睡眠に効くサプリメントは何がある?
カモミール(ティー)、ヴァレリアン、テアニンが挙げられます。
いくつかの睡眠の専門書をまとめると『GABA、グリシン、テアニン、ヴァレリアン、カヴァカヴァ、カモミール』といったサプリメントや栄養素が睡眠に効果的であるという事実が浮かび上がってきます。その中でGABAは、内服する場合は『血液脳関門』という脳を守るメカニズムを通過することができないため、外部から摂取することによる効果は懐疑的なようです。グリシンに関してもまだ効果は不明確であり、カヴァカヴァはあまり日本にはありません。したがって、その3つのサプリメントや紅茶を摂取することが有効だという結論になります。これらであれば専門家も推奨できるといっています。
先生
ハニワくん
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空腹で寝れないときはどうすればいい?睡眠前に『食べていいもの』『ホットミルク・チョコレート・はちみつ・味噌汁・セロリ』の効果 睡眠に効く栄養素とサプリメント『GABA、グリシン、テアニン、ヴァレリアン、カヴァカヴァ、カモミール』 睡眠に効く食物や栄養素は『乳製品・魚類・大豆製品・ナッツ類・発酵食品』だ! 睡眠に必要な『トリプトファン、セロトニン、メラトニン』とは?(GABA、グリシン) 良質な睡眠と疲労回復を効率よく行う為に必要な『アミノ酸、タンパク質、イミダペプチド』
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睡眠に必要な物質や栄養素
しっかりとした快眠を得るためには、欠かせない物質や栄養素というものがあります。
セロトニン、メラトニン、トリプトファン
睡眠に必要な『トリプトファン、セロトニン、メラトニン』とは?(GABA、グリシン)
上記の記事で、睡眠は以下の物質をなくしては語れないと書きました。
- L-トリプトファン
- セロトニン
- メラトニン
『ササッとわかる「SAD 社会不安障害」 あがり症の治し方 (図解 大安心シリーズ)』にはこうあります。
3つの栄養素をバランスよく摂ることが大切
セロトニン生成に必要なL-トリプトファンは体内で合成されないため、食事によって摂取する必要がある。このトリプトファンがビタミンB6と結びつき、セロトニンが合成される。ブドウ糖はトリプトファンを脳まで効率よく運び、セロトニン生成を支える。
セロトニン生成に必要なL-トリプトファンは体内で合成されないため、食事によって摂取する必要があります。つまり、L-トリプトファンを摂取することが求められるわけです。そしてそのトリプトファンの効果をいかんなく発揮させるために、
- ブドウ糖
- ビタミンB6
- マグネシウム
- ナイアシン
も重要だと書きました。また、下記の記事では『睡眠前に食べるべき食事』についても書きましたので、併せてご確認ください。
空腹で寝れないときはどうすればいい?睡眠前に『食べていいもの』『ホットミルク・チョコレート・はちみつ・味噌汁・セロリ』の効果
今回はそれらの記事で書ききれなかった『睡眠によく効くサプリメントや栄養素』についてまとめてみましょう。ピックアップするのは、
- GABA
- グリシン
- テアニン
- ヴァレリアン
- カヴァカヴァ
- カモミール
という睡眠栄養素としてよく挙げられるものです。
GABA
冒頭の記事に少しは書きましたが、『ササッとわかる「SAD 社会不安障害」 あがり症の治し方 (図解 大安心シリーズ)』
心の状態に関わるGABAとβ-エンドルフィン
(省略)GABAはアミノ酸の一種で、上昇した血圧を下げたり、気持ちを安定させたりする役目をしています。腹がたっても怒りを抑えて行動を制御するなどの役割を持ち、ストレスへの抵抗力を高めるともいわれています。
『これは効く! 食べて治す 最新栄養成分事典』にはこうあります。
脳細胞を活性化するγ-アミノ酪酸(GABA)
アミノ酸の一種で、脳に多く存在する抑制性の神経伝達物質です。お茶や発芽玄米に多く含まれており、体内ではグルタミン酸から合成されます。
GABAが多く含まれる食品
- お茶
- 発芽玄米
このあたりの栄養素も意識して摂るようにしたいですね。ただこのGABAは、
- 脳内で自然に作られるもの
- 内服するもの
と2つあり、そのどちらも同じ効果があります。元々、小脳や脊髄に豊富に存在するのですが、内服する場合は『血液脳関門』という脳を守るメカニズムを通過することができないため、外部から摂取することによる効果は懐疑的なようです。
グリシン
それに比べ、『グリシン』という非必須アミノ酸は違います。下記の記事に、必須アミノ酸と非必須アミノ酸について書きました。その中から、非必須アミノ酸を見てみましょう。
