睡眠前に読書をすると寝られる?寝られない?
本の内容次第です。新しい本であれば刺激になり、眠れなくなります。
逆に読みなれた本や、安心できる本を読む場合は睡眠を促せる可能性があります。人は睡眠前の読書によって、
という効果を得ることができ、快眠しやすくなります。その際、
等のことをしてしまえば、これらの効果は得られないので、しっかりとポイントを押さえるようにしましょう。簡単に言うと『脳に刺激を与えるか、興奮を鎮められるか』ということがカギになります。
Contents|目次
睡眠前に読書をすることで、眠気を誘ってより眠りやすくなることができる場合があります。
ただその場合は、『新しい刺激』を自分に与えないように注意が必要です。例えば、『美容皮膚科医が教える 美肌をつくるスキンケア基本ルール』にはこうあります。
質のいい睡眠にする方法
この一つ一つに良質な睡眠を促すための理由があるのです。わかりやすいのはカフェインですよね。カフェインには覚醒作用がありますから、寝つきが悪くなるのです。
全て大事な要素ですが、私が最も効果的だと思うのは、『いつも通りの行動をする』ですね。これに気づいている人は多く、例えばある芸人さんは、
と言っていましたが、彼もこのからくりに無意識に気が付いているのでしょう。私も全く同じことに気が付いていて、ある時から私はずっと、寝る前はスタジオジブリの映画を観るようにしています。
などがメインで、後の作品は私的に、先が気になるか、心を持っていかれて寝れなくなるので、この4作品をランダムにつけて、お風呂後にストレッチをした後、ボリュームをギリギリ聞こえるか聞こえないかくらいまで下げ、ベッドに入るようにしています。そうすると、そのわずかな『聞きなれた声や音』が脳内の周波数を安定させるのか、刺激されることなく安心して、ぐっすりと眠ることができるのです。
これに関しては下記の記事でも書きました。
ここで書いたのは寝る前のストレッチやヨガ等の運動ですが、筋肉や心がリラックスする程度のストレッチは入眠準備を整えるための『ルーチン』として効果があります。ルーティーンとも言いますが、これは『入眠儀式』、あるいは『就眠儀式』ともいわれます。『疲れが確実にとれる「眠り方」のコツ』にはこうあります。
自分だけの就眠儀式を作ろう
(省略)『歯磨きだけはしないと絶対に寝つけない!』と言い張る人もいるし、必ず歯磨きが先でトイレが後、と順番にこだわる人がいたりもする。(中略)このような習慣化された就寝前の行動パターンを『就眠儀式』という。就眠儀式は、もともと育児の分野で使われる心理学用語。子供は寝るときにおしゃぶりをくわえるとか、お気に入りのぬいぐるみを抱っこするとか、絵本を読んでもらうとか、一定の就眠儀式をもっている。
その芸人さんも私も、無意識のうちにこの『就眠儀式』を行っていたわけですね。これがもし『新しい刺激』だった場合、その先が気になってしまって、あるいは興奮し、覚醒の方向に向かってしまうため、逆に眠れなくなってしまうというわけです。『いつも通りの行動をする』。つまり、『いつも読んでいる本』や『映画』などを見ることを『就眠儀式』とし、脳に、
あぁ、もう眠る時間みたいだな…
と安心させることが大切だということですね。
また、『お酒や薬に頼らない「必ず眠れる」技術』にはこうあります。
寝る前の読書はだめ
(省略)読書は文字です。文字は視覚情報として、大脳の後頭葉へと送られ、それを前頭葉と側頭葉にある言語中枢が受け取り、意味のある言語として認識されます。言語中枢の中で、過去の自分自身の経験や勉強によって得られた知識(長期記憶)と照らしあわされ、感情の中枢も働いて、自分なりの感想や解釈として成り立ちます。このようにして読書は進んでいきます。もしその本がおもしろくない、もう退屈だ、となると、脳内麻薬と呼ばれるエンドルフィンという神経伝達物質が神経細胞から分泌され、脳の興奮を鎮めようとして眠くなります。『寝る前は哲学の本を読め』などと言われるのは、こうした反応を期待しているのです。
