夜型、睡眠不足の人は太りやすい?肥満と睡眠は関係ある?
睡眠不足の人が太りやすいとは言えそうです。
睡眠時間が短いほど食欲を促すホルモンの『グレリン』が増え、反対に食欲を抑えるホルモンの『レプチン』は減少します。この時点で睡眠が足りないと食欲が増殖し、太りやすくなると言えます。また、夜型の人が必ずしも太るとは言えませんが、夜には誘惑がたくさんありますから、太りやすい環境にいるとは言えるでしょう。また、しっかりした睡眠を取ると『成長ホルモン』が出ますが、この成長ホルモンには『蓄積された脂肪の燃焼』をする働きもあります。様々な観点から考えても、睡眠不足の人は太りやすいと言えるかもしれません。
睡眠とダイエットにはどのような関係性があるでしょうか。一つ一つ見ていきましょう。
夜型の人、あるいは睡眠不足によって太ってしまい、肥満になってしまうことがあります。普通、睡眠不足にあるような人の顔を思い浮かべると、脆弱していて、つまり弱り切っていて、目の下にクマがあって、体力が衰弱しているようなそういうイメージで、むしろ痩せている気がしますよね。
たしかに状況によってはそういうこともあるでしょう。例えば麻薬中毒者のような人がいたとします。覚せい剤というのは文字通り『覚醒』させますから、睡眠することができません。『眠らなくてもよくなる』のではなく、『睡眠をさせてもらえなくなる』のです。睡眠の恩恵を理解している人から言わせれば、そういうことになります。
そういう人は間違いなく『睡眠不足』ですよね。また夜型であるケースも多いです。そして麻薬の効果によって食欲もないでしょう。ということは、そこにいる『睡眠不足の人』は先ほど言ったようにむしろ痩せこけてしまっている可能性が高く、今回の話とは真逆の状況に陥ってしまいます。
しかしそれはあくまでもごく稀なケースですからね。まず周りを見渡してもそういう人はいませんし、いない方がいいでしょう。ですからそういうケースは度外視して考えることにしましょう。当然、そのようなものでダイエットをしようという発想は間違っていますので、やめましょう。
そもそも、それらで痩せるのは『ダイエット』というよりも『心身の衰弱』です。健康的なダイエットは筋肉を維持して脂肪だけをそぎ落としますが、衰弱とは筋肉も、最悪の場合は脳や骨も一緒にダメージを負っていきますので、そのうち『人』として機能してこなくなってきます。
あるハリウッドスターが激やせしてしまい、骨が露出している写真を取られ、写真誌に『●●、あなたは薬をやめますか?それとも人間やめますか?』と書かれてしまっていましたが、『理想の人』を目指してダイエットをしていたら、いつの間にか『人』じゃなくなっていた、ということがないように、ダイエットは必ず王道を行かなければなりません。
その王道を行こうとする立派な人に、『睡眠と食欲』に関する重要な情報があります。
『肥満外来の女医が教える熟睡して痩せる「3・3・7」睡眠ダイエット』にはこうあります。
寝ないと太る
(省略)Aさんは毎日の仕事に夢中になるあまり、『睡眠時間がもったいない』と働き続け、生活が不規則になっていきました。ちょうどその頃、精神的に不安になる出来事も重なって、浅い眠りしかとれなくなっていきました。するとやがてAさんは、大事な会議でも居眠りをするようになったり、運転中の信号待ちでもウトウトして危ない目に遭いそうになったりと、日常生活にも支障が出てきました。そんなとき『こんなにパワーが不足している状態はだめだ』とAさんが思い立ったのは、あろうことか『暴食』でした。少しでもスタミナをつけようと、カロリーばかりが高くて栄養が乏しいファストフードやジャンクフードを食べることに走ってしまったのです。当然のことながらAさんは、疲れが取れない上に、みるみる太っていきました。
まず考えるべきなのはこのようなケースです。私も何度も夜更かしをしたことがあるからわかりますが、徹夜をすると確かにこのAさんと同じような行動をとりがちです。特に、徹夜後の日に『こさなければならない責務』があるときなどはそうですね。そうではなく、ただ一日中寝ていてもいいということであれば、こういうことにはなりません。何か自己防衛本能的な部分で、
何か食べて力をつけないと乗り切れない!
と思うわけです。それで結果的に暴食に走ってしまうんですね。それには一応の言い訳があって、
こんなに無理しているんだから、これくらいのカロリー摂取は暴食にならない!
