学力と睡眠時間に関係はある?一夜漬けは効果ある?
学力の定義の問題もありますが、どちらにせよ睡眠は非常に重要です。
また、一夜漬けはあまりにも古い方法で、『水を飲まない運動』や『うさぎ跳び』に似ていますね。つまり非合理的です。人間の脳は睡眠によって記憶に定着させますので、睡眠をしないで一夜漬けでテストに臨むことは非合理的なのです。ですから、嫌なことがあったらなかなか眠れないのは、自己防衛本能として『その記憶を定着させたくない』と判断するからなのです。
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睡眠と学力ということで言えば、真っ先に思い浮かぶのが『徹夜で試験を受ける』という例の習慣についてではないでしょうか。多くの人は、せっかく試験の前に勉強をして覚えたのに、寝てしまったらそれを忘れてしまうからということで、徹夜をした方がいい結果を出せると勘違いしてしまっています。しかし実際はそうではないのです。
『脳も体も冴えわたる1分仮眠法』にはこうあります。
『一夜漬け』の記憶は長続きしない
『寝る前に勉強すると記憶が定着しやすい』と先ほどお伝えしました。これは見方を変えるとこうも言えます。『せっかく覚えても睡眠を取らないとすぐに忘れてしまう』
つまり私たちのん記憶は繰り返すこと、そして眠ることによっていつでも使える『記憶』として脳にしっかりと保存されるのです。(中略)一夜漬けで覚えたことは数日経つとほとんど忘れてしまいます。なぜなら繰り返す回数が少ない上に、覚えたことが『睡眠』という国の整理作業を通過していないからです。
つまりイメージはこうです。
人の記憶は『何度も寝る』ことによって定着していきます。寝ている間に人の脳は『いる情報』と『いらない情報』の整理作業をしますから、その作業を何度も繰り返すことによって、脳に記憶が定着するようになるのです。さしずめ、
ふむ。これだけ毎日頭に入ってくるということは、これは『いる情報』か。
と脳が判断するのでしょう。たとえ一度で頭に入らなくても、何度も何度も頭に入れることによってその記憶が定着するのです。例えば、自転車や自動車の運転を思い出してみましょう。あれは最初、確かに乗り方を知りません。しかし、何度も転倒したり、あるいは教官に教えてもらったりして感覚をつかんでくると、次第に一人でも、補助輪なしでも、教官なしでも、運転できるようになります。
この『人間の仕組み』を理解することが学力を高めるためにまず必要なことです。また、『学力』には解釈が色々ありますが、『この仕組み』が『ある』のに、それを知らないで徹夜してしまっている人のことは『学力がある人』と言えるでしょうか。言えるのであればそれでいいのですが、私はそうは思えません。『学力がある人』について考えるためには、避けて通れないことがあります。まずは『人間の仕組み』を理解すること。それが本当の『学力のある人』のすべき行動なのではないでしょうか。
日本の哲学者、安岡正篤は言いました。
『論語の活学』という本があります。これは、安岡正篤が書いた本ですが、『論語読みの論語知らず』で終わってはいけないということで、『論語を自分のものにする』、つまり『活学』を教えてくれる本です。
例えば、『論語を読んでいる人』がいるとします。しかしその人は『論語読みの論語知らず』、つまり、『読んでいるとは言うが、全く論語に書いてある内容を実践していない』わけです。一見すると、試験に合格して名門大学に入り、偏差値やIQが高い人間のように見えても、実際のところで『肝心の部分』を理解しておらず、『人間力』が低い。
例えば、『官僚の傲慢』はどうでしょうか。官僚の人たちを一辺倒にそう切り捨てることは間違いですが、往々にしてそういうエリートには傲岸不遜に陥る人が多い。これは、あの日本航空の話です。あの、JALこと日本航空が破綻したとき、その再建を担うことになった経営の神、稲盛和夫は、JALの大企業病と、傲岸不遜に陥った幹部連中の態度にカツを入れました。
