イラク・イランにも神話はある?わかりやすく簡潔に教えて!
あります。イラクは『メソポタミア神話』で、イランは『ペルシャ神話』ですね。
どの地域にも独自の神話があります。
現在の『イラク近辺』にはメソポタミア神話がありました。その主神は『マルドゥク(アシュル)』です。現在の『イラン周辺』にはペルシャ神話がありました。その主神は『アフラ・マツダ』です。それぞれに物語がありますが、特に注目するべきなのはペルシャ神話です。その話の中で、アブラハムの宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)にも影響するゾロアスター教の創始者『ゾロアスター』が誕生します。ゾロアスターの死後1000年毎に救世主が出現し、救世主はこの世を悪から救いました。
そして最後の救世主は『乙女』から生まれると予言されました。それは『イエス・キリスト』のことでした。この世界に莫大な影響を与えた人物の話が、このペルシャ神話と関係しているのです。
上記の記事で韓国神話、中国神話、日本神話、インド神話について考えてきたが、今度はメソポタミアとペルシャの神話である。『メソポタミア文明』というのは誰もが一度は聞いたことがあるはずだが、『人類最初の巨大文明』だ。それくらい重要だからこそ、皆の頭の中に焼き付いているのである。『これくらいは覚えておく必要がある』ということだったわけだ。
以下の2つの国家をメソポタミアと呼ぶ。
メソポタミア
場所的には現在の『イラク近辺』である。そしてピラミッドがある、ナイル川の近くの場所あたりでできた文明が『エジプト文明』であり、モーセが活躍した舞台と同じである。それよりも地図上では少し右のほうだ。
世界四大文明は以下の通りだが、
そのうち、メソポタミア文明はイラクとイランの間あたり、エジプト文明はエジプトあたりとなっている。
このメソポタミアにも様々な『神々』がいたが、その主神は『マルドゥク(アシュル)』である。
メソポタミアの神々の王
マルドゥク | バビロニアでの呼び名 |
アシュル | アッシリアでの呼び名 |
この『アン、キ、エンキ』の前にも神々がいたのだが、それは『怪獣の姿』をしていた。その怪獣の神『アプス』は、新しい神であるエンキらを殺そうとしたが、逆にエンキに殺された。その妻に当たるもう一人の神『ティアマト』は、怒り狂うが、マルドゥクがそれら『復讐組』を成敗。そしてティアマトの体を真っ二つに切り、その上半身で天、下半身で地を作った。そしてその『復讐組』を殺した時の血で人間を作った。
しかし、ペルシャ神話の最高神は下記の記事にも登場した『アフラ・マツダ(アフラ・マズダー)』である。『マツダ』という名前なので、日本人かと思うかもしれないが、それとは無関係である。ゾロアスターは、アブラハムの宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)にとっても重要な存在となるわけだが、彼が始めたこの『ゾロアスター教』でまつる全知全能の神が、このアフラ・マツダである。
ペルシャは先ほどの地図で言うと、『イラン』方向にある。つまり、イラクとイランでは、大元になる神が違うのだ。
各地域の神話と神
イラク | メソポタミア神話 | マルドゥク |
イラン | ペルシャ神話 | アフラ・マツダ |
下記の記事で、民族のルーツに神がいるという話をしたが、イラクとイランはこのようにしてルーツとなる神が違うので、現在でも仲が悪いのである。
では、このアフラ・マツダの話をまとめてみよう。
これらの神話は、徐々にユダヤ神話へと影響を与えていくことになる。
さて、勘のいい人ならここで出てきた『乙女から生まれる最後の救世主』の存在が誰か、もうわかっただろう。イエス・キリストである。
下記の記事では、
イザヤ書が、乙女をさすヘブライ語『almah』を、処女を意味するギリシャ語『parthenos』に変えてしまったことである。簡単におかしてしまうまちがいだがこの一人の翻訳者の誤りが大きく膨らんで、イエスの母親が処女だったというまるっきり馬鹿げた伝説を生むことになる。
という衝撃的な『翻訳ミス』の話を参考文献から引用したが、今回参考にした『違う参考書』にも、処女ではなく『乙女』とはっきりと書いてあるのである。
これが世界最初の文明、メソポタミア文明にあったメソポタミアの神々の王『マルドゥク』と、お隣、ペルシャの絶対神『アフラ・マツダ』の伝説だ。そしてこのアフラ・マツダはゾロアスター教の神でもあり、そしてそのゾロアスター教がアブラハムの宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)へと影響を与えていく。
該当する年表