非必須アミノ酸(可決アミノ酸)
- グリシン
- アラニン
- セリン
- シスチン
- チロシン
- アスパラギン酸
- グルタミン酸
- プロリン
- アルギニン
グリシンとありますね。これがGABAと同じような抑制性の神経伝達物質で、この場合はその『血液脳関門』を通過するため、口から摂取しても脳まで到達します。『お酒や薬に頼らない「必ず眠れる」技術』にはこうあります。
睡眠への効果は、体の熱放散をうながし、それにともなう体温の下降とともに入眠をもたらすとされています。
ただ、今研究の出所が、グリシンを『安眠サプリメント』と銘打って発売している会社なので、もしかしたら自社にとって有利になるように情報操作している可能性もあると著者は言っています。グリシンに関しては、いずれ中立機関が営利を目的としない形でしっかりと研究して、同じことを発表するのを待つのが最善でしょう。ちなみにグリシンを多く含む食品は以下の通りです。
グリシンを多く含む食品
- ゼラチン
- 伊勢えび
- 湯葉(干し)
- かつお節
- 高野豆腐
湯葉や高野豆腐であれば、ヘルシーかつ高たんぱくで、更にトリプトファンも含まれていることから、どちらにせよ積極的に食べるべきでしょうね。
睡眠に必要な物質や栄養素
テアニン
また『テアニン』ですが、これは『緑茶のうま味成分』です。これには鎮静作用があり、睡眠の改善を期待できます。
しかし緑茶はカフェインが含まれていますからね。利尿作用と覚醒作用がありますから、睡眠前に緑茶を飲むのは微妙なところですよね。
夜中にトイレで起きる原因は?睡眠前に『飲んではいけないもの』『アルコール・カフェイン・お茶・寝酒(ナイトキャップ)』
しかし、『緑茶カテキンの凄い健康パワー―驚異的に免疫力を高め、現代病を撃退! (サラ・ブックス)』にはこうあります。
ところが、緑茶にはカフェインの興奮作用を軽減する成分が含まれているのです。緑茶のうまみ、それはテアニンというアミノ酸で、昆布のうまみのもとであるグルタミン酸と似た成分です。そのテアニンこそ、カフェインの作用を抑えてくれる成分なのです。そして、緑茶、ウーロン茶、紅茶のなかでもっともテアニンを多く含むのが緑茶。コーヒーにいたってはテアニンの含有量はゼロです。緑茶にはそのほかさまざまな有効成分が含まれているので、緑茶のカフェインには心配するような害はないといえるでしょう。
緑茶・ウーロン茶・紅茶のテアニン含有量
成分名 | 緑茶 | ウーロン茶 | 紅茶 |
---|---|---|---|
アミノ酸類(mg/100g) | 4023.16 | 835.15 | 2355.32 |
テアニン(mg/100g) | 87534~3030.85 | 18699~873.82 | 1461.60 |
グルタミン酸(mg/100g) | 184.30~533.30 | 42.23~104.96 | 130.29 |
クロロフィル(mg/g) | 0.435~2.569 | 0.826~1.722 | 1.039 |
クロロフィルa(mg/g) | 0.238~1.370 | 0.441~0.877 | 0.536 |
クロロフィルb(mg/g) | 0.197~0.803 | 0.385~0.640 | 0.503 |
クロロフィルa/クロロフィルb | 1.159~2.002 | 1.145~1.678 | 1.066 |
カロチン(mg/g) | 0.0196~0.0510 | 0.0162~0.0306 | 0.0170 |
フェノール類(平均)% | 20.02 | 17.66 | 10.36 |
たしかに、緑茶のテアニン含有量はすごいですね。そして、カフェインの質自体も、コーヒーと比べればはるかに害がないと言えるようです。ただ、それだと一般的に言われる情報と食い違いがありますよね。恐らく、『覚醒作用』はテアニンによって緩和されても、『利尿作用』はあるのではないでしょうか。私自身、緑茶によって尿意を催した経験がたくさんありますからね。
そうなってしまうと、どちらにせよ睡眠前にテアニン目的で緑茶を飲むのは、睡眠の質の低下につながりそうです。ただ、テアニンにはサプリメントがありますから、『快眠サプリメント』として売っているそれらの商品を利用するのも手ですね。
ヴァレリアン
また、ドイツで古くから不眠症の民間薬として使われているものに、ヴァレリアンというものがあります。別名『セイヨウカノコソウ』と言われるこの薬は、サプリメントとしても出回っていて、鎮静、熟睡効果があると言われています。これに関しては、歴史に裏打ちされた効果があり、信頼度が高いということです。(『お酒や薬に頼らない「必ず眠れる」技術』)
