睡眠時はマスクをした方がいい?
何とも言えません。
まず、多くの睡眠の専門書には『マスクを着けて寝る』ということについて触れている本が一冊もありません。ということは、その効果はいちいちピックアップするほどのものではないということが言えます。また、私のようにハウスダストアレルギーの人がいる場合は、マスクの繊維のせいでくしゃみが出たり、鼻詰まりが起きてしまったりする可能性もあり、それが逆に睡眠の質を下げることもあります。風邪を引いている時の場合はマスクをして寝た方がウイルスをまき散らさないで寝具を清潔に維持できるというメリットもありますが、色々考えたうえでも、マスクの効果は人によって違うか、ケースバイケースということになるでしょう。
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睡眠時にマスクをして得られるメリットは、微妙なところです。まず、私は睡眠の専門書を20冊以上持っているのですが、
このようなポイントについて書いてあるものはあっても、『マスクをすれば快眠できる』と書いてある本は一冊もありません。
睡眠中にマスクをするということは、メリットとデメリットがあります。
例えば私はハウスダストアレルギーなのですが、マスクをした方がアレルギー症状が出ないときと、逆に出る時があります。ハウスダストアレルギーというのは、ハウスダストの中にいるダニやチリなどの糞や細菌等に反応しているだけじゃなく、『繊維』にも反応する時があります。繊維というのは、日常生活の中のどこにでもあります。例えば布団にもありますし、カーテンや洋服にもあります。もちろんマスクにもありますから、マスクをして寝ていると、マスクの繊維が剥がれてしまってそれを吸ってしまうときがあります。すると、そのせいでくしゃみが止まらなくなることがあります。
ただ、このケースは稀です。たまにマスクをして生活することもありますが、そのせいでくしゃみが止まらなくなるということは普通はありません。しかしなぜだか睡眠中という長い時間マスクをしていると、起きたときに喉がイガイガしていたりして、あまり口周りの調子が良くなかったという経験があります。
少なくとも、調子が良かったということはありませんね。あったらもっとマスクを日常的につけているのですが。私は喉も弱いからタバコも吸えないくらいなので、アレルギーのこともあってデリケートな私は、マスクで調子がよくなるならそうしたいのですが、あまり経験上、マスクをして寝てよかった、という経験はないですね。
風邪を引いているときなどに、枕を汚さないためか何なのか、その風邪を引いたときの心境で急にマスクをして寝ようと思う時もあるのですが、完治するときにはマスクを外しているからなのかもわからないのですが、特にこれといってマスクがその風邪を治したとかそういう印象もないですね。
また例えば、下記の記事に書いたように、マスクをすると意外と『口呼吸』になる人が多いのですが、口呼吸はデメリットが多く、推奨されません。喉が弱いと言いましたが、実際に私は喉を傷めて『扁桃腺炎』に近い症状が出たことがあります。
私はこの知識を知っていましたから悪化する前にたくさん水を飲んだり、口の渇きを抑え、鼻呼吸を努めたのですが、喉を触ると痛みがあり、まさに医者が昔私の喉を抑えて、『扁桃腺が腫れてますね』と言った時に触れていた部分から痛みがあったことから、扁桃腺炎に近い症状が出ていたことがわかります。
これは何とたったの一日でも炎症します。その日、マスクは関係ないのですが薬をいくつか飲み、そのせいで口が渇く副作用が出ていました。季節がちょうど真冬だったこともあり、乾燥していたことも手伝って、やたらと口の中が渇く状態が続いていました。すると、喉チンコのあたりがイガイガしだし、次の日には喉に痛みがありました。
口呼吸のデメリットは口が渇くことですから、このような病気にかかるリスクを考えると、マスクを長時間、しかも無意識の睡眠中につけ続けることは微妙な行動ですね。マスクをしているといつの間にか口呼吸になってしまうことがありますからね。
また、上記の記事でマスクのメリットデメリットについてまとめましたが、
メリット
デメリット
このうち、たしかに保湿ができるタイプのマスクはあります。
しかし、私はこのような保湿タイプのマスクをつけて、スパの仮眠施設で寝たことがあるのですが、やはり喉のイガイガは感じましたね。
これをつければハウスダストアレルギーの自分はどうなるんだろう
と興味本位で買ってつけてみたのですが、そういう体質の私を劇的に喜ばせるということもなく、普通のマスクと同じように、ある程度の外気のガードをしてくれたという印象でした。ですから、マスクをつけて何か恩恵を得られるという人は、まずの前提で私のようなアレルギーを持っていない人ということが条件かもしれません。たしかに、マスクというのは、
等、様々な使い道というものがありますから、便利なアイテムではあります。また、『風邪のウイルスを外に飛ばさない』ということもメリットですから、人と一緒に暮らしている人、あるいは集団に近づく機会がある人はつけるメリットは多いでしょう。
ただ、『マスクで何もかもガードする』という発想は危険です。厳密に言うと、
マスクでガードすればいいんだろ