患部の人たちは皆高学歴で、いわゆるエリートでした。彼らは最初、外部から来た稲盛が気に食わなかったらしいのです。しかし、その高慢に満ち溢れた彼らの態度を見て、あの仏の様な稲盛が、会議室でそう怒鳴り散らしたというのだから、よほど彼らの心は腐敗していたのだでしょう。だからこそ、稲盛さんがそこに呼ばれたのです。
そして稲盛さんは、腐敗しきったJALの幹部を筆頭とした、社員一人一人に魂を吹き込み、そして企業は息を吹き返しました。『アメーバ経営』、そして『稲盛フィロソフィ』の導入です。『アメーバ経営』とは、大企業の圧倒的な規模に生まれる隙を無くすために、部署ごとの『細部』を、企業を構成する『一つの細胞』だと考えて、その細胞に、主体性を与えて、管理させるということ。これによって、細部が活性化され、結果として全体の息が吹きかえったのです。『1円を笑う者は1円に泣く』と言うが、『細部を軽んじる者は大局を見誤る』わけですね。
『稲盛フィロソフィ』というのは稲盛さんが京セラで培ってきた経営哲学。仕事をしていくうえで意識すべきこととは何か。そういう基礎中の基礎、つまり『人間力』を磨くための勉強です。例えば、日本航空の社員はエレベーターを使っていました。しかし稲盛さんは、『そんなものいらないだろう』と言って、階段を使わせました。それによって無駄な経費を削減させ、そして社員たちの心から傲岸不遜さが減少していきます。謙虚になり、奉仕の心が芽生えます。するといずれそれがお客に伝わって、信頼を勝ち得るのです。
このテコ入れによって、破綻した日本航空は黒字化に成功しただけではありません。『V字回復』したのです。つまり売り上げが2倍近くに跳ね上がった。一度破綻し、組織の細胞まで腐敗していた企業をここまで回復させた稲盛さんは、まさに現代の『経営の神』の称号に相応しいのです。松下幸之助さんから知を受け継いだ彼には、知識を生かすだけの『人間力』がありました。
では、自分に『人間力』はどれだけあるでしょうか。そういうことを考えてからこのテーマを考える必要があります。『学力』という言葉の中にはしっかりと『活学』という意味も含まれているか。知識を自分のものにし、いざという時にそれを使えないのであれば、それは『知らないことと同じ』だということです。見るべきなのは以下の記事です。
きちんとこのページを見ない人もいるでしょうから、記事からいくつかの『説得力のある言葉』を抜粋しましょう。
イエローハット創業者、鍵山秀三郎は言いました。
共和政ローマの哲学者、キケロは言いました。
中国の哲学者、司馬遷は言いました。
更に同じような言葉を見たいなら最初の記事を読んでください。このように、多くの偉人たちはこうした『真理を知る』からこそ『偉人』なのです。これが、知識だけあっても偉人になれないエリートたちが大勢いる理由のヒントですね。
記憶にはいくつかの種類があります。
『脳とカラダの不思議 (にちぶんMOOK)』にはこうあります。
体で覚えた記憶と頭で覚えた記憶の違い
見たり、聞いたりしたことを脳の引き出しに保存することを記憶と呼ぶ。記憶にはさまざまな種類があるが、まず大きく二つに分けてみよう。それが手続き記憶と陳述記憶だ。
実は先ほど『自転車の運転』等の話をしましたが、あれは正確には『試験前に勉強すること』とは少し記憶のジャンルが違います。
言葉や文字であらわすことができる、頭で覚える記憶のこと。手続き記憶とことなり、いつの間にか忘れてしまうことが多い。
楽器の演奏や自動車・自転車の運転、スポーツなど、体で覚える記憶のこと。一度覚えると一生忘れることがない。