という考え方が浮かぶのです。何かこう、プラマイゼロのような、そういう理論を正当化したくなることもそうした行動の背景に存在しています。確かにこの部分だけを考えると、理論的には一理あります。寝ていない分、栄養で力をつけて乗り切ろうとするのは、物理的に考えてもつじつまは合います。ゲーム世代の人しかわからないかもしれませんが、RPGゲームでは、物語を進めていくうちに敵と戦ったりして、体力(HP)が減ってきます。それを回復するためには、
等の行為をしなければいけません。体力を回復しないと物語を先に進めることができません。その際、『宿屋に泊まる』行為がここで言う『睡眠』に該当します。しかし、旅先で宿屋がない場合は、薬草を使って臨時的に体力を回復させるしかありません。それがここで言う『食事で睡眠の分の体力回復を補う』行為のイメージとなるのです。
もちろんゲームと現実は違いますが、イメージ的にはそういう感覚で、睡眠で回復できるはずの体力を回復し、力をつけてその日を乗り切ろうとします。そういう精神的な考え方も手伝って、人は徹夜をし、あるいは睡眠不足になると、その不足分を補おうとして『無駄な食事』をしてしまいがちになるのです。
しかしこの現象には、どうやら裏があるようです。『肥満外来の女医が教える熟睡して痩せる「3・3・7」睡眠ダイエット』にはこうあります。
正しく眠れば食欲をコントロールできる
人は正しく眠ることができないと、『太る食べ物』を体が欲しがるようになります。例えば残業が続き、寝不足の場合なら『夕食か…面倒だな。その辺のコンビニかファストフードの丼もので済まそう』、眠れなくて疲労が蓄積している場合なら『疲れたときはスタミナ補給にガッツリ濃い味のものを食べてエネルギーをチャージしよう』と思うことはありませんか?炭水化物中心の食事や、濃い味付けのものを食べたくなるのは、個人の味覚の好みだけでなく、正しい睡眠ができていないからかもしれません。
つまり、単純な精神論ではなく、実際に『人は正しく眠ることができないと『太る食べ物』を体が欲しがるようになる』からくりがあるのです。本にはこう続きます。
睡眠と食に関する興味深い研究をしたのは、シカゴ大学です。実験では、被験者をふたつのグループに分け、片方のグループに10時間の長時間の睡眠を、もう片方のグループには4時間の短時間の睡眠を、それぞれ2晩させました。その結果、4時間しか寝ていない睡眠不足のグループは、実験前の正常な状態と比べて、食欲を増進させる体内物質が増えたことに加え、ジャンクフードのような炭水化物や濃い味付けのものを欲しがるようになっていたということです。
つまり、人は睡眠不足になると実際に『食欲を増進させる体内物質が増える』のです。この物質のせいで、人は無駄な食事をしようとしてしまいます。しかも、普段は食べない甘いものや、ジャンクフードのような高カロリーのものを選ぶようになる傾向があるというのです。
これは私にも身に覚えがありますね。私はかつて『松屋のあとに、てんやで天丼を食べる』というような生活をしていた時期があり、あまりにも太りすぎ、医者には『あと一歩で脂肪肝になる』と言われたことがあります。以来、ダイエットとトレーニングを本格的にやるようになりました。あれから15年ほど経った今、お腹の脂肪が完全に取れたとは言いませんが、ほぼダイエットも成功しています。太っていたころの私を知る人が写真を見れば、みんな驚きます。ちなみに下記の動画『16:26』にある写真がその写真ですね。太っていたころは『15:15』にある写真です。
ですから私はとてもヘルシーな生活を心がけています。ヘルシーというのは『健康的』という意味です。規則正しい生活を送り、食事も和食をベースにし、たんぱく質は基本的に鶏肉で、足りない分はプロテイン。野菜と果物を意識して摂るようにし、おやつを食べてもヨーグルトです。このような規則正しい生活をしているものですから、『このレール』から外れたときは、すぐにわかります。例えば、夜更かしをするとします。この間もしたからわかるのですが、するともちろん翌日の体調は一日中悪くなり、持病のアレルギーなんかへの免疫力も弱くなります。
