ユダヤ教の創始者は『アブラハム』?『モーセ』?わかりやすく簡潔に教えて!
ユダヤ教は、モーセが十戒を石板に刻んだところから始まるので、モーセです。
ユダヤ教の創始者を明言している文献をまだ見ていません。
アブラハムというのは、ノアの洪水後、神による人類救済の出発点として選ばれ祝福された最初の預言者の立ち位置にいて、『信仰の父』とも呼ばれています。紀元前1300年頃に生きたモーセの前にもユダヤ民族はいて、
等が存在します。ユダヤ民族はセム族の一グループで、紀元前2000年頃歴史の舞台に登場します。しかし、こと『ユダヤ教の創始者』となるとモーセが十戒を石板に刻んだ1300年頃のここがユダヤ教の始まりと言われていることから、モーセと考えるのが妥当でしょう。『ユダヤ教の創始者はモーセだ』と明言する文献をあまり見かけないのは、
ということで、このあたりが少し複雑なので、『長年続いたユダヤ民族の思想リレーが、モーセの代の時に『ユダヤ教』という一つの形となってまとまった』、あるいは『ユダヤ教の創始者はモーセであり、ユダヤ人にとっての最重要先祖がアブラハム』と解釈しておけばほぼ間違いないでしょう。ユダヤ思想は『神との契約』でもあり、神との契約を守るならユダヤ教徒になることができるとされていますから、『神(ヤハウェ)』が創始者と考えている人もいるかもしれません。
Contents|目次
上記の記事までにまとめたように、原始宗教から古代宗教へ、そして古代宗教から世界宗教が生まれるようになる。まずは、ユダヤ教だ。ユダヤ教で最も偉大な先祖は『アブラハム』である。紀元前1700年頃の人物だ。ユダヤ教はキリスト教やイスラム教の元になる宗教だから、これら3つの宗教は『アブラハムの宗教』と言われている。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教。
しかし、この前には『創世記』や『ノアの箱舟』等の話がある。
では、その旧約聖書の『創世記』には、この世界がどのように作られたと書かれているのか見てみよう。
先ほどの『ノア約束の船』では、このイメージを分かりやすく映像化している映像がある。
これがアブラハムが誕生する前に存在した、旧約聖書、つまりユダヤ教で言い伝えられている伝説であり、神話だ。(旧約聖書自体がが書かれた時代は、以下のとおりである)
旧約聖書とは
いつ書かれたか | およそ紀元前1300年頃~。 |
最初の記者 | モーセ。 |
ユダヤ人にとって | 唯一の正典であり、現在も行動を律する文字通りの法である。 |
キリスト教徒にとって | イエス・キリストの出現を約束する救済史として読む。 |
「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい。そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。あなたの名は祝福となる。あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地上の全ての民族は、あなたによって祝福される。— 旧約聖書『創世記』12:1-3
神にひとり子イサクを捧げようとするアブラハムと、それを制止する天使。 レンブラント『アブラハムとイサク』、1634年。
モーセの話を理解するためには、映画『エクソダス:神と王』を観るのが早い。本家からはクレームが色々あったようだが、概要をイメージするにはちょうどいいだろう。
『モーセの十戒』が作られたのは、紀元前1280年頃だ。
[モーセの十戒(レンブラントの絵画)]
※モーセの十戒。ここには異なった訳を入れて11個掲載。
アブラハムというのは、ノアの洪水後、神による人類救済の出発点として選ばれ祝福された最初の預言者の立ち位置にいて、『信仰の父』とも呼ばれている。しかし、こと『ユダヤ教の創始者』となるとモーセが十戒を石板に刻んだ1300年頃のここがユダヤ教の始まりと言われていることから、モーセと考えるのが妥当だろう。
しかし、アブラハムの宗教と言うぐらいだから、『信仰の父アブラハム』がこの三つの宗教の祖として存在していて、神の祝福も律法(戒律)も彼から始まるとされている。ただ、
として、『五大預言者』の一人に数えられていることから考えるに、ここに登場する5人は、ほぼ『同格』という見方もある。
[神の使いを迎えるアブラハム(『創世記』第18章)。ドレ画]
いくつかの専門書にも『誰がユダヤ教の創始者』かは明言されていない。ということで、ユダヤ教の創始者は『モーセ』であり、ユダヤ人にとっての最重要先祖が『アブラハム』と言っておくのが妥当だろう。ちなみに私は以下の記事で、『モーセが割った海』の正体について、一つの可能性を言及している。他で見ることができない、完全なオリジナルの見解だ。つじつまもあっている。
ヒントとなるキーワードはいくつかあるが、そのうちの一つは以下の記事である。
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参考文献