ヴァレリアンを紹介する本はそれだけじゃありません。『肥満外来の女医が教える熟睡して痩せる「3・3・7」睡眠ダイエット』にはこうあります。
加齢とともに浅くなる眠りへの対処法
(省略)バレリアンは、和名を『西洋カノコ草』といい、1000年以上前から鎮静剤として使われている、歴史のある薬草です。バレリアンは、睡眠薬に匹敵するくらいの効果があると言われています。その証拠に、バレリアンは看護婦の方々に愛用されていることでも有名です。看護師の仕事はシフト制の勤務が多く、日によって眠る時間帯も事あれば、眠れる時間も変わります。不規則な睡眠のスタイルだからこそ、短い時間でも深く眠って体の疲労をしっかり回復させなくてはいけません。そんな時に、睡眠薬という科学的なものではなく、植物由来の体に優しいバレリアンを活用しているというのです。
このバレリアンを服用すれば、
- 夜間覚醒の頻度現象
- 睡眠の質の改善
- 神経痛や片頭痛の改善
等が見られるということで、快眠にはうってつけの効果を得られるようですね。実際、バレリアン(ヴァレリアン)をハーブティーなどで飲もうと思ったら、強烈なその臭気に耐えられないので、サプリメントで摂取するのがいいようです。
『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』にも、
このハーブは個人的にいちばんお勧めだ。鎮静作用があり、これを摂取すると寝つきがよくなり、夜中に目が覚めにくくなる。
として、強く推奨しています。まあ実際には現在の睡眠薬はかなり改善されているので、体への害はほとんどありませんけどね。でも、1000年も前からの実績があり、自然なものというのはとても安心できますよね。(まあ大麻も毒キノコも自然ですが…)
カヴァカヴァ
また、この本では『カヴァカヴァ』という植物にも同じような鎮静作用があるとして推奨していますが、日本ではあまり見ないようですね。
カモミール
また『カモミール』ですが、下記の記事でハーブティーとして、
- ジャスミン
- サフラン
- マテ
- パッションフラワー
- リンデン
- ベルガモット
- ローズ
- セントジョーンズワート
- ヤロー
等について説明しています。どれもリラックス効果をもたらし、自律神経を副交感神経優位にすることを手伝ってくれるため、安眠効果を期待することができます。また、そこにはありませんが、
- カモミール
- ラベンダー
- レモングラス
- レモンバーム
- クランベリー
等も同じ効果を得られます。『疲れが確実にとれる「眠り方」のコツ』にはこうあります。
寝る前に取りたい飲み物1 ハーブティー
(省略)なかでも眠りに最適なハーブティーとして有名なのがカモミール(カミツレ、カモマイルとも)。(中略)カモミールはギリシャ語で『大地のリンゴ』を意味する言葉が語源となっており、その名の通り、花にはほんのりリンゴの香りがある。その花でいれたハーブティーも、リンゴのような甘い香りが特徴だ。その香りにはすぐれた精神安定作用があり、眠気を誘うほかにも多くの症状に対して癒し効果があるといわれる。血行をよくし、冷えにも効く。
本にはその後、レモンバームやラベンダーについても推奨していますが、睡眠の本にあるのは『カモミール』が多い印象がありますね。例えば、『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』にはこうあります。
カモミールは神経系を鎮める
(省略)たとえば、分子医学に特化した『モレキュラー・メディスン・レポーツ』誌に、カモミールに含まれるフラボノイドには強力な抗炎症作用があり、COX-2という酵素の活動を衰えさせて物理的な痛みを和らげるという記事が載っていた。その記事では、カモミールは鎮痛剤や睡眠導入剤として利用可能だとも断言している。(中略)カモミールはこれまで、眠りを誘うハーブとして扱われてきた。現代になってさまざまな実験が行われた結果、その効能が実証されたのはもちろん、ほかにもたくさんのメリットが実証されている。神経系を鎮める効果や筋肉の緊張を緩和する効果をはじめ、体が睡眠を必要としているときによく眠れるように体を整える効果もあるという。カモミールは、寝る前にカモミールティーとしてとるのが一番だ。オーガニックのティーバッグで淹れたカモミールティーをカップ1杯飲むだけで、寝る準備はしっかり整う。
このように、やはりカモミールティーが多く推奨されているようです。ハーブティーはたくさん種類があって、結構どれも似たような効果なので、漢方薬と同じようにどれを使用すればいいか迷いますが、色々試してみて、自分が一番落ち着くものを選ぶのが一番いいでしょう。ちなみに私はパッションフルーツは、あまり好みではありませんでしたね。なんかカレーの香辛料みたいな味がするので。
