヒンズー教神話
創造の神 | ブラマ |
維持の神 | ビシュヌ |
破壊の神 | シヴァ |
彼らは3つの様相をしているが、実際には1つの存在であり、キリスト教の『三位一体』と似た『三神一体』とされている。『ドラゴンボール』にも『破壊神ビルス』という相当な腕前のキャラクターが登場するが、
一番人気なのは慈悲深い愛の化身でもある『ビシュヌ』である。このビシュヌは様々な異なる形で人間の前に登場する。その姿は亀、猪、ライオン等、多岐にわたり、実に22のパターンが存在するという。
また、下記の記事で『なぜ世界の終末は洪水が多いのか』について書いたが、ヒンズー教神話にも同じように洪水の話が存在している。
ヒンズー教神話では、仏教の始祖である『ブッダ(釈迦)』も、ビシュヌが変身した姿だということになっている。
インドでは神話を『スリムドゥバガバタム』と呼ぶがそのうち『バ(Bhā)』は『太陽』という意味。日本の天照大御神も『太陽神』の位置づけだが、どこの世界を見てもやはり太陽の存在は大きく、神話の世界にも大きな影響を与えているのがわかる。
いわゆる『クリスマス』である12月25日は、イエス・キリストの降誕(誕生)を祝う祭である。だがこの12月25日は異教の『太陽の祭日』だったという説もある。それをキリストの誕生日にしたという説だ。
『世界の神話 神話の生成と各地の神話。神々と英雄の活躍』にはこうある。
インドの神話は物質万能の思想に染まった現代人に、人生とは何かを自問させる貴重な機会を提供してくれるだろう。
しかしこれが『北方から侵略してきたアーリア人』の影響と、ヒンズー教へと変わっていくと、『カースト制度』という最悪の負の連鎖が始まることで、その階級次第で好きな神が変わっていってしまう。『破壊神』を求める人間が増えてくるのだ。それは一体なぜか。それについては、ヒンズー教の記事に書こう。
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