それらは『手続き記憶』と言って、もともと一度覚えたら一生忘れないという特性があるのです。ですから世間一般の人がすぐに考え付く『学力』というのは、『試験に合格するための力』という解釈が多いですから、こうした手続き記憶については、別で考えた方がいいかもしれません。
ただ、これだって『学ぶ力』が必要になりますからね。スポーツやそうした競技、楽器の演奏でも人によってそのパフォーマンスには差が出るわけです。また、『一度覚えたら忘れない』と言いますが、まず何よりも覚えるのが大変です。そうじゃなかったら演奏家もアスリートも大したことない存在になりますからね。しかし彼らはとても偉大な存在です。人がそう簡単にはできないことをやってのけます。毎日毎日血のにじむ努力を積み重ね、その境地にたどり着いているのです。たとえ彼らに『テストで高い点を取る技術』がなくても、私は彼らを『学力のない人』とは言えません。
覚えたことを脳に定着させるためには、いくつかのポイントを押さえるとより効率的にできます。
『疲れをとるなら帰りの電車で寝るのをやめなさい』にはこうあります。
記憶力がアップするゴールデンタイムを活用しよう
学生時代、試験前はいつも一夜漬けだったという人も多いだろう。若さもあって瞬発力でどうにか切り抜けたものの、試験が終わったら、せっかく寝ずに覚えた内容もほとんど忘れていた…なんて経験はないだろうか。(中略)『覚えたことを脳に定着させる方法は3つあります。まずは、何度も繰り返し学習すること。次に、感情を伴って記憶すること。すごくびっくりしたり、うれしかったり、怖かったりしたことは嫌でも覚えていますよね。そして最後が、睡眠をうまく活用することです』
そもそも睡眠の目的は体と脳を休めることだが、それに加え、その日に覚えたことを整理し、記憶として強化する働きもあるという。『覚えた後にしっかり睡眠を取ることで、脳に記憶を”焼き付ける”ことができるのです。』
この『睡眠と記憶』の話は、睡眠の専門家からしたら常識的な話です。これを理解する能力も当然『学力』になりますね。 ですから、まず『一夜漬けでテストに臨みたい』という人がいるのであれば、その間違いを正すことから始めましょう。
さて、『勉強のゴールデンタイム』はいつでしょうか。答えは『就寝1~2時間前』です。朝起きたあとすぐだと『睡眠慣性』というものが働き、まだ完全に覚醒しきれていません。ですからこの時間は『単純な入力作業』や『メールの確認』のような、あまり脳をフル稼働させる必要がないことをやるのに適しています。
大体2時間くらい経つと眠気は消えると言われていますから、例えば朝4時に起きて、その間に散歩や食事、瞑想等を済ませる人などは、もう7時から勉強しても問題ないでしょう。ですから、『朝がNG』ということではないのです。睡眠慣性を引きずったまま勉強するのは効率が悪いということですね。
同じように『午後昼過ぎ』も眠気が関係しています。ただ、よく言われている『昼食のせい』という理由は、確実な情報ではありません。『脳も体も冴えわたる1分仮眠法』にはこうあります。
昼食後に眠くなる本当の理由
『食後に眠くなるのは、食べたものを消化吸収するために胃や腸に血液が集まり、その分、脳への血流が減るから。脳に十分な血液がいかず、その分、脳の働きが弱くなり眠くなる』
このような説もありますが、これは一部はあっていますが、一部は違います。たしかに胃や腸などの消化器官の血流量は、通常の1.5~2倍程度に増えます。ただし、脳の血流量にはそれほど変化が見られません。
脳の血流自体は通常通りなのです。しかし、そのあとに、消化吸収を促進するために胃や腸に血液を集める必要があり、その時に脳の働きが低下します。
まずはこのように、『昼食によって』という考え方が一つあります。しかし、ではなぜ『昼食だけ』眠くなるのでしょうか。その他の食後でそこまで眠くなるということもありません。『脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠』にはこうあります。