カモミールには以下のようにサプリメントもありますが、
専門家は『カモミールティーとしてとるのが一番』と言っていますから、その通りにした方がいいでしょう。夜寝る前にカモミールティーを1杯飲むだけで充分だということですからね。ハーブティーには、先ほどの緑茶で考えたようなカフェインが含まれていませんから、夜寝る前に飲む飲み物としてはうってつけです。
先生
ハニワくん
- カモミール(ティー)、ヴァレリアン、テアニンが睡眠に有効なサプリメント。
サプリメントで摂取するということ
では、冒頭に書いた睡眠にとって重要な物質である、
- L-トリプトファン
- セロトニン
- メラトニン
を直接サプリメントで摂取するのはいけないのでしょうか。
ホルモンとビタミンは違う
『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』にはこうあります。
メラトニンの摂取には注意が必要
睡眠のためのサプリがテーマだというのに、メラトニンが入っていないと思った人もいると思う。メラトニンのサプリは、近年とても人気がある。それだけ睡眠のもんだが社会に蔓延しているということだ。専門家の多くは、メラトニンのサプリがよく効く人は一定数いると認めている。しかし、メラトニンの摂取はホルモンの摂取だということを忘れてはいけない。テストステロン療法やエストロゲン療法といったホルモン療法があるが、セロトニンの摂取もこれと同じで、副作用や何らかの問題が生じるリスクがついてくる。(中略)『メラトニンはホルモンであり、ビタミン剤とはわけが違う』と彼は言う。
たしかに、『その3つの物質』をサプリメントで摂る選択肢はあります。しかし、だからといってこの『メラトニン』をサプリメントで摂取してしまうとどうなるか。やはり本にもあるように、『メラトニンはホルモンであり、ビタミン剤とはわけが違う』ので、メラトニン受容体の感度が鈍ったり、様々な問題が引き起こされるのです。
『セロトニンの摂取もこれと同じで、副作用や何らかの問題が生じる』
と警鐘を鳴らしています。『トリプトファン』ですが、『健康にいいものばかり食べていると早死にします』には健康食品やサプリで死者が出た例をまとめています。
- 1989年ごろ、米国で死者38人、推定患者6,000人(Lトリプトファンの過剰摂取が原因。)
- 1977年、米国で液体プロテインというダイエット飲料で半年で死者58人
- 1994~2000年、台湾でやせるための健康食品アマメシバで死者9人
- 1998年3月にテレビで紹介されて日本でも消費量が増え、沖縄、鹿児島、名古屋、横浜でも患者が発生。
- 2002年7月、中国製ダイエットサプリで死者
- 2003年12月、米国でダイエットサプリ『エフェドラ』で100名を超える死者
- 2005年5月、中国製ダイエットサプリでまたも死者
- 2011年7月、タイ製やせ薬で死亡例を含む多くの健康被害
- 2013年10月、ダイエットカプセルで急性肝炎29人、死者1人
- 1996年3月、小柴胡湯事件、漢方薬で死者
Lトリプトファンの過剰摂取が原因で死者が出ていますね。その他にも安易にサプリメントに頼ると、想定外の問題に直面することにもなりかねません。実際には、先ほどの本ではトリプトファンをサプリメントで摂取することにそこまでのリスクはないと言っているのですが、サプリメントというのはとにかく過剰摂取しやすいというのが最大の難点です。やはり、このようなベースとなる栄養素はあくまでも食事で摂り、そのうえで、どうしても足りないと思うようであればサプリメントを使う、という形にしないと、問題が起きるかもしれません。
サプリメント依存は間違い
言ったように、トリプトファンの力をいかんなく発揮させるためには、
- ブドウ糖
- ビタミンB6
- マグネシウム
- ナイアシン
等の他の栄養素も必要になります。だからといって、これらの栄養素もサプリメントで補うとなると、費用が莫大になりますし、栄養に偏りが出てきます。食材には、単体の栄養素以外の栄養も多く含まれています。ですから一番いいのはやはり、
『いろいろな食事を、バランスよく食べる』
ということなのです。そうすることで、自然と健康の維持に必要な栄養素が集まって、おのずと睡眠問題も解決するでしょう。また、それらを踏まえた上で『睡眠に有効なサプリメント』を挙げるなら、
- カモミール(ティー)
- ヴァレリアン
- テアニン
が挙げられることになるでしょう。
先生
ハニワくん
- サプリメント依存は色々な意味で危険。
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