そしてここでまさに挙げたように、『普段は決して食べないもの』を食べようとするのです。例えば、マクドナルドやコンビニのスイーツです。この間の例で言うとすでに私にはこの知識がありますから、これが『一時的なブレ』であり『バグ』であることがわかっているのですが、わかっていても体が欲しがっているんですね。そして『いつもは節制しているから』という言い訳を盾にして、買ってしまったのです。このように、まるで冒頭で話した『麻薬』のように考え方すらも操ってしまうのが、ここで出てきた『体内物質』なのです。
『体内物質』や『脳内物質』というのは思っているよりも強力なものです。『脳と心のしくみ』によれば、ネズミで実験すれば、死ぬまで永久に『押すとドーパミンが出るボタン』を押し続けますからね。ドーパミンもまた、とても強力な力をもった脳内物質です。
麻薬をやっている人の脳にもこのドーパミンが大量に出ています。タバコでもそうですが、そのように『有害であるはずのものを強く正当化する』ような人は、見方を変えると『脳内物質の強い力に支配されている人』ということになるわけですね。
ではその『体内物質』の正体は一体なんなのでしょうか。『疲れをとるなら帰りの電車で寝るのをやめなさい』にはこうあります。
日本人の睡眠時間は50年で1時間減
(省略)近年の研究によって判明したことだが、寝不足が続くと太りやすい。睡眠時間が短いほど食欲を促すホルモンの『グレリン』が増え、反対に食欲を抑えるホルモンの『レプチン』は減少する。二重の意味で太りやすくなるわけだ。
その正体は『グレリン』です。そしてなんと、睡眠不足でそれが増えると同時に、食欲を抑えるホルモンの『レプチン』というホルモンが減少するんですね。
各ホルモンの概要
グレリン | 食欲を増進する |
---|---|
レプチン | 食欲を抑える |
つまりこういうことです。
体内物質の力は先ほど見たとおりですが、睡眠不足になるとこのようにして、実に2つものホルモンの力が働いてしまうので、暴食に走ってしまうということなんですね。そしてそうした生活が続くと、みるみるうちに太ってしまうということなのです。私の場合、夜更かしをすることは稀ですし、先ほど言ったように日々の生活がきちんと管理されているので、すぐに元の生活に戻すことができます。一流のジョッキーである武豊さんなどは、腕時計のゆるみ具合で自分の体重がどれくらいかわかると言っていましたが、私も長い間体重管理をしてきたので、それに近い感覚が身についています。
少しでも多くカロリーを取ったら違和感を覚え、気持ちが悪くなってきます。暴食した延長線上に何があるかもしっかりと見えているので、そういうブレは一時的なもので止めることができます。しかし、私のように一度転落して、実際に経験し、そして長い間健康と向き合った経験がない人は、その時の強いホルモンの作用の力に支配され、その暴食と生活の乱れを一時的なものにできない可能性があります。
イギリスの哲学者、フランシス・ベーコンは言いました。
『知は力なり。』
そういう人は、まずここで覚えた知識を自分のものにし、力としましょう。その力がそのホルモンの力や、間違った考え方を軌道修正するエネルギーとなってくれます。
ではなぜ夜型人間が太ってしまうのでしょうか。
『疲れをとるなら帰りの電車で寝るのをやめなさい』にはこうあります。
夜型の生活習慣は肥満につながる
朝から働くのが一般的な現代社会にあって、夜型になるマイナス面は大きい。夜更かしをしても朝は早く起きなければならないので、どうしても睡眠時間が短くなる。朝は体に鞭打って起きるため、しばらくは時差ボケのような体調が続く。さらに、夜遅い時間に食べる習慣だと、肥満にもなりやすいという。
『朝から働くのに夜起きてしまう夜型』の人の場合、やはり先ほど言ったように食欲を増進するホルモンである『グレリン』が増え、同時に食欲を抑えるホルモンである『レプチン』が減少することで、夜にご飯を食べがちになるという傾向があります。更に、夜遅い時間に食べる習慣だと、肥満にもなりやすいといいます。
また、そういう人は休日で『まとめ寝』のような寝方をすることが多く、平日と週末の睡眠時間の差が大きい人ほど太りやすいとも言われていて、実験での試験の点数が悪いことも報告されています。つまり、仕事のパフォーマンスに影響が出るリスクを抱えているということです。
またそういう人は『朝食を食べない』こともあります。すると、体内時計が狂って時差ボケのような状態に陥ります。
つまり、太陽光を浴び、朝食を食べれば、体内時計と腹時計が一致し、ダブルの方向で乱れたリズムをリセットすることができるようになるのですが、それができないとなると体調は不調気味になります。この体内時計システムが、