ここで出てきたのは『哲学の本』ですね。これはジョークですから決して哲学の本が睡眠にうってつけというわけではありません。私は哲学が好きですからね。しかもソクラテスなど、興味がある哲学者の新しい本などを読んでしまったら、付箋を貼ったりページを折ったりして、新しい発見に興奮してばかりで、眠れなくなるでしょう。ここで言われているのは『眠くなるような本』です。哲学が嫌いな人は哲学の本がいいし、私のような哲学が好きな人間は、数学の本を読むのがいいでしょう。要は、『興味がない分野の本』ですね。そういう本を読んでいればたしかに、学校の校長先生の話を聞いているときのように、
ふぁあ…眠いよ全く
という具合に、眠くなってくるわけです。このエンドルフィンの力は場合によってはリスクになります。例えば、長距離運転で退屈な景色が続くと、この現象と同じようなことが起こります。
つまりこの『エンドルフィン』によってその『退屈な状況』がさらに『眠い状況』に変化してしまうのです。そして居眠り運転に繋がってしまうわけですね。一般ドライバーは5~17%が運転中に眠気を自覚し、4~8%が居眠り運転の経験があり、うち居眠り運転による事故発生率は1%でしたが、長距離トラックの運転手は25~48%が居眠り運転の経験があり、居眠り事故を起こしたことがある人は11%と、一般ドライバーの約10倍以上であることがわかっています。
ただ、そのように運転中の居眠りということで言えば怖いこの現象ですが、睡眠前に利用してしまえば武器になります。
また『お酒や薬に頼らない「必ず眠れる」技術』には、
それと同じ意味で、寝ながら音楽を聴くというのもおすすめはできません。特に歌詞のついた曲はよくありません。言語中枢を活性化させてしまいます。
として、
に触れることは、覚醒系の神経伝達物質であるドーパミンの分泌に繋がり、逆効果になってしまうとして、警鐘を鳴らしています。
ということになるわけですね。これについては先ほどの運転中の居眠りの記事に書いたように、運転における睡眠不足の解消、あるいは居眠り運転の『前始末 』として有効な対策が、
であるという事実を見てもうなづける話です。ガムやコーヒーよりも、好きな音楽を聴く、特に歌詞のある歌を歌うというのが、実験によって一番眠気覚ましに効果があったことがわかったのです。このことからも、とにかく睡眠前には『刺激』を与えないように注意することが大切だということがわかりますね。
また、睡眠前の読書というのはそういった『就眠儀式』や『エンドルフィン』だけを目的としたわけではありません。『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』にはこうあります。
寝る前の読書は『リラックスできるか?』だけで本をチョイス
本を読むと、眼球が上下や左右にリズミカルに動きます。リズミカルな反復運動を行うと、メラトニンの原料となるセロトニンが分泌されやすくなることがわかっています。また本は楽な姿勢で読むことが多いため、読書には一定のリラックス効果があるといえます。そうした読書のメリットを『自律神経だまし』に生かせば、副交感神経の働きを上手に高めることができます。
読書における眼球のリズミカルな反復運動が、睡眠物質であるメラトニンの原料となるセロトニンの分泌に役立つのです。更に、姿勢によっては自律神経は副交感神経優位になります。
であり、寝るときは自律神経は副交感神経優位になる必要がありますから、
といった面からも睡眠の手助けとなるのです。
この著者はサーフィンが趣味だといことで、寝る前にはハワイの海や山などが移った写真集をめくっていると、気持ちが穏やかになり、自然と眠くなるといいます。自分にとって、
落ち着くなあ…
と思うようなものに触れるというのは、私の『ジブリ映画鑑賞』と同じ考え方ですね。つまりまとめると人は睡眠前の読書によって、
という効果を得ることができ、快眠しやすくなるということですね。その際、
等のことをしてしまえば、これらの効果は得られないので、しっかりとポイントを押さえるようにしましょう。