昼食を摂らなくても昼間は眠くなる
(省略)また、昼ご飯を食べなくても、あるいは1日に数回に分けて食事をしても、午後2時から4時頃には眠気に襲われます。私たちの眠気を決めているのは『睡眠物質』と『体内時計』です。特に昼間の眠気は、体内時計が主な原因になっています。人の体にあるほとんどすべての細胞には、体内時計が組み込まれています。この体内時計のリズムによって、眠気だけでなく体温や血圧、脈拍、ホルモンの分泌、免疫などがコントロールされています。
実は、昼間に眠くなるのはこの『体内時計』が関係しているからです。そして、この体内時計による眠気のピークは、
の順番で訪れます。深夜の眠気には劣りますが、その半分くらいの眠気が昼間に襲ってきて、眠くなるのです。それにはサーカセメディアンリズムと呼ばれる体内時計が関係していたんですね。ですから本当はこの時間に『20分ほどの仮眠』をとることで一日を快活に過ごせます。勘のいい企業はそれに気づいていて、マッサージチェアーでアイマスクをしながら仮眠をする、という行為を推奨したりしています。このあたりのことについては、下記の記事に詳しく書きました。
ですから、『午後昼過ぎ』というのも勉強のゴールデンタイムとは言えないということです。両方とも眠気が関係しているからですね。
ということで勉強のゴールデンタイムは『就寝1~2時間前』ということになります。『疲れをとるなら帰りの電車で寝るのをやめなさい』にはこうあります。
就寝1~2時間前が自分磨きのゴールデンタイム
(省略)『1日の中で一番眠気が少なく、脳が活性化されるのは夕方から夜にかけてで、特に就寝の1~2時間前は(晩酌を控えれば)最も脳の高次処理に適した時間帯。生体リズムからいうと、本当はこの時間こそが仕事や学習に向いています。もちろん、損後にしっかり眠ることで、覚えたことも記憶として定着しやすくなります。』
もちろん、睡眠をしっかりととることが前提ですね。このような勉強のゴールデンタイムを意識しながら、効率よく勉強をし、そして『睡眠』をとることで、勉強ははかどっていくでしょう。
更にそうした睡眠不足の状態が悪影響を与える話はまだまだあります。
『脳も体も冴えわたる1分仮眠法』にはこうあります。
睡眠が不足すると脳は壊れてしまう
睡眠には『解毒』の効果もあります。夜眠ることによって、日中の活動がたまった老廃物をリサイクルしたり、排出したりするのです。脳が活動すると体内に『アデノシン』と呼ばれる『睡眠物質』がたまっていきます。睡眠物質がたまり、ある一定の量を超えると、私たちは眠くなります。アデノシンは体内で『アデノシン三リン酸』というエネルギーに再合成されるのですが、それがもっとも活発に行われるのが眠っているときなのです。ですから、睡眠を取らないかぎり、アデノシンは体内に増え続けます。するとどうなるでしょうか。アデノシンなどの睡眠物質が十分にリサイクルされず、脳細胞が正常に活動できなくなってきます。脳が正常に働かないと、頭の働きは集中力も途切れがちになり、記憶力も低下します。いわゆる『頭が働かない』状態になってしまうのです。
つまりこういうことです。
単純に考えて『眠くなると集中力切れる』わけですが、実際にもこうした事情によって、睡眠不足で『頭が働かない』状態になるんですね。ですから、いくら一夜漬けで頭に詰め込んでも、こういう状態でテストに臨むのは、いささか賢明ではありません。やはり、睡眠というものは『正確に使いこなす』ことが重要で、つまり最適化を求められるわけですね。
こういう話もあります。『脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠』にはこうあります。
ひらめきやアイディアは『仮眠』から生まれる!