などの調節を設けているので、これが狂うと何かしらの不調が起きてもおかしくありません。元気な人であれば、その不調を取り戻そうと『ドカ食い』してしまうこともありますし、そうじゃない人も朝が元気なく、夜に元気が出たころにたくさん物を食べるようになれば、消化と吸収の関係上、脂肪として栄養が蓄えられやすくなります。
ただ、『夜に起きて朝に寝る』という夜型タイプの人はその限りではありません。私もそういう生活をしていた友人がいましたが、彼が太っていたというわけではありません。また、水商売の女性も多く見ましたが、むしろ痩せている人が多かった印象です。あくまでも人間のリズムは太陽のリズムと合わせるべきというのが基本的な考え方ですが、中には夜型生活が合っている人もいる、という見解もあります。例えばマツコ・デラックスさんが『ホンマでっか!TV』で、
と聞くと、
と専門家は答えていました。ですから、夜行性の動物がいるように、夜行性の人間もいるかもしれない、という見解があることは確かです。しかし、それはごくわずかな人であって、太陽の紫外線をある程度浴び、カルシウムを作って骨粗鬆症等を予防していたり、太陽のブルーライトで『セロトニン』を出し、精神安定と活力を得て、夜に『メラトニン』を出して快眠できるように、朝型人間の方が圧倒的にメリットが多いため、それを推奨することはできないでしょう。
ただ、そういう夜型タイプの人も、食事に気を付けていれば体形はキープできるでしょう。ただ、そのようなタイプが気を付けなければならないのは、『パーティ乗り』です。水商売でもカラオケ何かの夜遊びでもそうですが、人がパーティのようにパーッと盛り上がるのは往々にして夜です。
そして、飲食店を筆頭としたお店が盛り上がるのも夜で、人はその時間、どうしても気が緩みがちになります。昼間はまるで太陽に見張られていて悪さができない気がするのですが、夜になるとまるでその見張りがいなくなったような解放感があり、少し悪さをしてもいいような気がするものです。ですから、犯罪も圧倒的に夜が多いですし、お酒を飲んだり大騒ぎすることも夜が多いわけです。その中で、やはりどうしても暴飲暴食してしまいがちになります。お酒の席によくつく人は、お酒に合う脂っこい料理も食べがちです。するとやはりそれらの食事で太ってしまうことになりますね。
『夜に起きて朝に寝る』という夜型タイプの人は、そういうことに気を付け、そしてそういう生活をするなら『短期間限定』と決めるのがいいでしょう。ダイエットのこともそうですが、そのままだと心身の不調が心配です。たしかにそういうタイプの人に痩せている人は多い印象でしたが、同時に、心身が不調であり、不安定な人も多かった印象ですね。中には睡眠薬を飲んだり、お酒を飲んで寝るような人もいました。
そのような睡眠方法を続けていると、そのうち心身が疲弊し、またそういうものに頼る、という悪循環が続きます。そして、そういう舞台で暮らす人はつい『麻薬』にも手を出しがちです。自分にはそういう気持ちがなくても、周りがそうさせるのです。しかしそうなれば痩せることができますね。もちろん、それと引き換えに大きな代償を払いますが。
『夜に起きて朝に寝る』という夜型タイプの人は、昼間のそれよりもはるかに多い、様々な誘惑に打ち勝つ強い意志が必要になります。誘惑は夜に多いですからね。その夜を舞台にして生活する以上、『太る』こと以外のありとあらゆるリスクから自分の身を守るよう、注意する必要があります。
太ってしまうと、『睡眠時無呼吸症候群』のリスクもひきあがります。まず肥満によって軟口蓋や咽頭壁に余分な脂肪がつき、咽頭の奥が肥大し、気道がふさがれていびきをかくようになります。同じように無呼吸症候群のリスクも上がることになります。
すると、その無呼吸症候群やいびきが更に睡眠不足を引き起こしますからね。そうなると悪循環が続きます。
更に睡眠不足になると、日本で『5大疾患』とされている、
はおろか、
等のさまざまな病気の原因となってしまいます。『肥満と睡眠不足』は、決して軽く考えるような問題ではないのです。
また、これらホルモンなどとはまた違った角度からも見てみましょう。
『肥満外来の女医が教える熟睡して痩せる「3・3・7」睡眠ダイエット』にはこうあります。
正しく寝れば1か月で1㎏痩せられる!