という発想ですね。例えば私のように、アレルゲンをマスクでガードしたいと考えている人は、マスク等でガードするか、あるいは『掃除』をして、アレルゲン自体を排除することを思いつきます。そして、やはりマスクでガードするという行為には限界があり、くしゃみが出ないようにするために、日々掃除を怠ってはいけない事実にたどり着くので、結果、掃除をたくさんするようになります。
布団もです。布団用の掃除機も出ていますし、カーテンがベッドの近くにある場合はそこからホコリが落ちてくる場合もありますので、これらの掃除、あるいは掃除用アイテムというのは欠かせなくなります。
しかしそのおかげで、部屋がいつでも綺麗で快適な空間を保つことができます。これは大きなメリットと言えます。もし私がアレルギーを持っていなければ、ここまで部屋を清潔に保とうとは思わなかったかもしれません。結果、私は寝るときにマスクをつけて寝ようという発想は出ないのです。部屋も布団も常にキレイですから、マスクしないでも十分安眠できます。私のようなデリケートな体質であっても、常に清潔に心掛けていれば、喉にもダメージを与えることなく、ぐっすりと眠ることができるのです。
これが『マスクで何もかもガードする』という発想は危険だと言った理由ですね。私の家系では、知る範囲ではアレルギーを持っているのは私だけです。ですから、よく祖母の家に泊まりに行ったときはくしゃみが止まらなくて、大変でしたね。その時は自分がハウスダストアレルギーだと知りませんでしたから、
また持病の鼻炎が発症したか…
という認識しか持てませんでした。周りの大人の意見に従っていた結果でもありました。ですから、私の両親や祖母、兄弟を含め、ハウスダストアレルギーを持っていない人は、ハウスダストアレルギーの気持ちを理解できず、ハウスダストがどこに付着しているか、どうすれば人は清潔な空気を吸えるか、ということに対して、敏感ではないのです。
したがって、彼らは皆、私よりも掃除が下手です。というよりは、掃除を私よりも綿密に行いません。その結果、私の方が環境をクリーンにする技術に長けるようになり、『マスクをしてガードをすればそれでいい』という発想に甘んじなくなりました。保湿マスクにしろ何にしろ、ハウスダストアレルギーの私からすれば、『緊急的な一時しのぎのアイテム』にすぎません。もちろんそれらを使う場面はあり、私もそういう場面では、安いものより、よりクオリティの高いマスクをつけたいと考えるでしょう。
しかし、『マスクに逃げる』のではなく、『直接環境をクリーンにする』という発想を持ちたいのです。そうすれば、おのずと安眠はできるようになります。例えば室内に、
などがあるとどうなるでしょうか。『肥満外来の女医が教える熟睡して痩せる「3・3・7」睡眠ダイエット』にはこうあります。
寝室を片付ければぐっすり眠れる
(省略)その中で眠ろうとすれば、必然的に眠っている間、呼吸をするたびに汚れた空気を体内に取り込んでしまうことになります。ところがもともと私たちの体には、侵入してきた異物は外に出そうとする働きが備わっています。そうなると寝ている間も吸い込んでしまった汚れた空気を体外へ排出しようと体が反応して活動をはじめるので、自然と眠りが浅くなってしまうのです。
その『見えない悪因子』が、無意識の部分で自分たちの睡眠の質を下げている可能性があるわけです。私なら、これらの悪因子をマスクだけでガードするのではなく、『悪因子自体を減らす』ことを考えますね。そうすれば、マスクによる口呼吸からの扁桃腺炎等、そういった問題も考えずに済みますし、当然マスク代のコストも浮きます。
もし私がマスクをして眠るなら、それは外出先でどうしてもホコリっぽいとか、そういう環境に遭遇したときでしょう。以前、『ロンドンハーツ』で、ロンブーの淳さんが、女性芸人・タレントの家に泊まるロケで、ハウスダストアレルギーが悪化しないようにマスクをして眠っていましたが、私にはその気持ちがよくわかります。彼は部屋のチェックをする際に、コンセントやエアコンの裏など、隅々まで見て、ホコリが溜まっていないかチェックするので、中には彼を『異常な潔癖症』のように見る人もいるのですが、それは同じハウスダストアレルギーの人しかわからないことですね。
まあ実際にはそんなに裏の裏にあるホコリを吸うことはないので、そのチェックに関しては、その人に裏表がある人かどうかをチェックするためとか、テレビ的にとか、違う意味があるかもしれませんが。別に私は彼のファンでも何でもありませんが、同じアレルギーを持った彼の気持ちはわかるということです。ひどいときには、泊まるロケなのに、あまりにもホコリがひどいんで途中で帰ったこともありますが、その気持ちもよくわかります。睡眠の環境が最悪であれば、次の日は仕事どころではありません。永遠にくしゃみと鼻水が止まらなくなり、気分も最悪になります。
このようなケースのことを考えても、『マスクですらガードできない状況がある』という事実も浮き彫りになりましたね。その家の女性は間違いなくハウスダストアレルギーではないから掃除を怠っていたのです。ですから、『部屋を清潔にする』という最も肝心な部分をおろそかにしてしまうようであれば、あまりマスクに頼ろうとしない方がいいかもしれません。