発明王のトーマス・エジソンは、眠ることが嫌いでした。『眠るやつは馬鹿だ、みんな眠りすぎだ』と言って、夜は3~4時間しか眠らかったのです。ところがエジソンは仮眠キングでもありました。彼ほど上手に仮眠を取っていた人はいません。仮眠こそが彼のアイディアの源泉だったのです。実際に行き詰まると彼は、その問題についてよく考えながら短い仮眠を取りました。すると目覚めたときに、問題を解決できるアイディアを思い浮かぶことが多かったのです。そのアイディアをすぐに実行して、1000を超える特許を取りました。『なんか胡散臭い話だな』と思うかもしれませんが、この方法は『追想法』あるいは『レミニセンス』と呼ばれ、科学的な研究もおこなわれています。日本人で初めてノーベル物理学賞を取られた湯川秀樹博士も、これを実行して偉大な実績を上げました。
『追想法』あるいは『レミニセンス』という考え方が出てきましたね。このあたりは間違いなく学力、あるいはその人が捻出する結果に大きく影響してきそうなカギになりそうです。更に、
というキーワードでも考えることがあります。下記の記事をご覧ください。そこに、この2つの重要なキーワードについての例が書いてあります。
このセレンディピティは、『東大・京大で最も読まれた本』という帯やポップがつき、ロングセラーとなった『思考の整理学』という本でも見ることができるので、勉強が好きな人は聞いたことがあるかもしれません。
セレンディピティはつまり、『思わぬところで発見をする』という、先ほどの『追想法』あるいは『レミニセンス』と似たような現象です。この現象を起こすためには、
という2つのポイントを押さえることが重要です。エジソンの場合も同じように、まず徹底的に勉強し、研究し、そして仮眠を取り、起きるとアイディアを思いついていたわけですよね。ですから、この2つのポイントが重要になります。当然、ただ休憩をしているだけではアイディアは思いつきませんし、『徹底的な勉強』は容易ではありません。しかし、とにかくたしかにこのような現象がある。これはすべての勉強家にとって、見て見ぬふりができない重要なポイントです。
恐らく、徹底的に勉強している間は脳が疲弊していて、ほかのことを考える余裕がないのですが、休憩をすると脳が『リセット』のような形になり、違う視点から物事を観れるようになるのではないかと私は考えています。この休憩とは、決して睡眠に限ったことではなく、『違うことをしている』ときも、その対象です。『仕事ができる人の脳、できない人の脳』には、脳には『脳番地』と呼ばれる番地があり、それはそれぞれ、
とに大きく分けられ、様々な役割を持っていると、説明しています。恐らく、勉強しているときと違う脳番地を使っているときに、『勉強の脳番地(思考系、理解系等)』が休憩でき、その休憩(リセット)のおかげで違う発想ができるようになるか、あるいは『違う脳番地』自体が違う発想をするか、というこのあたりの推測ができます。とにかく、睡眠や休憩はこのセレンディピティにとってとても重要なこと。こういうことからも、勉強と睡眠は切っても切り離せない関係と言えます。
また『ミエリン』ですが、記事からキーワードを抜粋しましょう。
彼らの空間ナビゲーションをつかさどる脳領域は、タクシー運転手以外の人たちよりもかなり大きく、またその領域は、仕事の経験に応じて成長を続けることがわかった。
練習にかけた時間とミエリンの量に比例関係が認められた。
目的性訓練は、向上を求める中で新たな神経接続を作りだし、 脳の特定部位を増大させ、このためエキスパートは改善を探求するなかで、脳の新しい領域を利用できるようになる。
ミエリンというのは神経伝達に関係している物質で、これが増えるほど、神経の伝達速度が速くなり、その行動がスムーズになります。例えば、
は当然、後者の方がミエリンの量が『多い』ということになります。ミエリンは練習すればするほど量が増えるのです。これを考えたとき、以下の記事の重みが理解できるようになります。
ミエリンを意識しながら愚直に勉強し続けることで、勇気もわいてくるでしょう。また、このミエリンに注目した睡眠専門家もいます。『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』にはこうあります。
ミエリンは脂質の一種で、神経を覆って保護する絶縁体の役割を果たす。これがあるおかげで、脳とその他の部位の情報伝達を素早く行うことができる。私たちの行動は、神経経路によってコントロールされている。それを覆うミエリンは、同じ行動が繰り返されるたびに成長し、電気信号という名の情報がどんどんスムーズかつ速く伝わるようになる。(中略)電気信号を伝えあう脳の神経細胞は、たがいにつながり合う。同じ行動を繰り返せば、そのつながりが脳内で強化される。この働きを眠るときの環境にあてはめるとどうなるか。寝室でさまざまなことを行えば、眠るための神経細胞のつながりはあまり強化されないのではないか。
上記の記事に、入眠準備を整えるための『ルーチン』つまり、『入眠儀式』、あるいは『就眠儀式』について書きました。例えば『寝る前にストレッチをする』等ですね。この入眠儀式にも、実はこのミエリンが関係しているというわけです。
つまり、このミエリンも、『睡眠と勉強』の両方に極めて重要な影響を与えると言っていいのです。このあたりのことを考えて勉強、睡眠を最適化していけば、勉強の効率もぐんと良くなることでしょう。