(省略)睡眠は、肥満に深く関係しています。なぜなら私たちは、毎日きちんと眠るだけで、やせることが可能だからです。例えば私たちのカラダは毎晩ぐっすり眠るだけで300キロカロリーを消費できることがわかっています。
この本の著者が推奨する『3・3・7睡眠ダイエット』をすれば、効率よく脂肪を燃焼することができ、寝ている間に300キロカロリーを消費することができます。
300キロカロリー×30日=9,000キロカロリー
ですから、1か月でおよそ1㎏痩せられるということですね。そしてもちろん、
9,000キロカロリー×12か月=108,000キロカロリー
ですから、1年でおよそ10㎏痩せられるということになります。実際、本にもそのように記載してあります。その方法はこうです。
この『3・3・7睡眠ダイエット』は、『最初の90分』とか、『成長ホルモン』とか、『寝不足、過眠は病気になる』とか、そのような実際のデータを軸にして考えられているので、すべて理にかなっていると言っていいでしょう。下記の記事でもそのあたりについて詳しく書いています。
ダイエットをしようという人の中には女性も大勢います。その中には、『美』を求めてダイエットをするという人もいます。そんな人は、今回この『成長ホルモン』というものが心強い物質だということがわかるでしょう。
成長ホルモンは、疲れた体をリセットし、疲労回復を促してくれます。不足なくぐっすりと眠ることができれば、肌も細胞もリセットされて若返り、アンチエイジングの効果が期待できます。当然老化現象がありますから完全にリセットされるわけではありませんが、成長ホルモンは別名『若返りホルモン』ともいわれていますので、『疲れた体をリセットする』というのは、本当のことなのです。
冒頭の『衰弱』の話と同じように、たとえ痩せたとしても『痩せこける』とか『老衰する』のでは嫌でしょう。それならば、しっかり食べて、ぐっすり眠ることが欠かせないのです。
成長ホルモンの働き
ただ、先ほどもこの本に『少しでもスタミナをつけようと、カロリーばかりが高くて栄養が乏しいファストフードやジャンクフードを食べることに走ってしまって太った』とありましたね。つまり、いくら『3・3・7睡眠ダイエット』をしても、食事面をぞんざいにしていれば、太ってしまいます。『3・3・7睡眠ダイエット』をしていれば勝手に痩せるのではなく、食事や運動といった基礎中の基礎を合わせて行うことが前提となるのです。ですから多くの人は、
…なんだ、じゃあ無理じゃん
と思ってしまうでしょう。そしてそういう人に、ダイエットを成功させた私から朗報があります。そういう人が痩せられる方法があるのです。それは、
『その考え方をいますぐ捨てる』
ことです。やる前から無理と決めつけ、やったとしても途中で投げ出し、見てないところで自分を甘やかし、見た目だけ気にして自分に芯がない。そんな人は何をしたってできませんよ。仕事もできないし、人間関係も希薄なものでしょう。そして『楽に痩せられるよ』という甘い誘惑にでも乗って、冒頭の話にでも乗りますか?それでもいいでしょう。人は、失敗をして人生を改めるものです。私も大きな失敗をしなかったら、人の意見など聞く耳も持ちませんでしたからね。
人にはそれぞれ、与えられた環境の差異があり、成長するスピードや、成熟するためにかかる時間は違います。『言われる前』に自分からやる人もいるし、何度失敗しても自分の道を変えられない人もいます。
アイルランドの劇作家、バーナード・ショーがこう言ったように、
人は自分に執着しているからです。しかし、いずれ気が付くでしょう。人が必ず死に、人生がたった一度しかないように、人間も動物も、この世にあるものは『決して逆らえない真理』に支配されて生きています。これは宗教的な話ではありません。事実です。そう考えたとき、その執着していつまでも同じ場所から動かない『自分』とは、本当に正しい姿なのか。それとも、何かのきっかけで簡単に変わってしまう、脆いものなのか。そういうことがわかってきます。考え方が正しい人は、
え!じゃあ普段通り三食食べて、最低限の運動をして、ちゃんと睡眠するだけで健康的に痩せられるじゃん!
と考えますが、間違った人は、
なにが『3・3・7睡眠ダイエット』だよ!食事を我慢するなら意味ないじゃん!
と考えるでしょう。しかし、その考え方は『一生』そうでしょうか。それともダイエットを成功させた後は、『私は間違っていた』と、あっけらかんと言うのでしょうか。正しく生きる人は、真理を味方にして、出来る限り健康的に生きていくことができます。しかし、そこから『逸れる』人は、心身も健康から逸れることを余儀なくされます。冒頭の『麻薬』の話がその最たる例ですね。ぜひ、ここに挙げられた『健康的な事実』を、『不健全』に解釈することなく、むしろ自分の心強い味方にしてもらい、ダイエットを成功させてください。